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メタバース 2022.12.15

安心して着られるアバターを作るためにーー「YOYOGI MORI」主宰が語る「アバターの価値」

「アバターブランド」と言えば、最初に思い浮かぶのはやはり「YOYOGI MORI」だ。

販売されているアバターの値段は1体12,000~55,000円ほどと高価格であるにも関わらず愛好者が非常に多く、その価格に見合った高いクオリティと手厚いサービスにより、多くのユーザーから「アバターブランド」としての認知と信頼を獲得している。

最近ではリアルのアパレルブランドを展開する企業が市場へ参入するなど、業界の内外から多くの注目を集めている「アバター市場」。今回はそんな中でアバターブランドとしての地位を確かなものにするYOYOGI MORIの主宰である典樹氏に、YOYOGI MORIがブランドとして大切にしていることや、今後の展望について話を伺った。

YOYOGI MORI主宰:典樹氏プロフィール

アバターブランド「YOYOGI MORI」の主宰を務める傍ら、株式会社典樹の代表取締役として、自身でもキャラクターデザインや3Dモデルのディレクションなどを行う。なお、典樹氏のアバターは左肩に乗っている丸い生き物で、「Notia」は本体ではないとのこと。

ユーザーが安心して着られるアバターブランドを作りたい

――典樹さん、本日はよろしくお願いします。まずは、YOYOGI MORIが生まれた経緯を教えてもらえますでしょうか?

典樹:
まだVketの始まる前、「サマーウォーズ」とか、「レディプレイヤーワン」とか、ああいったものが作品として発表されていく中で、一般の方が当たり前のようにVRコンテンツを楽しむ時代が来るんじゃないかって思っていたんですよ。5~6年ぐらい前でしょうか。

そうした時に「一般の人が安心して着ることのできるアバターブランドを作りたい」と思ったんです。

VRChatのようなところに来るのはやっぱりアーリーアダプターだと思いますし、アバターの表現としてもとんがったものが多いと思いますので、そういった中において、「わかりやすく、かつ安心できるもの」ですね。

――なるほど、「安心」ですか。

典樹:
「安心」というのは、これからの3Dモデルって動画の素材としてというより、VRでのアバター、つまり自分の体として扱われるように変わっていくと思ったんですね。

そうした時に、自分と同じ姿のものが貶められていたり、痛い目に遭っているのを見ると、多分辛いだろうと。なので、クオリティというだけでなく、そういったことをフォローしているという意味でも安心できるアバターブランドを作りたいと思っていまして。

そして、ここは非常に重要なところで、アバターには古いアバター、新しいアバターとあると思うのですが、だんだん昔のアバターはアップデートされなくなり、ずっと好んでいるのにもう使えないとか、SDK3.0とかPhys Boneに対応しなければ使えなくなるという風に、気に入ったアバターが古くなってしまうということが、どうしても起こり得ると思うんです。

我々の場合はそういったものを常にアップデートして、気に入ったアバターをいつまでも使い続けられるようにしたいと考えています。

また、これは最終的なビジョンなんですけれども、祖父母がお孫さんにアバターをプレゼントできる時代が来ればいいなと思っています。これが叶うということは、とても可能性が広がるので、やっぱりこれはチャレンジしたいなと。

――モリオン航空モグモさんなど、制作メンバーが魅力的なことでも有名なYOYOGI MORIですが、メンバーについてはどのように集められているのでしょうか?

(※モリオン航空:HISADAKE氏とモグモ氏による同人ユニット。VRファッションの未来像を描いた「KEMONO FABRIC」やオリジナルSF作品「永久×バレット」を企画。現在放送中の「機動戦士ガンダム 水星の魔女」において、キャラクター原案および設定協力に携わっている。)

典樹:
メンバーは基本的に僕がお声がけして参加してもらっている方が多いですね。

お声がけするデザイナーさんに関しても、その人を誘って全部任せるというよりは、デザイナーさん同士の才能とか能力の掛け合わせによって新しい価値が生み出せるような、そういう形でアバターを作っていけたらなという風に考えてやっています。

imiut」の3Dモデルを制作したとれさんにしか出せない持ち味と、モグモさんのデザインの魅力であったりとか、「白鳥 -Shiratori-」「黒蛇 -Kurohebi-」を制作した冬緑さんにしか出せない端正な顔立ちと全身のルックの美しさ、それを綺麗にまとめ上げるイラストレーターのいなのめさんの力、という形ですね。複数の才能が掛け合わされば、それぞれ一人だけでは成すことができないことを新しい価値として作れると考えていて、これがYOYOGI MORIのクリエイティブ部分のコンセプトです。

――才能を掛け合わせることで唯一無二の価値を生み出せると。お声がけするメンバーを選ぶ基準はどのようなものでしょうか?

