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イベント情報 2018.07.02

ホンモノの無人島で恐竜退治、ARアトラクション「JURASSIC ISLAND」体験レポ

ハウステンボスは7月1日、無人島を舞台とした日本初の屋外ウォークスルー型ARシューティングアトラクション「JURASSIC ISLAND(ジュラシックアイランド)」をオープンしました。

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このアトラクションの舞台はハウステンボスから船で40分ほど、数km離れた無人島です。体験会には10名以上が参加、同時にアトラクションを体験します。本記事では、オープン前のメディア向け体験会の様子をレポートします。

無人島に上陸すると迷彩服を着たコンダクターからゲームの説明が行われました。本物の無人島の山道や林道を、モデルガンのライフルを手にして歩きます。

(迷彩服のコンダクターから説明を受けるところ。名前は「ボブ」だそう)

「JURASSIC ISLAND」は「無人島に眠る財宝を探して探検に来たが、この無人島には無数の恐竜が生息していた」という設定で始まります。参加者は恐竜を倒しながら、財宝を全員で探していきます。無人島の大きさは約1,400平方メートル。体験会当日は直前に雨が降っていたこともあり、地面がぬかるんでいたので、テントで長靴にはき替えてアトラクションを開始しました。

ライフル銃にはiPhoneが差し込まれたスコープが付いています。体験中に見るのは主にこのスコープで、iPhoneの画面に現れる恐竜を倒していきます。アトラクションは下のような流れで進んでいきます。

(1) 恐竜のいる位置まで、スコープのiPhoneの画面に映る矢印の指示に従って移動
(2) 恐竜が近くにいる位置まで到着すると、iPhoneが警告を鳴らす
(3) 画面に恐竜の足跡が現れるので、恐竜の足跡を辿って恐竜を探す
(4) 現れた恐竜をライフルで撃退する

(無人島には恐竜のオブジェも。インスタ映えするスポットになるかも)

「JURASSIC ISLAND」のシステムを開発したKDDIの方に話を聞いたところ、恐竜が現れる位置まではGPSを使い誘導、目的地に到着したらアップルのAR機能「ARKit」を使い、地面を判定させてARで恐竜が現れてくるというのが大まかな仕組みとのこと。


(ライフルには外付けバッテリーが装着されている。トリガーをタッチすると射撃)

上記の流れで言うと、恐竜の足跡を探すアクションで地面を判定させて、ARモードの準備をさせています。またライフルとiPhoneはBluetoothで接続されているとのことでした。

(無人島の山道は険しく足にくる。本格的)

(恐竜を探索中の画面)

(恐竜が近くにいるポイントになると赤色の警告が鳴る)

(スコープを地面に向けると恐竜の足が画面に出現)

(恐竜の足跡を発見し、足跡を追うと恐竜が!)

(恐竜に襲われると画面にヒビが入る。草食恐竜は撃ってはいけないので注意)

(一定のダメージを受けると復旧時間になりその間は何もできなくなります)

(巨大なティラノサウルスも登場)

(最後に撃退した恐竜の数とランキングが発表される。筆者は10位でした)

体験した感想としては、恐竜を探してから撃退するまでの流れは非常にスムーズで、足跡を探すのも自然なゲーム体験に落としこまれていました。また本当の山道を結構な重さのあるライフルを持って歩くので、現実にもある程度集中しなければならず、iPhoneのARの画面だけを見ていられない状況が逆にリアルな体験として感じられました。

KDDIはシステム開発の他としてiPhoneなどの機材、通信環境の整備などで協力をしています。通信環境については無人島から数km離れた場所に基地局があるとのこと。

「JURASSIC ISLAND」は複数人同時プレイのアトラクションですが、恐竜が出てくるポイントなどは各プレイヤーごとによって異なります。実際に体験してみて感じたのですが、画面に集中しているため、少し離れた場所でも他のプレーヤーがいると危なく感じることがありました。仮にこれが全く同じ場所、ポイントだったならば、危なくてゲームを楽しめなかったのではと感じました。

(ゲームコントロールサーバーにより、各プレイヤーと全体の進行が制御される仕組み)

また、各プレイヤーが倒す恐竜は同期されていないので、協力プレイなどはできないようです。ゲームとしてはプレイ時間内にどれだけ多くの恐竜を倒せたかというランキング上位を目指します。

アトラクションの最大同時プレイは70名程とのことですが、テストでは140名以上の同時プレイでも問題は起きなかったとのこと。体験会でも途中で落ちたりすることなく非常に安定したプレイができました。

屋外の山道を歩きながらということもあり、現実の延長であることを強く感じさせるARアトラクションとなっていました。ただし屋外の山道ということもあり、例えば崖のような坂や木々などのレイヤーの上を恐竜が歩いてしまったりする現象が起きることもありました。現在の技術では難しい環境でのチャレンジングなアトラクションだと言えるでしょう。

それでも、そもそも無人島に行くこと自体が楽しかったということもありました。特に無人島からハウステンボスに帰ってきた時には「少し前まで無人島に行って恐竜を倒してきた」と思い出を感じるような達成感に浸れました。

特に親子で一緒に体験すると面白そうで、テーマパークの1アトラクションとしては大いにアリな設定、環境だと感じます。山道を歩く肉体的な疲労も関係してか充実感もありました。

直近発表されたARKit2.0では協力プレイができるようになったこともあり、今回の「JURASSIC ISLAND」ように、ARを活用したアトラクションが人気を博していくことも期待したいところです。


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