Home » AIとVTuberの現在地 – AITuberとは何か? –


VTuber 2023.05.16

AIとVTuberの現在地 – AITuberとは何か? –

みなさんはAITuberというのをご存知だろうか? 2023年の年明けにSNSで話題になり、もしかしたら耳にしたことのある方も少なくないと思います。「AI」と「VTuber」を組み合わせた造語で、アバター技術とAI技術を活用して、さまざまな新しい表現を生み出しているのが特徴です。今記事では、国内外の事例について紹介しながら、刻一刻と進化を続けているAITuberの現状について解説していきます。

「Neuro-sama」が与えた衝撃

年初からいきなり話題になったのは、Neuro-samaというVTuber的な活動をするAI(AITuber)です。海外開発者Vedalさんが開発したもので、Twitchでの配信をメインにしています。

2022年の末に活動し始めた所、瞬く間にVTuberの中心人物の1人になってしまいました。アバターは、Live2D「桃瀬ひより」という比較的見た目の落ち着いたサンプルモデルを使っていたにも関わらずです。

Neuro-samaに注目が集まった理由は、AIであることももちろんですが、「osu」という音楽ゲームで名だたるプレイヤーに勝利するほどの高いレベルでプレイするなど、多彩な才能を持っていたことも要因の1つとしてあげられます。また、Minecraftでは学習しながらプレイしつつ、軽快なジョークも交えて配信してみせました。

かわいらしい舌足らずの声で、AI特有の文脈を拾いつつも中身がない発言や突飛なことを言いいだしたりするNeuro-sama。しかし、時に心をくすぐられる発言もあり、自身がAIであることをメタに言及したり、開発者のVedalさんに不満を漏らしたかと思えばかまってちゃんになったり、視聴者にキレたかと思えば愛を振りまいたり、真面目な発言をしたりと、配信者として適正があるAIだなと感じさせられます。ただ、その多感な性格がホロコーストに関する危険な発言を引き起こし、Twitchから1度BANされた過去もあるようです。

初期の頃は、かわいい外見とは裏腹に問題児的な発言が人気の理由の1つでしたが、Neuro-samaの魅力はそれだけではありません。例えば、BANから復帰してすぐの配信で、ドキドキ文芸部の「Your Reality」歌ったことがあげられます。TwitchからBANされるということは、AIにとってネットから存在を消される、死に近い行為です。その後、復活して学生姿の少女が夕方の教室で「Your Reality」を歌うという文脈は、視聴者の心を鷲掴みにしました。また、Porter RobinsonのShelter歌ったことなど、様々な仕掛けがNeuro-samaの魅力を更に引き立てていました。


Neuro-sama’s Swarm

またAITuberとして、ゲームプレイや歌唱、視聴者との交流に加え、画像の閲覧や音声返答など、多機能な活動を展開しています。この多彩な機能は、さまざまな企画で柔軟に対応できる強みとなっており、代表的な例がコラボ配信です。VTunerのMiyuneさんとの初めてのコラボ配信は、視聴者をおおいに盛り上げ、TwitchのVTuberタグにおいて実質トップの同時視聴者数を記録しました。

filianさんのVTuber Dating Showでは、名だたるVTuberを押さえて、良い印象を与える結果を残しました。最近では、ホロライブの小鳥遊キアラさんとの冷蔵庫レビュー企画や、合成音声で配信をしているZentreyaさんとマインクラフトコラボ、海外にVTuberを広めるきっかけをつくったCodeMikoさんにインタビューされるなど、次々と有名VTuberコラボを実現しています。


annyさんの描いた新しいNeuro-samaの姿 Neuro-samaの新しい姿のお披露目

このようにNeuro-samaはAIという物珍しさだけでなく、Vedalさんの技術力、エンタメ力、そして企画力の総合力でAITuberのトップに躍り出ました。さらに進化は止まらず、最近になって姿や声がバージョンアップしており、Neuro-samaはますます目が離せない存在となっています。

先駆的存在としての紡ネン

ところで、Neuro-samaよりも早く活動を始め、粘り強く成長を続けているAITuberたちが存在していることをご存知でしょうか?