典樹:
YOYOGI MORIでは、他の業界でプロのデザイナーとして活躍されている方々を僕が探してお声がけすることが多いです。それは外側からプロの方にVR業界に来てもらうほうが、VR業界が盛り上がると思ったからです。

当然VRChatの中にも一緒に仕事をしたいと思う方がたくさんおり、お声がけする方もいるんですけれども、ただ、あんまりその中の人ばかりが集まっちゃうと、業界がシュリンク(縮小)してしまうような感じがしていて。

お声がけ時点でVRChatで活動しているかなどにはあまりこだわりなく、価値を自分たちでゼロから作っていこうというような、そういう気持ちで人を探して集めています。

――デザイナーさんによっては、VRの経験が全然ないという方もいらっしゃると思うのですが、どのような風にお声がけされているのでしょうか?

典樹:
元々YOYOGI MORIを知っている方であったりとか、面白そうだからであったりとか、3DやVRに興味があるということで良いお返事をくれるデザイナーさんは、とてもたくさんいます。

こちらとしては、関わり方の条件であったりとか、「預かるキャラクターをちゃんと大事に扱います」ということを丁寧に説明して「もしかしたら不測の事態もあるかもしれないけど」という点もわかってもらった上で、「一緒に歩きましょう」ということが確認できた人とだけ一緒に仕事をする形にしています。

――YOYOGI MORIはユーザーにとってだけでなく、デザイナーさんにとっても安心できるブランドであるということですね。

典樹:
デザイナーさんは自分にとって大事なデザインやキャラクターを我々に預けるわけですから、公式である我々自体が作家さんの思わぬことをしてしまったり、また我々からの案内が不足しているが故にユーザーさんの方から思わぬことが起きたりするといったことは、なるべく防ぎたい。

イラストレーターは描いた作品の権利が相手のものであったり、手元に何も残らないようなビジネスをされてる方も多いので、そういうことに関する不安感があると思っています。それは僕自身がキャラクターデザイナーであり、受注して納品するような人間でもあったので、そこの不安と不満をすごく感じていたからです。

なので、YOYOGI MORIにおいては、そういった点を何より重視して考えていました。至らないところもあると思いますが、すごく気をつけています。

――YOYOGI MORIのユーザーはそういった姿勢をとても理解しているように感じます。

典樹:
「白鳥 -Shiratori-」を出したあたりに、「品位」に関わる規約を追加したんですけれども、とてもありがたいことに、それ以降はユーザーさんも気をつけてくれているみたいで、思わぬ動きをするような人は減りました。

(※YOYOGI MORIでは、性的表現、暴力表現、政治活動および宗教活動へのアバター使用を禁止している他、「アバターの本来もつ品位を大きく低下させたギャップやミスマッチによるウケを狙う改変や行為」、「一般的に品位を欠く行為、嘲笑や好奇の視線を誘う行為を持ちネタとして連発する行為」といった、アバターを自身の姿として扱うユーザーを顧みず不快にさせる行為を禁止している。)

キャラクター3Dモデルの扱われ方は時代と共に変わっています。これまであったコンテンツでの3Dの使われ方は、これからは通用しない。もっと今の現実的な社会の価値観が入り込んでくる。

「品位」に関わる規約は、批判を受けることを覚悟した上での決断で、かなりドキドキはしていたんですけども、ありがたいことに「よくやってくれた」っていう言葉を数多くいただいたので。嬉しいなと、やって良かったと思いました。

YOYOGI MORIのアバターを購入している方々は、作家さんのこともちゃんと考えてくれる人たちが集まっているんだなという、ありがたい気持ちになっています。

本来あるべき価値を反映した「アバターの価格」

――YOYOGI MORIのアバターの価格についてもぜひお伺いしたいのですが、現状、一般に流通しているアバターの平均価格と比べて、YOYOGI MORIのアバターは高価であると感じています。数万円の価格を設定することは、売る側の典樹さんとしても大きい決断だったのではと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?

典樹:
各業界のプロの方を集めて、ちゃんと安心感のあるアバターを作ろうということですから、例えばトポロジーであったり、ウエイト調整であったり、命名規則をどうするか、そういう細かな部分について、モデルの中にはプロの技術が入っています。

YOYOGI MORIが出た当時、アバターの相場は3,000円から5,000円くらいというイメージだったんですけれども、そういった相場感の中で、我々が作るようなアバターを5,000円で出してしまうと、そのアマチュアの市場をある意味で食い潰してしまいかねないと思いまして。

――なるほど。成長段階にあったマーケットの盛り上がりを壊したくないという想いもあったんですね。

典樹:
その通りです。YOYOGI MORIは決断のたびにいつもドキドキしているんですけれど、値段が高すぎるという反応や、そもそも売れないという可能性も当然考えていました。しかし、やはりそれよりは、本来あるべき価値でちゃんと出そう、ということをメンバーと話し合って決め、現在の価格になっています。

――確かに「アバター販売」と言っても実際に販売しているのは3Dモデルのデータであり、多くのノウハウも含んだものですから、単純に「アバター」という以上の価値がありますよね。

典樹:
仰る通りです。アバターが欲しいというだけではなく、どういう作り方をしているのか知りたいという方もすごく多いのではないかと考えています。

実際に、購入者アンケートを取るとアバター自体の魅力の他にも、クオリティやデザインといった、プロダクトに関わる関心が高いことがわかっています。

――ちなみに、現在のアバターの平均価格についてはどういった印象を持っていますか?

