11月18日(金)から、ペンタブメーカーのワコムが主催する「コネクテッド•インク」というアートイベントのコンテンツのひとつとして、VRChatワールド「Metamorphosis」が公開されます。
「Connected Ink」は11月18日(金)・19日(土)に新宿の三角広場ホールで開催され、同タイミングで「Metamorphosis」もPublic化(全体公開)予定です。なお、イベント終了後もワールドは引き続き公開されます。
本ワールド内には「エントランス」「KISEKI ARTの展示」「パーティクルライブパフォーマンス」の3つのエリアがあります。今回は、この「Metamorphosis」3つのエリアを制作者の方に案内していただいた後、ワールド内でインタビューを行いました。
今回のワールド取材に参加した制作陣4名
(左からパーティクルライブ / パフォーマンス:けいしーさん、ディレクター:タカオミさん、テクニカル アーティスト:Ayanoさん、プロデューサー:Qtaroさん)
「有機的な混沌」ーEntrance
ワールドに入った来場者がまず訪れるのがこのエントランスです。空間内に響き渡る鼓動の音と、そのリズムに合わせて脈打つ大きな卵が印象的です。床も現実ではありえないような不思議な質感で、創作世界の中に入り込んでしまったような印象を受けます。
ディレクター・タカオミ(以下、タカオミ):
エントランスは「実在感を大事にしつつ、現実にはありえないデザインをバーチャル上に構築しよう」ということで、イラストレーターのみっちぇさんにお願いして描いていただいたコンセプトアートを元にこういう仕上がりになりました。ちょっと気持ち悪さや緊張感、怖さを感じてもらえたらなという意図でデザインされています。
床の下にあるウネウネとした、鏡で反射してるように見える表現、これはAyanoさんに作っていただいて。
テクニカル アーティスト・Ayano(以下、Ayano):
ちょっと特殊なシェーダーを作って割り当てている感じですね。卵も床下も特殊な質感が求められるところだったので、既存のシェーダーじゃなくて新しくシェーダーを作るのが上手く合うところだったのかなと。
ーー初めて見る、すごく不思議な感じです。エントランスに関してAyanoさんがこだわったところはありますか?
Ayano :
私は3Dモデルをいただいて、Unity上でそのセットアップをやったんですけど、特殊なシェーダーを2つ書いています。1個はこの床下のオブジェクト。みっちぇさんのコンセプトアートの段階からこんな感じの色合いだったんですけど、塗り方がリアルな反射というよりは2Dの絵画上でだけ表現できるような、自然ではないものなので、そういう見え方を表現できるシェーダーを作成しました。
それともう1つ、「有機的なオブジェが欲しい」というのがタカオミさんの方針として最初にあって、それに対してみっちぇさんがこういう卵のデザインをなされ、モデリングの担当のMuenさんがこういう形の卵をモデリングしてくれました。
タカオミさんと話して「心臓の鼓動みたいなものが聞こえるイメージだ」となったので、脈打っているような見た目ができたらいいなと考えて、ここも特殊なシェーダーを作成して表面に(液体のようなものが)流れているのが見えるようにしました。この卵が光るタイミングも音に合わせてタイミングが合うように、調整したりしています。不気味な感じと「何か生まれてきそうだな」みたいな感じが伝わればいいなと。「Metamorphosis=変態する」なので。
タカオミ:
鳥の卵じゃなくて、カエルの卵が変形してオタマジャクシになるような、そういう方向の卵をイメージして作ってもらいました。
ーー現実にある、もしくはありそうな施設や風景を構築するのではなく、このようなアーティスティックな雰囲気のエントランスにしたのはなぜでしょうか?