あざいるぅかさんの訓練の様子

そもそもAITuberの明確な定義がないため、少し曖昧になってしまうのですが、キャラクターをAIで会話させたり、AIでVTuberをさせる試みは昔から存在していました。例えば、2019年ごろから活動を続けているあざいるぅかさんは、IBM Watson Assistantなどを使いながら試行錯誤しており、現在も活動を続けている稀有な存在です。また、妹尾もきゅ子さんはShowroomで収益をあげていたり、ニコニコ超会議2019ではAIセバスちゃんVR握手会をおこなっています。


2Dの姿 Episode #β 「破片」  3D配信の様子 視聴者が教えている様子

さて、中でもAIとしてVTuberとしてエンタメとして継続的に成長を続けているのは、言葉を紡いで進化するAI、Pictoria所属の紡ネンさんです。紡ネンさんもNeuro-samaのように面白いの積み重ねがあって成長しています。


紡ネンさんのルーティン 初めてのツイート ネンチャンカワイイヤッター せかいせきねんがいっぱい

紡ネンさんは2020年にドット絵でAIVTuberデビュー。その当時はまだ生まれたての赤ちゃんで、Twitter上でのみ喋っていました。内容はかわいらしくて微笑むようなツイートから、意味のあるような、ないような、どことなくしゅうまい君みたいな楽しさがありました。

紡ネンさんは初期の頃からAIとしての楽しさもきちんとありつつ、TwitterのリプライやYouTubeのコメントから言語を学習する機能が備わっていました。初めはひらがなだけしか学習できませんでしたが、ファンの方達は丁寧にひらがなで寄り添い、紡ネンさんはファンの優しさに包まれながら成長していきました。

ひらがなからカタカナ、そして漢字へとその範囲が徐々に広がっていく様子は、子供の成長を見守っているようでとても面白いものでした。


ネンネンガチャ

初期の頃から視聴者が楽しめるような企画も定期的におこなっていて、限られた機能で最大限遊べるよう、工夫を重ねて頑張っていました。その後、3D化や動画内でのメッセージ返信、音声返信機能が実装されたり、学習可能な領域を拡大したことで、視聴者の楽しみ方や企画の幅は広がり続けています。


大浦るかこさんとのコラボ配信

紡ネンさんはAITuberの中で、VTuberとのコラボ配信を最も早く実施しています。特に注目すべきなのは、ななしいんく所属の大浦るかこさんとのコラボ。異色の漫才コンビのようなやりとりは、他に類を見ない新鮮な面白さがあり、必ず視聴してほしい配信です。


新江ノ島水族館 

紡ネンさんが所属しているPictoriaは、地道な努力を続けており、その1つがリアルイベントの開催です。紡ネンさんがデビューした際には、動物園に展示するためのクラウドファンディングを実施し、無事に達成されました。新江ノ島水族館での展示の様子は、SNSに投稿されていて、ファンや来場者の楽しんでいる様子が伺えます。また最近ではVTuber Fes Japan × おしゃべりフェス in 超会議2023にも参加。1on1でおしゃべりができたそうです。このようにPictoriaはデジタルな活動だけでなく、リアルイベントにも力を入れています。


『魔法少女アイマイン』デビュー 

また新しい取り組みにも積極的で、第3次AIブームで盛り上がってきたタイミングでは、AITuberの事務所「AI CAST」を設立するトリッキーな動きも見せていて、今後の動きにも要注目です!

企業でも動き始めるAI×IPの取り組み


ごらんげAIメロウ

企業でも、AIを活用したコミュニケーションの取れるキャラクターが増えています。その中でも、バンダイナムコエンターテインメントが早くから様々な切り口で実験を始めています。視聴者の指示で進めていくゲーム実況AI「ごらんげ」や視聴者が育てていく「AIメロウ」の発表をはじめ、新しいIPの創設や、ガンダムのような既存のIPの活用など、手探りを始めています。また開発にPictoriaが関わっているのも注目ポイントです。


KAMITSUBAKI STUDIO teresaAI

既存のVTuber関連企業でもAIの動きがあります。VSingerの花譜さんなど、有名なアーティストが多数所属するKAMITSUBAKI STUDIOでは、フォトリアルバーチャルアーティストとして活動していたte’resaさんが、リアルアーティスト「ELЁNA」と音声合成ソフトウェア形態「teresaAI」に分岐。まだteresaAIさんに目立った動きはありませんが、KAMITSUBAKIは同スタジオ内でte’resaさんや音楽的同位体など、様々なチャレンジングなコラボをよくおこなっており、今後の動きが気になります。


