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VTuber 2023.12.30

「この動画がすごい!」2023年VTuberおすすめ動画を振り返り!


毎週MoguLiveにて掲載しているシリーズ「この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画」。2023年も数多くのVTuber・バーチャルタレントによる傑作動画・配信がアップされました。
今回はその中から特に印象的だった動画・配信を、関連動画と一緒に独断と偏見でチョイス。企画系動画・配信から2023年のVTuber界を振り返っていきます(MVは今回対象外としています)。
2021年、2022年版はこちら。


声真似凸 #にじさんじ声真似主さんと繋がりたい セリフリクエスト歓迎!

にじさんじライバーたちのインターネット知識と演技力が、コアなネタをエンターテイメントとして奇跡的な成立をさせた必見回です。

なりきり配信者の会話で、えるは「えるの声真似をしている声真似主」という設定。次々やってくる凸者は「にじさんじライバーの声真似主」という設定で入ってきます。「自分の物真似なんだけどどこかいびつ」という絶妙なラインで攻めてきます。

そのうちキャラブレが起きたり、凸の最中に自分の話で泣き出したり……えるによるえるの物真似がところどころ辛辣になったり…10年前くらいのネットの混沌を愛するライバーたちによる悪ふざけは、リアルよりもリアルで、記録に残らず消えていった文化を見事再現してくれました。

ガンでVTuberをやめようと思った日

3Dアニメーションを作っているくろいもふによる大作映像です。自身の経験をもとに、ガンかもしれないという不安(※後日、ガンでないことが明らかになっています)と、VTuberを続けるか悩み続けていたことが、重すぎないトーンで、一人の人間の悩みごととして、彼女の視点で表現されています。

内容はとても重いものなのですが、クリエイター視点である部分が一切ブレないので、見やすくまとまっています。なによりこれを通院しながら作り続けて、非常に高いクオリティになっているのがすごい。VTuberの人生の表現として、ぜひ見てほしい作品です。

【新曲発表】冥鳴ひまりスーパーライブ!!! Super Live 2023【Vtuber/冥鳴ひまり】

大掛かりなライブをやるVTuberが増えてとても楽しい昨今ですが、すべて自作曲ですべて自作MV、というとんでもないスーパーライブを行ったのが冥鳴ひまり。しかも曲の中身が、まず他で見ないようなペーソスで溢れています。キュートな声で人間のしょっぱい部分を歌うスタイルは、一回聞いたら忘れないものだらけなもんだから心地よい胃もたれ必至です。心に刺さりすぎた人はちょっとずつ分けて見てください。

冥鳴ひまりのアイデアを活かすスタイル、準備万端でネタを整えるスタイルは、エンターテイナーとしてのこだわりが感じられます。発想のうまさも一流、トークの言葉のセンスも特殊でユニークなので、ぜひ見てほしいVTuberのひとりです。

ツッコミを入れずに淡々とネタを作品にしていくトーク力はさすが。エンターテイナーとしての語彙力の高さと、相手を巻き込んでいく話の技術を持っているVTuberです。

家入ポポ / 橙里セイ 「あさポイッ」は朝の時間を豊かにしてくれる!

すっかり定着した感のあるVTuberたちの朝配信の数々。その中において家入ポポ橙里セイ の「あさポイッ」はちょっと異色です。

二人はよく言われているネットの話題を検証するべく色々な形で実験して「◯◯って本当?」のような問題に挑んでいます。コーラで骨が溶けるなんていうけれども本当に溶けるのか?バターを塗った食パンを落とすと必ずバターを塗った面が下になるのか?かき氷のシロップの味は本当に同じ?こういう疑問に、ある程度真剣に、ある程度ゆるくふたりで挑戦しています。

準備量もネタの切り口も努力が見られ、毎回楽しいこのシリーズ、かといって厳密な学術的検証ではないです。朝の時間だからこそ観ると元気が出るふんわりした見せ方です。今までの配信の中にはかなりの種類があって、誰もが興味があるものが一つはあると思いますので、ゆるーい気持ちにマッチする絶妙なバランスの朝実験、楽しんでみてください。

エンジンかずみのメタバース体当たりインタビュー企画

今年VRChatやclusterに突撃してインタビューしたVTuberの中で目立っていたのが、エンジンかずみでした。初心者目線であることを生かし、「何をしているの?」「友達ってどうやって作ってるの?」「いいところは?」「ヤバいところは?」と思い切った鋭い質問をバシバシ。パブリックにいる人達に次々アタックして聞いていく様子は痛快です。

聴かれた人からは、忖度なしの解答が返ってきて非常に参考になります。ニュースで観るようなメタバース論とは全く異なる、現場から見た生のメタバースが伝わってくるはずです。

おねショタを巡るVTuber群像劇

【#おねショタ委員会】有識者に学べ!おねショタの極意!【ルイス・キャミー/にじさんじ】
【#おねショタ夏休み 】運営全力サポートおねショタオフコラボ【ルイス・キャミー/鈴木勝/にじさんじ】
【#おねショタ委員会アナザー】有識者の先生方と作戦会議だ!!!【鈴木勝/にじさんじ】
【失恋しました】ここから好きな人を振り向かせるには!?!?モテテク講座【にじさんじフミ/星川サラ/山神カルタ】
【通話】かける【にじさんじフミ/鈴木勝 #フー鈴】