典樹:
僕は確かVket3辺りの時にVRに入ったんですが、その時に見てびっくりしました。僕自身がゲーム業界でモデルを作っていたこともあり、3Dモデルの価値はわかっていたので、その感覚で見ると「プロが作ったようなクオリティのものが3,000円で売られてる、わー」って、そういう驚きは正直ちょっとあったんですね。

アマチュアが3,000円、プロ由来の方が5,000円みたいな。それは値段が低いから驚いたということだけでなく、ちょっと「コミケ的」だなと思っていて。いわゆる同人的と言いますか、例えば「尊敬するあの人が5,000円で出していた、自分はそれに比べて劣るから4,800円で出そう」とか。

ここで起こる不幸が、向こう側もこちらをリスペクトしていた場合、「あの人が4,800円で出してる。自分はあの人をリスペクトしてるから4,500円で出そう」みたいな形で、相手を大事に思うがために、お互いどんどん金額を下げていってしまう。

僕自身もイラストレーターやゲーム業界でのモデラ―時代を通じてその傾向がありましたが、作家は基本的に自己評価が下がりがちであったり、自分に対して常に内省しながらモノを作っているような方が多いと感じています。それが金額に反映されて、結果的にギリギリまで下がっていく。ゲーム理論でいうところの、ナッシュ均衡みたいなことが起きてると思ったんですよ。

――誰かひとりが急に金額を上げたとしても、それこそ批判されるか、まったく売れないかになってしまう。誰も身動きができない状態になっていて、現状維持が最適解になっていたと。

典樹:
「みんなでいっせーのーせで金額あげようぜ」っていう風に言っても、それを口で言うだけでは、みんなは動かないですし、「むしろこのままでいい」という風に考える人もいるかもしれない。「これは高くするべきだ」と言っても、それはいわゆるお気持ち表明になります。

そういった時に我々のような者が思い切って12,000円以上で販売し始めて、その価格で今うまくいっているという事実をそれぞれの人が自分で知り得た情報として受け取ることで、「よし、我々も高くしよう」という流れが起こり、アバター市場全体の単価が上がってゆく。そういった流れを起こすことで、アマチュアの方もプロ由来の方も、自分の判断で価格を決めてゆけると良いなと。

その方のファンが例えば200人いるとしたら、5,000円で出すよりも20,000円で出す方が最終売り上げが高くなる。そういったことが起きることで、いわゆるコミケの「壁サークル」みたいなドリームが、このVRのモデラーの中に訪れたらいいなという、僕の個人的なすごく強い気持ちがあるんですよ。

――なるほど。実際にアバターの相場は徐々に上がっている印象がありますし、遠くない未来に実現するようなお話だと感じます。答えづらい質問かもしれませんが、YOYOGI MORIの売り上げに関しては実感としていかがでしょうか?

典樹:
そうですね、お答えできる範囲で申しますと、おかげさまで売り上げ自体は皆様の反応とともに上がっている状態です。これはすごく嬉しいことです。なんですけども、最終的にはほとんど残りません。

――売り上げは伸びてはいるが、黒字はほとんど出ていない、ということですか?

典樹:
これはYOYOGI MORIの制作方針に繋がるんですけど、クオリティへのこだわりや、関わるクリエイターへの正当な還元、未来への投資を重視しています。

例えば、2~3ヶ月にアバターを1体ずつでも出していけば、もっと売り上げが増えるのかもしれない。ただそれ以上にやはりクオリティを優先しているというところが何より強くあります。

まず、YOYOGI MORIは、1体のアバター制作に関わるクリエイターの人数が、一般的に販売されているアバターと比較するとおそらく多めです。また、一定のルーチン化した方法で作っているわけではなく、毎回メンバーがやりたい新しいチャレンジを加えています。

そのこだわりの結果として、アバターを1体作るのに最終的に半年ぐらいかかりそうだ、となった時でも、クオリティを妥協するとか、関わるクリエイターへの還元をしないとか、そういう選択はしたくなく。