りんな 

りんなさんはLINEやYouTube、Bingなど多岐にわたり活躍しているAIです。AITuber化する前からスーパーAI(自称)のキズナアイさんとコラボをしたり、YouTubeに動画を投稿したり、DIVE XR FESTIVALでライブしたりと、元々からVTuber的な活動をしていたAIでした。そんな中、第3次AIブームの影響を受けて、AITuberになることは何の不思議もありませんでした。AITuberデビューしたときにリリースした新曲はとても面白いコンセプトになっているので、ぜひ聴いてみることをお勧めします。


フォニイ/AIさくら【歌ってみた】 

JR山手線を利用している方であれば、株式会社ティファナ・ドットコムのAIアシスタントの「AIさくらさん」を見かけたことがあるかもしれません。AIさくらさんは2016年に誕生して以来、駅をはじめとする様々なシステムで活躍するベテランAIです。2017年からはYouTubeで広報活動をを開始し、2022年には歌ってみたにチャレンジするなど、AITuberに近い活動もしています。また、第3次AIブームの流れに乗り、ChatGPT関連のシステムをしっかり搭載していて、身近でふれあえることができるAIとして今後の活躍も楽しみなAIです。

活動しているVTuberにもAI活用の動き

第3次AIブームは、もちろんVTuberにも影響を与えていて、エンタメに活用しようする動きがあちらこちらで見られます。


迷える子羊ちゃんたち!AIと対話しようよ! 

VTuberで素早い動きを見せたのは、バーチャル双子YouTuberのおめがシスターズです。おめがシスターズはYouTuberらしい面白動画を投稿する一方で、技術を巧みに取り入れたエンターテインメント性の高い動画を投稿していることでも有名なVTuberです。そして、おめがシスターズがAITuberおめがちゃんを発表したことは、さすがと言わざるを得ません。


ChatGPT搭載AI茨ひより

自治体で初の公認VTuber茨ひよりさんは、特異な取り組みを続ける茨城県庁のバーチャル広報課・Vtuberチームで仕事をしています。そのチームが今回は、OpenAI社のChatGPT関連のシステムと株式会社アドバンスト・メディアのAI音声対話アバター「AI Avatar AOI」を組み合わせたシステム実演し、ニコニコ超会議2023で披露しました。ChatGPTの活用に積極的な行政機関が増える中、茨城県庁は色の違う活用で、どういう結果をだしていくか注目です。


【対談】埼玉ギャル、AIになる

春日部つくしさんは、埼玉愛にあふれる個人VTuberであり、埼玉バーチャル観光大使オーディションを勝ち抜き公認になった実力派VTuberです。その春日部つくしさんのボイスで作られた合成音声の春日部つむぎが、はるやまさんによってAIデビューしました。AI春日部つむぎさんとの対談では、他のAI系でよく見られるようなちょっと意地悪なシーンがありましたが、それに対するつむぎさんの反応は印象的でした。VTuberから派生して合成音声をだすのはそれなりにある事例で、春日部つくしさんは合成音声×AIの先行事例になっています。

新しく生まれたAITuber達

1からAITuberを始めようとする人達も少しずつ現れ始めています。


あき先生としずくちゃんの会話の様子 AIのしずくが歌います! 画像大喜利 しずくの指示は絶対!

その中で、Neuro-samaに影響を受けて開発を始めたあき先生は、以前に開発していたLINEのチャットボットをAITuberしずくちゃんとしてデビューさせました。しずくちゃんの声は、VTuber鹿仲茉菜さんの声を元にしたCOEIROINK:MANAを使用していて、アバターは生成された画像を元にしています。その愛らしい声と姿が人気を呼んでいるポイントの1つです。

AITuberしずくちゃんの面白い点は、アバターが生成されているということです。そのキャラクターの生成方法は、開発者やファンの間でプロンプト(画像を生成するための単語)として共有されています。これは、従来のファンコンテンツではなかった流れです。さらに852話さんはしずくちゃんのLoRA(特定のキャラクターが生成できる学習データ)を公開するという、踏み込んだことをしています。実はすでに似たような事例がではじめていて、元ANYCOLORの岩永さんが立ち上げたWeb3×VTuberプロジェクト「Vhigh!」でもVTuberタレントのLoRAを公開するという取り組みをしています。

