グーグルが取得した、スマートグラス向けと見られる特許が公開されました。過去に同社が買収した企業の「ライトフィールド技術」も用いられており、現実のように見える3Dイメージを眼鏡のレンズに投影するというものです。
ライトフィールドカメラでイメージ取得
特許のタイトルは「Virtual eyeglass set for viewing actual scene that corrects for different location of lenses than eyes(レンズ位置補正機能のついた、現実空間を見るためのバーチャル眼鏡)」。公開された特許本文では、「バーチャル眼鏡は、レンズの反対側にあるライトフィールドカメラを通じて取得したデータに基づく画像を、左右のレンズに投影します」と説明しています。
ユーザーの目とレンズとの間には距離があるため、これを補正するためにライトフィールドカメラを用いています。すなわち複数の視点から対象を捉え、内蔵するプロセッサでユーザー視点の画像を構成、投影するというものです。こうして、レンズとの位置関係のずれにより、視野とレンズへの投影にずれが生じる視差効果(parallax effect)を低減しています。
このようにイメージを複数の視点から捉えると、3D画像の生成も可能になります。眼鏡のディスプレイにはライトフィールドディスプレイを用い、深度情報を含む3次元イメージを投影。ユーザーは、まるで現実にその対象を見ているように感じられます。
グーグルは2018年、ライトフィールド技術のスタートアップLytroを買収しました。この分野では、他社に比較してアドバンテージがあるといえます。
デバイス開発への注力も表明
また同社は2020年6月にも、スマートグラス「Focals 2.0」を開発するNorthを買収しています。「有用なデバイスの開発にますます注力する」との声明も発表しており、今後の動向が注目されます。
(参考)Patently Apple、USPTO