さらに、初期の頃からあるYM Toonシェーダーをはじめツール開発を独自に行うなど、アバター制作に関わる自分たちがやりたいことへの投資もしています。

だから、売り上げ自体は上がってきてはいるんですけれども、クリエイターに正当に還元することは守りつつ、YOYOGI MORIのアバター制作のクオリティを追求することを止めない方針ということです。

――YOYOGI MORIが、そういう方針で運営しているとは思っていませんでした。しかし、それだけ制作チームのクオリティに対する意識が高いということですよね。

典樹:
そうですね。例えば今回の「TUNER」については、アバターのキャラクター部分もそうですし、服部分もおそらくこれまでのYOYOGI MORIのアバター服飾の中でトップクラスにクオリティが高いものになってると思います。

布生地の素材感であったりとか、ステッチとかそういった縫製に関わる要素というのもかなり意識して、HATRA代表の長見さんの監修のもと、実際の服飾技術を可能な限り再現してるんです。

「ここは二重になってるんですよ」とか「ここは型紙がこう気を遣っていまして」だったり「服のステッチを全部表現してもらってもいいですか」みたいな調整をしていて、そのやりとりもすごく膨大になり、その結果これまでの服よりも断然作り込みが細かいものになりました。

お察しかもしれませんが、前作の発売から今回の発売までおよそ4〜5ヶ月、半年ぐらいかかっていて、これは概ねずっと作っていたという認識でいていただいて大丈夫です。

――確かにそうなると、制作のコストも相当なことになりますよね…。

典樹:
そうなんですよ。とはいえ、YOYOGI MORIとしての活動は続けていきたいですし、広げていきたいので。継続性とクオリティ追求のバランスは常に意識しています。

将来的にはオペレーションを整えていくことで、クオリティは妥協することなく、アバターを出すペースをあげていけたらよいな、と考えています。まだ、世に出したいアバターの企画はいっぱい控えていますので。

――YOYOGI MORIでは先日、ユーザーがYOYOGI MORIのアバター規格に沿った創作活動と3Dモデル販売を行うための「YMファンメイド」という企画が開始されましたが、これについてご説明いただけますでしょうか?

典樹:
YMファンメイド商品化申請」を始めた理由としては、我々がユーザーの方々との向き合い方をどうしていきたいかにすごく関わっているんです。これも僕自身の気持ちでもあるんですけれども、我々は「プロが集まってハイクオリティなものを作る」っていうだけではないんですよ。

VRChatに入ってくる人たちは、我々も含めて唯一無二の自分の体が欲しいというモチベーションを持っている方がすごく多いんじゃないかと認識しています。

そのため、アバターは基本的には改変するものだと考えていますし、「改変する」という過程で、各業界のプロが手掛けたデータを見たり、自身でそれに手を加えていくことによって、気がついたらアマチュアからセミプロになっていたみたいなことが起きればいいなと思っています。

改変依頼を受けて、いつの間にかプロになっていたとか。「これを任せるのはあの人。あの人のセンスはいいよね」っていう風に言われるような、ユーザーの方々が我々と付き合うことや製品と触れ合うことによって、いつの間にかセミプロになっているような、そういう関わり方をしていきたいと思ってるんです。

そこにおいてブランドと素体規格を開放した試みというのが、YM商品化申請なんです。我々が育ててきたYOYOGI MORI、「imiut」や「Forget-me-not」など、それぞれのブランドにちなんだユーザーメイドを作ることで、自分自身の制作をするための活動資金の糧にすることもできる。

またそれを作って販売し、実際にお金になることによって、アマチュアからプロになるまでの喜ばしい体験が連鎖的に起こっていくことを切に願い「是非ともYM商品化申請をやりたいんだ」と僕がメンバーに話して、メンバーの中でも「いいね」という声が多くあったので、準備して始めました。

実はYOYOGI MORIを始めてすぐの時から考えてはいたんですよ。ただ実際にスタートするまでには2年ぐらいかかりました。

――なるほど、すばらしい試みだと思います。しかし、YOYOGI MORIのアバターは、その認知度の高さやユーザー数の多さに対して、対応衣装が少ないという印象も感じています。また、アバターを使用しているユーザーも、改変についてはYOYOGI MORIがリリースしている服を着ていることが多いイメージですが、そういった点について、どういう風に認識されていますか?

典樹:
そうですね、やっぱり唯一無二の自分の姿を作りたいということを考える以上は、ユーザーの方々にはもっと自由に改変してほしいなと思っています。

対応衣装が少ないということについてはもちろん認識しています。少しジレンマではあるんですけれども、我々がコーディネートの最高得点を狙ったがゆえに、ユーザーの方々はそれ以外の改変のイメージが湧きづらいということはあるのかもしれないと思っています。とっつきやすさみたいなものも必要なのかなという課題感はあって、そこでできれば「YOYOGI MORIの改変なら任せろ」であったりとか「YOYOGI MORI規格で出してますよ」という人が増えるといいなと。

そういったユーザー同士のコミュニケーションを円滑にするために「YOYOGI MORI perch」という公開ディスコードサーバーを作りまして。サーバー内では改変に関する情報のやり取りが活発に交わされていたりイベントのやり取りもされていたりしていて、ありがたい限りですね。

――私もYOYOGI MORIのアバターを所持していますが、アバターを改変することに対して、意欲的にやってほしいと感じているとは知りませんでした。この記事を読んだユーザーのみなさんに、ぜひこのことが伝わってほしいですね。

典樹 YOYOGI MORI Libraryという、ユーザーが自由に閲覧できるガイドラインなどを置いてあるページがあるんですけれども、そこには基本的な利用規約の他にブランドごとの温度感を記載しているページもありまして。

「作家さんはこういう方向性が好きですよ」や「こういうところは寛容ですよ」であったりとか「肖像とR18は気をつけてくださいね」みたいなことを書いてあったりするんですけれども、そういったところを書いてあるのはユーザーがあんまり萎縮しすぎないようにという気持ちからで。関わるクリエイターの安心のために規約はしっかり作ってあるのですが、ユーザーさんにも安心して改変してもらえるといいなと。

我々にとって、関わるユーザーさんは未来のプロであったり、いずれご一緒するかもしれない人たちであるので、なるべく心の垣根は減らしていきたいなと思い、そういうことをしています。ですので、この記事をもってもっと気軽に改変してください、というのが伝われば嬉しいなと思います。

例えば今、タカオミさん(インタビュアー)が「TUNER」の靴を履いて頂いていると思うんですけれども、このさりげないコーディネートも見ていて素晴らしいなと思うわけです。そういう自然なコーディネートをされているのを見た時に、やっぱり作った甲斐があったという風に思いますので。

YOYOGI MORIが考える「服」

――YOYOGI MORIのアバターは、いわゆる「バーチャルならでは」の表現というよりも、服の「生地感」であったり、実在感の表現がすごいなといつも思うのですが、ここはやはりこだわりを持って制作されているのでしょうか?

典樹:
布生地の素材感は本当にこだわっています。もちろん、いわゆるVRでしかできない表現にはすごく意義を感じており、おそらく今後も取り組んでいくんですけれども、我々がまず重視したいと思っているのは、アパレルの方々が安心して、我々に服を託せるようにするということです。

アパレルの方々ということは、もちろん布生地の質感にとてもこだわりがある方々なのですが、例えば「アバターだからすごくポリポリしちゃったりツルッとしちゃっても仕方ないよね」とか、そういう「3Dだから仕方ないよね」という妥協をしたくない方が多いんじゃないかと思うので、そういった布生地を大事にできるアバターブランドとして、アパレルの方々が安心して我々にコラボレーションとして服を託せるようにするのが最初の目標でありました。

発足当初から、YM Toonシェーダーを作り、YM Toonの中でそういった高級感のある素材感を出せるような調整を繰り返して、「白鳥 -Shiratori-」で一度アップデートし、その後も随時クオリティをアップさせて…ということをしていたのも、そういった理由があります。

――なるほど。ブランド発足当初から、現実のアパレルブランドとのコラボレーションが計画にあったということなんですね。

典樹:
計画の中にはありました。ありがたいことにNiar、HATRAというブランドさんと今一緒にさせていただいております。

また、服を出すということは、ある程度コーディネートが自由にできることも重要ですので、我々もたくさんのアバターを出していきたいと思っているけれども、それらをワンオフ仕様で数をたくさん出していくのではなく、出すたびにそれまでの子たちがその服を全員着ることができる、そういう形で価値を掛け算にしていきたいと発足当初から考えていました。

新しく「TUNER」が出た時に、「necoさんのA-Z:の[S]ちゃんがアバター化した」というだけではなく、例えば「KRONOS」を愛用してる人にとっては、「うちの子に着せるHATRAの服が来た」という風に受け取れるわけです。

「YOYOGI MORIのアバターを持っている数だけコーディネートの数が増えていく」ということを実現したいと思っていまして、これを実現するためのYOYOGI MORIの素体規格であったり、そこに乗っかりやすくするためのYOYOGI MORIのファンメイド申請であったり、と繋げて考えています。

三者のコラボレーションから生まれた「TUNER」

――アパレルブランド「HATRA」とのコラボレーションで話題になった「TUNER」について話をお伺いしたいと思いますが、私が最初に気になったのはこのドローンです。こうした表現はこれまでのYOYOGI MORIアバターにはあまりなかったもののように感じます。

典樹:
この「TUNER」に関しては、イラストレーターのnecoさんとファッションブランドのHATRAとYOYOGI MORIのコラボレーションであるので、それぞれの魅力をどういう形で出していこうかというのを話し合って決めていました。