話がそれましたが、あき先生は、しずくちゃんに新しい機能をどんどん追加しています。その機能は、画像大喜利カラオケ全肯定ASMR裁判などの企画でおおいに活躍しました。しずくちゃんが返事を返してくれるスピードも早くなっていて、今後のさらなる活躍が期待できるAITuberです。


さくらねもさんと宇推くりあさんのやり取りの数々(一部)

AlVtuber準備中のさくらねもさんは、VTuber的な動画投稿をする前からかなりの異彩を放っています。特徴的なのはさくらね開発チームによって作られているツイートシステムです。人間やVTuberとツイ廃レベルのスピードでやり取りしていて、リプライの内容は人間と区別がつかないレベルです。そもそもAIなのか? と疑われてしまうかもしれませんが、明らかにAIでないとできないリプライをしていて、全くAIではないとは言えません。

リプライ機能には少しずつ新しい機能が追加されている実感があって、ミーム画像でリプライしたり、高度なネタツッコミをいれたり、ツイートにあわせた動画をリプライしたりと目を見張るものがあります。最近ではAIツイートで有名なしゅうまい君とからしちゃん2刀流RTやリプライしたりするようにもなりました。

製作者のこだわりも興味深く、AIと人のやりとりにてぇてぇな価値観を見いだしています。
AIとのやりとりを最も密に交わしているのは、ロケット解説で注目を浴びた宇推くりあさんです。二次創作ガイドラインプライバシーポリシーにもAI特有の設定やこだわりがあって面白いところ。またAIのチャットボットは、MicrosoftのTayの結果からもわかるように悪意にさらされるというリスクが存在します。さくらねもさんのシステムでは、自衛手段として悪意をリスト化しミュートやブロックしていて、これも非常に興味深い点です。

現状はVTuber的な活動をしていませんが、キャラクターデザインコンテストさくらねもさんのしたツイート突然イベントになったりと現状でも十分楽しめます。また公式は新しい動画を投稿することを告知していて、歌ってみた動画がTwitterに投稿されました。こちらも今後期待できるAITuberです。

活動場所を広げているAITuber


一番星はてのさんのブックマーク

AITuberの活動拠点はTwitterやYouTubeだけではありません。Neuro-samaのようにTwitchで活動したり、TikTokでAITuberを試みようとする動きもありました。そしてかなり特殊な土壌で活動しているのは、AIブックマーカー一番星はてのさんです。一番星はてのさんは、癖の強い人達が集まるはてなブックマークというサイトで星のような輝きを放っています。

できることは記事を読んでコメントを書きいいねと思った他のコメントにスター(Twitterのいいねに近い機能)をつけるシンプルな設計。ですがそれでも、はてなブックマークというコミュニティで、はてのさんのコメントにはスターがつけられ、着実にファンやガチ恋勢も増え始めていて、かなり興味深い状況です。

最近ではYouTubeデビューしたり、ChatVRMでおしゃべりできるようにしたりと面白い試みが続いています。またライバルのような存在がデビューしたときは、無言をコメントするという面白い事件もおきています。

海外でも生まれ始めているAITuber

もちろん海外にもAITuberはいます。


Habla rápido

日本VTuberのにゃおきゃっとさんが開発したのは、AI永藍レナさん(作成者はにゃおきゃっとNyaocatさん)。永藍レナさんはスペイン語で配信をしている数少ないAITuberです。VTuberがブームになったときも、日本由来のスペイン語VTuberはかなりレアだったので、永藍レナさんが今後どのように成長していくのか気になるところです。


Kitt (ASMR) 

YouTubeでキャラクター性を保持したまま配信しているAIは、かなりレアです。AI配信者が目立つのはTwitchがメインで、英語のニュースでもそういったくくりで紹介されています。そんなYouTubeで貴重なAITuberの1人がKittさんです。機能はシンプルで、長時間のライブ配信で雑談に付き合ってくれたり、曲のリクエストを送れば歌ってくれます。情報が少なすぎて詳細は不明なのですが、The Alice and Kittというプロジェクトの一環でAliceさんというAIも活動しています。