おねショタをめぐる群像劇が、今年のVTuberエンタメとして盛り上がりました。それぞれの配信だけでも楽しいのですが、まずはおおまかな流れを知っておくと、より楽しめます。

登場人物の核になるのは、ルイス・キャミー(お姉さん)、鈴木勝(少年)、フミ(お姉さん・神様)の三人。それを煽り観察するおねショタ愛好家の伊東ライフ夕刻ロベル、「わしが先に好きだったのに」とBSS立ち位置で悲しみにくれる千羽黒乃、フミの相談役の星川サラ山神カルタ。沢山の人に見守られ、鈴木勝を中心にした恋模様が観られます。

この一連の流れで興味深いのは、鈴木勝という中学生男子が、少年というのを越えて一人の男性として、踏み込んだ魅力をどんどん身につけていっているところ。ルイス・キャミーのようなお姉さんには振り回されかねない状態なのですが、それをこらえて踏み込んでいく鈴木勝の「頑張る男の子」「背伸びして大人びる」おねショタに、伊東ライフと夕刻ロベルも絶賛。とてもキュンキュンします。

一方で拗ねたりもするけれども、嫉妬しつつも踏み出せないフミと、子供っぽい純真さを見せる鈴木勝のやりとりが別角度でとてもキュートです。

おすすめはおうちデート回と、それを見ながら実況するおねショタ評議会。同時再生推奨です。

ものづくりVTuberヘアピンまみれが大人気に!

今年大きくバズったひとりがヘアピンまみれです。あらゆるものを検証するべく1から全部作り上げるという工作が得意なVTuberで、中でも「ビブラスラップ」を作る動画はかなりの反応を呼びました。そもそも楽器など作るものの分析から入るのが面白い。そして自作で0から完成させてしまっていることに多くの視聴者が驚きました。

麦わら帽子やパピルス紙、恐竜の鳴き声再現など、興味がわいたことを実際に手を動かして作っていく姿勢は刺激的! ちょっと同じことを真似るとなるとハードすぎますが、科学的歴史的興味を満たす素敵なチャンネルです。

低音ボイスドワーフたちの楽しい会話が心地いい!DWARF BROS

声のいい男たちの楽しそうな会話が聞きたいならおすすめの「DWARF BROS(ドワーフブロス)」。基本的にはゆるーい3人のトークで成り立っているチャンネルなのですが、編集はすごくしっかりしているので見やすく、いい声を堪能できます。

イラストを利用した旅行記、三人の好きなものを本気で語りあうトーク。じっくりとロー気味に、ハイテンションではないからこそ伝わる熱意など、このチャンネルならではのじわじわした熱さが楽しめます。

おばあちゃんたちの新しい青春。メタばあちゃんたちのライブ


メタばあちゃん85歳を中心とした「1st婆ちゃるライブ~暴れてやります。孫よ、後悔するなよ。~」は、VTuberのあり方のひとつとして、そして見せ方としての到達点でした。出演はひろこ(85)ハマコ(83)はなえ(80)かおる(75)の4人。

年を取れば取るほど、人前に出て何かを披露するのは難しくなりますが、アバターがあればこんなにも楽しく、みんなに見てもらえるというのを証明しました。ジャズシンガーおばあちゃんの歌声は、とっても素敵でした。今後の後期高齢者の楽しみのひとつとして、話題になっていってほしい配信でした。

次元を越えてキャラクターと歌が顕現する長瀬有花の驚愕ライブ

二次元と三次元を行き来してあらゆる次元に顕現する長瀬有花。2023年はソロライブもしていましたが、その前に行われたコンセプトライブは特殊すぎてびっくり。下北沢の美容室やスーパーマーケットや銭湯を貸し切ってライブを行っています。

実写なんですが、間違いなくそこにあるのは長瀬有花のキャラクター性や歌を再現した世界。長瀬有花というボーカリストがどんな存在なのかを知る要素がぐっと増えたかのようにすら見えます。

こういう特殊な発想を次元を越えてやるのが長瀬有花スタイルで、そのひとつとして作られた「ワールドナガーセ」ははちゃめちゃに見えつつもちゃんとアバターのありかた、バーチャルの使い方に芯がある興味深い内容。現在二次元三次元を超えるVTuber・VSingerが増えているなか、キャラクター性を保持する貴重な存在としてぜひ観測してみてください。

ハイクオリティ子供番組「らぷらすといっしょ!」

ホロライブでは色々なメンバーが誕生日ライブ配信を行っていますが、ラプラス・ダークネスのものはかなり異質。かなり本格的な子供番組「らぷらすといっしょ」を制作しました。歌のコーナーはもちろん、外ロケ映像もあり、体操のお姉さんに大空スバルを据えてラプラス本人は子供役になる、など見せ方にバラエティ性があります。

本編中の歌とダンスは切り抜かれているのですが、これがYouTubeKidsというこだわりよう。コンセプトライブ配信として非常にこだわりとクオリティの高いものになっています。


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