HATRAの長見さんにとってはご自身のファッションのVRデビューの機会であるわけですので、例えば、服部分の質感へのこだわりだけではなく、広報面でも服主体のアパレルブランド的な見せ方を踏襲したりしています。

それと同時にファッションアイコンになっているモデルのアバターはnecoさんの「A-Z:」という世界観の[S]ちゃんなんですよ。そこでこのドローン(※上記画像)は、「鳩」をテーマに「TUNER」の背中に機械をつけることからはじまって、「A-Z:」の世界観とHATRAの表現を沿わせて一緒に考えていきましょうと進めて、ドローンという形になりました。

そしてこれは長見さんにもデザインに加わっていただき、よし作ろうということになったわけです。

(※「A-Z:」とはneco氏がWeb上で展開している、武器を持った少女のオリジナルイラストシリーズ。今回モデルとなった「A-Z:[S]」はフィギュア化もされている。)

――まさに三者のコラボレーションによって生まれたものなんですね。

典樹:
デザインはnecoさんなんですけれども、この方向性はかなり長見さんも意見を出して生まれたものですね。

また、制作告知の際にはメインモデラーやデザイナーを押していますが、制作そのものにはYOYOGI MORIの他のメンバーもかなり関わっています。

例えば、メインモデラーは亥と卯さんですが、亥と卯さんは今回初めて関わった方ですので、僕であったり、他のデザイナーさんがディレクション側に入ることが多かったです。そこでのポイントは、亥と卯さんの持っている良さをいかに引き出すかというところがあったわけです。

任せっぱなしで提出されてきたものを「良いです」とすると、デザイナーはそんなに力を発揮できない。ですので、僕が徹底的に亥と卯さんの作品とnecoさんの絵柄を研究しています。例えば(デザインの時点で)necoさんの線がこういう風になっているということは、「necoさんは形をこのように解釈しているから、ほっぺの形はこういう風にあるべきだ」といったことを亥と卯さんと話し合って決めていたりするわけです。

結果的に多くのメンバーが関わって、「TUNER」というアバターが生まれたということになります。

そういう点でも、最初の告知ではメインで関わる方々の名前だけが出るんですが、YOYOGI MORI Archivesなどで関わる人の名前がクレジットされていますので、メンバーの中の空気感としては、関わるみんながそれぞれの担当分を任された主役みたいな感じです。

――ちなみに「TUNER」について、典樹さんのお気に入りのポイントはどこにありますか?

典樹:
たくさんあるんですけれども、服に関しては「リアルでありながら、キャラクターのデフォルメ加減にマッチした形を作る」というのにこだわりがあって、これを実現するのがすごく大変なんですね。その工程を今回できたのがひとつ印象的で、収穫だったなというところはあります。

この服はいわゆる「まんま」じゃないんですよ。キャラクターの世界観に合わせてちょっと表現をイラストテイストにしているといいますか。それも果てしなく工数が上がっちゃうのを、なるべく実現可能なレベルに抑えた。

かつ、それがわりとオーバーサイズの大きめの服にも関わらず、腕を上げ下ろしたり、動かしてもそこまで破綻がないようなところに収められたというのは、実験してくれたセットアップの方や、リグを組んでくれたりとか検証してくれているモデルデザイナーの方々の成果だなと思っています。

そういった部分は僕も改めて振り返って「全体でうまく着地できたなぁ」と思います。

あと、こだわりがあるのはもう、お顔につきますね。necoさんの絵は僕も以前から好きで注目していましたが、3Dでの再現はちょっと難しいタイプのイラストだなと思っていました。

これを亥と卯さんだけではなく我々も含めて、3Dにどういう形に落とし込むかに相当時間をかけたというところです。実際亥と卯さんがメインでモデリングはしているんですけれど、ブラッシュアップであったりとか形の調整など亥と卯さん以外のモデラーも大きく携わっています。

イラストレーター、キャラクターデザイナーさんが描くお顔って、あおりとか俯瞰とかいろんな方向から見られたときの3Ⅾとしての実現性や良さを保証して描いているわけでは当然ないですので、例えばあおっても頭の見え方の面積が変わらないとか、そういう方々もたくさんいます。

しかし、それ故に出ている良さもあったりするので、そこをなるべく表現しつつ、このnecoさんのお顔を作り上げるまでが、これもまた大変でした。

――モグモさんがデザインしたアバターを見た時も感じましたが、YOYOGI MORIのアバターは本当にイラストがそのまま3Dになったような造形をしていますよね。

典樹:
あと、すごく地味なんですけれども、ほっぺの赤らみも相当調整してます。ほっぺの赤らみが少なすぎると血の気が通っていないように感じますし、多すぎても表情に別の感情が混じってしまう感じがあり難しい。