タカオミ:
ワコムさんが主催の今回のコネクテッド•インクというイベントが、テーマとして「創造的混沌」っていうのを謳(うた)っていまして。そのクリエイティブで持って生まれるカオスを表現したいと考えた時に、「混沌」って非常に生物的なものだと思ったんです。
なのでその「混沌」を有機的な物体として表現しつつ、空間としてもかっこいいものにしたいというところからデザインしていますね。「みっちぇさんのイラストをそのままバーチャル空間に持ってきたら、新鮮なものになるだろうな」という予感はあったので、実際こうやって実現できてすごく嬉しいです。
「絵と作者の間にあるもの」ーKISEKI ART Exhibition
エントランスを真っすぐ進むと、「KISEKI ART」の展示エリアに辿り着きます。
「KISEKI ART」は、イラストが制作される過程(=軌跡)をデータとして残すことを目的としたプロジェクトです。ワコムと、「CLIP STUDIO PAINT」を制作するセルシス、人工知能の技術開発を行うPreferred Networksがプロジェクトに参加しています。
こちらの展示では、イラストの生成過程とKISEKI ARTを組み合わせた特殊な演出を鑑賞できます。エリアに置かれた水晶玉を起動すると、空中に点群が浮かび上がるのと同時に、空間上に配置された大きな平面の画面にイラストの制作過程で引かれたストロークが次々と浮かび上がり、最後に空中の点群が画面に凝縮されて、完成形のイラストが表示されます。会場では2つのイラストと、それらに対応する2つの「KISEKI ART」が展示されています。
タカオミ:
KISEKI ARTというのは、作家さんがイラストを描く際にCLIP STUDIO上で行ったあらゆる作業をログデータとして保存し、それらをいろいろな形で可視化するといったプロジェクト名ですね。今回はそのログデータをAI技術で3次元の点群データに変換したものを展示しています。
Ayano :
この展示内の点群は、その絵を描くときのログデータの特徴の分布をがんばって三次元に圧縮したものなので、”描き手の癖”みたいなものを可視化してると言えるらしいです。
――この展示にある点群は立体的な配置ですが、作家さんご自身は普通に平面にイラストを描かれているだけなんですよね?
Ayano :
はい、点群はストロークの特徴を3次元のヒートマップに起こしたものと思って頂ければ。「KISEKI ARTは『絵』と『絵を描いた作家』の間にあるもの」と私は解釈したので、KISEKI ARTと絵の繋がりを表現するときに、ログデータの筆跡そのものも併せてVR空間上で可視化できれば「これは絵に関係してるものなんだ」と視覚的に伝えられると考えました。
なので私が作家さんからログデータをいただいて、 Houdiniというモデリングソフト上で筆跡の座標を再現し、テクスチャーに出力したものを特殊なシェーダーで読むことでVRChat上にがんばって持ってきました。
――単純にタイムラプス動画を出しているわけではなく、テキストのログデータからAyanoさんが起こしてるということですね。
タカオミ:
そうです。動画を流してるわけではないです。
Ayano:
使っているのはクリスタの操作ログのテキストデータです。
――ではこの場に「画像」として展示されているのは、この完成イラストだけということでしょうか?
Ayano:
そうですね。動画をそのままここに流しても綺麗に見えないので。タイムラプスの動画だと容量的にも現実的じゃないですし。この方法であれば比較的高い精度で筆跡を表現でき、色やスピード感もコントロールしやすいです。
タカオミ:
なので「テキストのログデータを使ってストロークをパーティクルで再現する」という形になりましたね。
――シンプルな展示ですが、実は裏側で膨大な処理が施された上で、仕上がっているんですね。
タカオミ:
はい。「KISEKI ARTの展示」はワコムさんからのオーダーだったのですが、この点群と絵の対応を視覚的に分かってもらうにはどうすればいいか、VRChat上での展示の方法はかなり考えました。ただ一度「こうしよう」と方針が決まると、Ayanoさんは非常に優秀な方なので、すぐに作っていただけて、その後に何度かの修正や調整を経て、このような仕上がりになりました。
――つまりVR空間で「KISEKI ART」をどう展示にするかは、完全に今回の制作チームのみなさんで仕上げていかれたと。
タカオミ:
そうですね。実は今日ワコムさんにも見ていただいたんですけど、すさまじく感動していただけて。想像以上のものができたんじゃないかと自負しています。
