VRプロダクション会社「Vrse.works」が国際連合と提携を組み、イスラエル人による抵抗と、パレスティナ人の暴力というパレスチナ自治区ガザにおける2つの顔を描くために、360度フィルム『My Mothers Wing』を制作しました。
『My Mothers Wing』は、イスラエル軍の空爆による国連学校への爆撃により、二人の子どもを失ったパレスチナ人家族の母の悲しみ、そしてガザ地区の現状を描いた作品です。国連はVRSEと提携してVRドキュメンタリーを制作することで、より直接的に人々の心に訴えかける試みを行っています。
以下、VRSEの共同設立者であるパトリック・ミリング・スミス氏の言葉です。
「国連との提携の使命は、ガザ地区におけるこれらの状況に意識を向け、共感を得ることです。フィルムは40ヶ国以上で視聴され、15以上の言語で翻訳され、数十億ドルものサポート資金を得ました。このフィルムが癒しと希望にもつながることが我々の願いです。」
ちなみに制作されたフィルムはAppleのiTunesストア、およびGoogle Playストアにて配信されているアプリ「Vrse – Virtual Reality」で視聴できます(無料)。
筆者も実際に本動画を視聴しました。数分間の映像を眺めているだけでしたが、実際に現地の空気に触れているような感覚になり、下手な2D映画を数時間見続けるよりも引き込まれました。
VRは、このようにより直接的に人々の心に訴えかけることができるコンテンツの創造をも可能にする技術なのだと実感できる一作です。
(参考)
United Nations Partner with Vrse on Gaza VR Documentary(英語)
http://www.roadtovr.com/united-nations-partner-with-vrse-on-gaza-vr-documentary/