かつ、やっぱりnecoさんの表現するこの「A-Z:[S]」のキャラクター、世界観というのもあるので、それをやるにおいて適したほっぺの赤らみ加減はどれくらいだろう、みたいな話にも相当時間を使ってきたのも覚えてます。

――まさに、神は細部に宿るですね……。

典樹:
クオリティに見合うだけの苦労は当然ありましたし、その甲斐もあったなと思いますね。

やっぱり大事なのは可愛いかどうかだけじゃないんですよね。世界観や背景というのが伝わってくる必要があるので、例えば「A-Z:」の[S]ちゃんは武器を取り扱う人物像なので、端整な顔立ちはしていても、あまりなよっとした風には見せないように。重心がしっかりしていてシャンと立っているって感じですね。それに伴い、後ろのポスター表現についても、HATRAの方向性、necoさんのキャラデザインの雰囲気をすり合わせたことでカメラ目線にはしない選択になりました。

そういった細かな意識により、[S]ちゃんの魅力や、キャラクターらしさが表現できていると思います。

――隣にHATRAの服を着た「KRONOS」、「imiut」、「霞花」が展示されていますが、みんな本当に似合っている。コートなしもいいですよね。

典樹:
「霞花」も相当オススメです。こんなに似合うと思わなかった。実は現代服も似合う子ということがわかり、これを見てデザイナーのYUEさんも喜んでくれるといいなあと(笑)

――ここの3人もそれぞれぜんぜん作風が違いますが、こうして並んでみると統一感がありますね。

典樹:
それはYM Toonシェーダーによるものですね。いろんな作風の作家さんが関わるようになることは発足当初から想定はしていたので、デザインによってアバターが浮いてしまわないように開発したのがYM Toonシェーダーなんです。

「顔の造形が違っていたとしても、陰影表現が一致していたら同じ世界観に見える」であったりとか、「3Dモデルの身長が同じであっても、等身とかデザインによって、パッと見だと違う身長に見せることができる」とか、そういった僕自身がイラストレーターやキャラクターデザイナー、モデラーをやっていたからこそ気がついたこともありまして。

だからYM Body Mサイズの子がみんな同じ身長でも、デザインやモデリングによってイメージを変えられるから大丈夫ですし、イラストレーターさんの作風がみんな違っていても、シェーダーを合わせれば、ある程度の統一感を持たせることができる。

そうしたことを実現するためのシェーダーが欲しい、しかもそれはいろんなものを飲み込めるものであるということ、かつVRだけではなくAR、つまり現実空間においても違和感のないようなシェーダーにしたい、と考え、YM Toonシェーダーを開発しました。

――すごい、やりたいことがすべて詰め込まれている。

典樹:
そうです。贅沢に全部取り(笑)。陰影表現さえ一致していれば作風が違っていても世界観が統一される。ということは、作風が違うほど新しい価値が生まれやすい。

やっぱりこの「霞花」の感じと右の「KRONOS」の感じは、同じHATRAを着ていても違いますもんね。

――確かに。やっぱり世界観を統一したいと考えると、どうしても以前の作家さんと似たような作風の作家さんを選ばないといけなくなりますけど、ここまでバラバラでも統一感が生まれるなら、そういった悩みは一切ないですよね。

典樹:
「霞花」までやったので、概ねどの作家さんでも表現できる自信があります。

メンバー全員がクオリティの鬼

――先ほどの話でもありましたが、布が二重になっている部分の再現や、実際の型紙から考える作り方など、バーチャルのCGモデルでは本来考えなくても良い部分までしっかりとこだわって作っていることには驚愕を覚えます。

典樹:
それは、重ね重ね、僕だけでなくメンバー全員がクオリティの鬼だからですと言えます。

――そうした「クオリティの鬼」たちがYOYOGI MORIには集まっているのは、なぜでしょうか?

典樹:
根本的なところとしてフリーランスでクリエイティブな仕事をしてる方々や会社の中でデザイン業をする方々は、僕もかつてそうでしたが、好きなだけ作ってクオリティを上げて完成、みたいな作り方を仕事で実際にできている方は少ないと思っています。

なぜならば締め切りがあるし、予算も決まっている。実際にはいろんな要因によって、作りきったと思えるまで作りきるみたいな体験をしながら仕事ができる環境にいるクリエイターはそれほど多くないという認識です。

――よくわかる話です。しかし経営者として、「納得いくまで作っていいよ」という判断をするのは非常にリスクもありますよね。クリエイターを信頼していないとできない決断でもあると思います。

典樹:
僕も経営者的な視点からすれば「3Dモデルを1ヶ月に1回出して売ったらすごくいいでしょ」っていう、当然そういう思考もあります。

でも、それだと積み上げてきたものも台無しになってしまうので。トップダウンとボトムアップの思考が板挟みになって、脳みそが焼き切れそうになるんですが、そこはやはり、自分の気持ちはぶらさず初志は貫徹しつつ、デザイナーの方々の気持ちも組みつつという形で、YOYOGI MORIはメンバー全員が自分のMAXパワーを出して、作りきるところまでやってからリリースするということがある程度実現できています。