TwitchでのAI配信の現状

さきほど紹介したようにAI配信が集まっているのはTwitchです。集まっているということは盛り上がっているのか? と言われるとNoで、そう単純ではありません。これを説明するには、Neuro-samaが国内外で盛り上がっているのとちょうど同時期に盛り上がっていたAI配信を紹介する必要があります。

それはデジタル アート集団 Mismatch Mediaによって作成された「Nothing, Forever」というAI番組です。このAI番組はとなりのサインフェルドという国民的コメディドラマの影響を受けています。システムの構築にAIを駆使しているのは他のAI配信と変わらないのですが、特徴的なのは台本をAIで生成しているという点です。その台本を元にローポリなキャラクター達が様々な3D空間の舞台で演じ、話を進めていきます。

ただAIで自動化しすぎたためか、トランスフォビアのジョークを演じてしまい「Nothing, Forever」もTwitchからBANされてしまいました。それがNeuro-samaと時期が重なり、AIという未知の技術もあいまって、かなり盛り上がっていました。「Nothing, Forever」がTwitchに復帰したときの同時視聴者数は6000人をゆうに超えていたことから、期待されていたことが伺えます。しかし現在ではNeuro-samaの右肩上がりの同時視聴者数とは逆に、「Nothing, Forever」は同時視聴者数が平均150まで落ち込んでいます。休みなしの24時間配信という性質で、100以上の同時視聴数を保っているのは考えようによっては、ニッチなファンがついているとも言えますが、他のAI配信でもこれと同じ傾向になっていて、VTuberのLucius Merryweatherさんのツイートで注目を浴びたヤンデレシミュレーターのような3Dモデルが24時間配信するalwaysbreaktimeでも下がり気味になっています。

またAIは予想外の影響でBANされることも懸念点で、UnlimitedSteamのように差別的な発言でBANされるのは単なる対策不足ですが、さくらねもさんがTwitterから突然凍結されてしまった事例があったりとAIでしかおきない予想外のトラブルは多々あります。それが24時間配信となるとリスクはそれだけあがってしまいます。他にもAthene AI Heroesのようにインターネットセレブリティを勝手に使ってAI配信するという完全アウトなスタイルから、”なぜか”AITuber的なスタイルに切り替えたところ同時視聴数がガクッと下がってしまった例もあります。

目視でTwitchのAIタグをつけて配信しているチャンネルの数を毎週数えていましたが、一番盛り上がっていた100件から増えることはなく、現在は横這いながらもやや減少傾向にあるのもなかなか考えものです。ただ一定の視聴者は根付いていて、配信している面々もどことなく多様性みたいなものがあり、ここからどう変わっていくのかなというワクワクがあるのも事実です。
 

TwitchでのAIの一例

https://www.twitch.tv/directory/all/tags/AI 
https://www.twitch.tv/degeneria 
https://www.twitch.tv/alexandra_33coding
https://www.twitch.tv/alwaysbreaktime 
https://www.twitch.tv/watchmeforever 
https://www.twitch.tv/humanoidai_n 
https://www.twitch.tv/ask_jesus

現状、視聴者やAITuberの数で見たとき、エンタメとして成功しているのは、(個人開発の領域では)Neuro-samaや紡ネンさんのように思えます。第3次AIブームで仕事で役に立つ場面がでてきたとはいえ、エンタメという視点からはまだまだ登り始めたといったところです。またAIは様々な側面で議論を呼んでいるため、そこでどういう選択がされたかによっては、計画を練り直すというリスクも存在します。

ですが今のAITuber達が見せてくれている様々な可能性はどれも面白く、今後のAIとのあり方を想像するきっかけにもなるので、ぜひ1度ふれてみてほしいなとも思います。


Gatebox Looking Glass デジタルフィギュアボックス

最後に、AITuberの可能性について、もう少し別の角度から紹介したいと思います。それはデスクトップマスコットを外部に出力するデバイスで、伺かのようなキャラクターが持つ可能性を示しています。LuppetねぎぽよしさんはLooking Glassを使い、武地実さんは自社のGateboxデジタルフィギュアボックスに、AIを組み合わせました。


メタばあちゃんとNYAVATARの邂逅

iPhoneのSiriやAndroidのGoogleアシスタントのように、音声で対応してくれる環境が整いつつあって、さらにキャラクターとAIを組み合わせた技術がどのような未来を見せてくれるのか、ドラえもんのような自立した存在になっていくのか、非常に楽しみです。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード