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話題 2024.05.20

大規模ゲーム大会「CRカップ」はなぜ盛り上がるのか? ポイントは、VTuber、プロ選手、ストリーマーの異例の交流

プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」主催のCRカップ(Crazy Raccoon Cup)がここ数年盛り上がり続けています。2023年からは、メインの競技種目に格闘ゲームストリートファイター6が採用され、すでに第4回大会では公式配信に約6万人の視聴者が集まるなど、その勢いはとどまることを知りません。


本間ひまわり CRカップ本番当日の配信より)

そもそも、CRカップとは?

CRカップは、esportsの発展を目的としたオンライン上のゲームイベントです。Crazy Raccoon所属選手だけでなく、Twichの有名ストリーマーや、VTuber、タレントなどが参加するのが特徴となっています。これまで、APEX LEGENDSRAINBOW SIX SIEGEOVERWATCH2など、マルチシューターゲームがメインで選ばれてきましたが、最近ではストリートファイター、ポケモンなども競技種目に選ばれました。

大会の事前から出場選手が公表され、本番まで各チームが練習試合を重ねていきます。各チームにはゲームのコーチが選抜され、初心者メンバーを指導したり、チームでの作戦会議に参加することがあります。練習期間の途中には、ほぼ全員参加のスクリム(練習試合)が組まれるため、その時点での出場チームの実力差が浮き彫りになり、本番までにどれだけ成長できるかに注目する視聴者も多く見られます。

なぜ、人気になるのか?

各チームの選抜はCR公式運営側が行っていますが、VTuberやストリーマー、歌い手、タレントなど、各ジャンルで活躍する者たちがバランスよく選ばれている印象です。必ずしも、ゲームの実力が秀でている者のみが選ばれるわけではなく、実力が未知の初心者が参加していることもあり、何が起きるか分からない、お祭り的な要素を十分にはらんでいます。

チームに参加する選手は、お互いに初対面である場合も多く、長期の練習配信を通して、徐々に距離を近づけていきます。ファンの中には、それまで交流のなかった参加者同士の
初対面時のリアクションを楽しみにしている人も少なくありません。

特に、これまでVTuber文化にあまり触れてこなかったストリーマーやプロ選手が、VTuberとどのように接するかに迷いつつコミュニケーションをとる様子は、切り抜き動画でまとめられることもあります。

また、練習配信中の交流もポイントです。例えば、これまでCRカップでは選手として出場することの多かったストリーマーのSHAKAさんは、5月の大会で、にじさんじの本間ひまわりさんのコーチとして参加することに。コーチングの中で、初心者ながら短期間で技術を習得していく本間ひまわりさんの成長に驚き、本番でも大躍進。大会終了後には「目指します、SHAKAさんのところまで」と、さらなる成長を感じさせる言葉を伝えました。

大会は筋書きのないドラマを見せ、満足のいかなかった結果に涙する者もいるほど。初心者だった選手がこれを機によりゲームにのめりこんでいくことにもなり、次の大会へのモチベーションに繋がっていきます。

なお、Crazy RaccoonはCRカップを開催しているだけでなく、「VAULTROOM」とともに「VCR GTA」のようなストリーマーイベント(スト鯖)も企画しています。これまで交流のなかったジャンルの配信者が一同に集まり、新たな関係性を築いていくのが魅力です。

こういった、配信界隈全体を盛り上げる役割の中核を、Crazy Raccoonは担っています。その一方で、Eスポーツ団体REJECT主催の「EJECT FIGHT NIGHT」や、ストリーマーのSHAKA氏主催の「LEGENDUS」など、他団体や個人による格闘ゲーム大会も盛り上がりを見せている状況です。今後の大会や配信の中で新たなスターが生まれ、どんな活躍をしていくのか、期待せずにいられません。

(参考)Crazy Raccoon 公式X(旧Twitter)本間ひまわりSHAKA YouTube


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