それって多分クリエイターにとってはすごく楽しいし有意義だし、クリエイターの根本的な望みとして、10年後もポートフォリオに乗せられるようなことを今したいというのがあるんですよ。

YOYOGI MORIの活動が全てそうであればいいと思い、クオリティを上げるためにちょっと後ろに倒しますということについては、運営判断をあれこれしながら、ヨシ!ってGOサインを出しています。

――言うは易しですが……それを実現できているのは本当にすさまじいことです。

価値を作り、そして価値を守る

――最後にYOYOGI MORIの今後についてお伺いしてもよいでしょうか?

典樹 今後の展望についてはポイントが2つありまして、まずは、ユーザーと足並みを揃えてクリエイティブなことをしていきたい。先ほど申し上げた「気がついたらアマチュアからプロになっている」ような動きをユーザーと一緒にしていきたいと思っています。

もうひとつは、デザイナーさんと一緒に今後もクオリティ重視のアバターを作るということです。我々にしかできないラグジュアリーなものを作っていきたいですね。

――今後も変わらずYOYOGI MORIのスタイルで進めていくということですね。

典樹:
それと、これは活動の方針と言いますか、僕自身のポリシーでもあるんですけれども「価値を作ってその価値を守る」ということ。作家さん同士の才能を掛け合わせて新しい価値を作り出す、それも作りっぱなしではなく、権利としてちゃんと守っていく。そこに力を入れていきたいと思っています。

それこそ品位を守る規約であったりとか、例えばアバターの著作権侵害に関わるところで動いていたりとか、そういったところですね。自分が作れたら良いというだけではなく、作品の価値を貶められる行為を見た時に、自分はそれを見過ごせない人間であると思うので。

――そこについては典樹さんの強い意志を感じますが、なにか原体験のようなものがあったのでしょうか?

典樹:
これは完全に僕自身の性格のものですね。積み上げていった価値を貶めるようなことが苦手と言いますか。かつ、それを自分と関係ないこととして受け止めることも僕はできない。

クリエイターは1人で動いている方も多いんですけれども、著作権侵害行為について1人で動くことはなかなか難しい。ですが、作家は主に自分のクリエイティブなことをやりたいので、みんなで作品の価値や権利を守るために団結しようということもまた難しいと思うんです。

しかし、作家同士のゆるい横の繋がりというのを作っていくことによって、継続性を維持した状態で、皆さんに情報共有して、互いの価値を守ることができるんじゃないかと。

ある種、無神経な行為によってクリエイティブなところが台無しにされてしまうというのを、作家がみんなで集まることによって防ぐこともできるんじゃないかと思いますので、そういった試みを今後もしていきたいと思っています。

――アバターや3Dモデルに限らず、クリエイティブの世界のあらゆるところで起きている問題ですよね。

典樹:
普遍的なテーマとしてあると思います。僕はそこは見過ごせない人間ですが、かといって自分1人で全てを解決する力は当然ないわけで、そうした時に解決する答えを持っている人たちと力を合わせて1人では出せない答えを出していく。「あ、そんな発想はなかった」といった形で、いわゆる権利侵害なども解決していけたらと考えています。

――クリエイターにとっては、典樹さんがそういった部分で動いてくださっているのはとても心強いですね。

典樹:
いつか、そういった形でVR業界に寄与する活動についても、お伝えできる機会が訪れたらなと思っています。

――本日はありがとうございました。

クオリティへの飽くなき追求と、それによって生まれた価値を大切に守っていくという、典樹氏の強いポリシー。なぜYOYOGI MORIがユーザーたちに広く愛されているのか、その理由が垣間見えるインタビューでした。なお、今回のインタビューは「YOYOGI MORI Avatar World」で行いました。本文中で紹介したNINE HATRAの「TUNER」もワールド内でじっくり見ることができるので、まだ足を運んでいない方はぜひ行ってみてください。

また、HATRAとのコラボレーションアバター第2弾のNINE HATRAより「ECHOKEEPER」が12月下旬に発売予定ですので、そちらのチェックもお忘れなく。

VRChat対応 3D服飾モデル「TUNER」
https://yoyogi-mori.booth.pm/items/4302538

YOYOGI MORI
公式SHOP(BOOTH): https://yoyogi-mori.booth.pm
公式Twitter:https://twitter.com/ym_Virtualwear
活動情報(pixivFANBOX):https://yoyogi-mori.fanbox.cc
公式Discord : https://discord.gg/y4wGpbNXVP

インタビュー・編集:タカオミ
写真:meru

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