3月28日、米メディアのThe Wall Street Journalは「ディズニーのメタバース部門が廃止された」旨を報じました。部門廃止は、ディズニーにおける7,000人規模のレイオフの一部として実行されたものと見られています。今後のディズニーにおけるメタバース戦略は白紙に戻った模様です。
50人規模のメタバース部門廃止か
米メディアのThe Wall Street Journalによると、廃止されたのはメタバースへの参入を探っていた「next generation storytelling and consumer experiences division(次世代ストーリーテリングと消費者体験部門)」とのこと。同部門は約50人の従業員で構成され、「ディズニーの既存の知的財産(IP)をどのようにバーチャル空間で利用できるか」を模索していたものと考えられています。同部門幹部であるMike White氏を残し、全員がレイオフされたと報道されています。
メタバース参入には積極的だったディズニー
ディズニーはこれまで、メタバース参入について前向きな姿勢を見せてきました。2021年11月に行われた収支報告発表の場では、前CEOであるBob Chapek氏が「言うならば、我々の現在までの取り組みは、我々が現実世界とデジタルワールドを結び付け、自社のディズニー・メタバースで、境界のないストーリーを提供可能になるまでのプロローグに過ぎません」と発言しています。
また、2022年9月には、上海ディズニーリゾートにVR体験センター「VR SuperSpace」が登場するなどの動きもありました。
7,000人規模のレイオフへ
2023年2月、マクロ経済状況の悪化やストリーミング領域での競争激化などから、同社現CEOであるBob Iger氏は7,000人規模のレイオフを発表しています。なお、同氏はアバター作成を手がけるスタートアップのGeniesの役員も務めています。
ディズニーは本記事執筆時点で、報道に対し、公式な見解を明らかにはしていません。