幻想的な光が織りなす美しさーKISEKI ART × Particle Live
KISEKI ARTの展示の先にはパーティクルライブの会場がありました。ライブがはじまると、会場の中央にパーティクルライブアーティストのけいしー氏が現れます。楽曲に合わせて、徐々に空間全体が幻想的な光に包まれ、その光を指揮するようにけいしー氏が舞い踊ります。
サビからはKISEKI ARTも空中に現れて作品が完成するまでの軌跡を描き、最後に完成したイラストが空間に現れます。
本パフォーマンスで使用されている楽曲は、カンザキイオリ氏が手がけたバーチャルシンガー「花譜」のオリジナルソング「夜が降り止む前に」のオフボーカルバージョンで、イラストはイラストレーターの深山フギン氏が制作したものです。
タカオミ:
この場所が、イベント中に定時になると始まるパーティクルライブの会場です。先ほどのKISEKI ARTの表現にもパーティクルを使っているということもあって、どうしてもイベントでパーティクルライブがしたかったんですよ。ライブ的なコンテンツもVRChatの中ですごく大事な要素だと思いますので。そこでけいしーさんに「ぜひ!」とお願いして作っていただきました。
パーティクルライブ / パフォーマンス担当:けいしー (以下、けいしー)
VRChatの中でパーティクルを使って今回のようなライブ演出を作る「パーティクルライブ」っていう文化がありまして。 今回KISEKI ARTもパーティクルで表現できるので、「KISEKI ARTとパーティクルの演出を合わせて、こういう見せ方もできますよ」というものを作らせていただきました。
――真ん中で踊られてたのは、けいしーさんですか?
タカオミ:
そうですね。今ご覧いただいたのはけいしーさんの動きをアニメーションとして録画したものです。イベント当日は、このワールドに埋め込んであるものと、 けいしーさんが実際に生でパフォーマンスするものの両方用意があります。
どうしてもライブパフォーマンスでは見られる人数が限られてしまうので、ダミーインスタンスとしてワールドにアバターとアニメーションを埋め込んでいるバージョンも作っています。本当は皆さんに生で見てほしかったんですけどね。
――このライブの構成はどのような考え方に基づいて作られていきましたか?
けいしー:
今回「KISEKI ART」がメインなので、それをサビのあたりから表現したり、あとは「KISEKI ARTとイラストの繋がり」も意識して作りました。前半に関しては曲のイメージやアートに合わせての、一般的なパーティクルライブを作らせてもらってます。演出に関してはかなり任せていただきました。
タカオミ:
けいしーさんに僕は全幅の信頼を置いていて「もう自由にやっちゃってください!」と伝えました。とはいえ後半のKISEKI ARTが出てくるところは「手前の展示と合わせましょう」とお願いしましたね。
――なるほど。パーティクルライブの際、床にラインが引かれてたと思うのですが、基本的にはそのラインより後ろで見てもらいたいとお考えですか?
けいしー:
そうですね、あんまり近すぎても「KISEKI ART」が見えづらくなってしまうので。
――確かに。
タカオミ
ただライブは何回か行われているので、一度全体を見ていただけたら、2回目以降はもっと近づいて見てもらっても良いかもしれません。
けいしー:
入れなくしているわけではないので、全然好きな位置で見てもらって。
――このパーティクルライブに関しての制作で苦労されたところはありますか?
けいしー
制作上の苦労……そうですね、やっぱり普段は個人で制作していることがほとんどなので、今回チームで制作したところですかね。それから「KISEKI ART」の演出を合わせていくところが、個人的には初めての経験で苦労したところではありますね。
――そうですよね。「KISEKI ARTを生かす」という、まずその命題がある中で作るパーティクルライブですものね。
タカオミ:
このKISEKI ARTのパーティクルって、データからつくれているものなので形自体に意味があるわけではなく、(意図を持って)美しく描かれているものでもないので、これをどうやってパーティクルライブで空中に展開しつつ、ショーとして美しく見せるかを考えましたし、けいしーさんにもかなり考えていただいた部分だと思います。
クリエイターにもっとスポットライトを当てたい
企画展示を一通り体験した後、制作陣4名にあらためて今回の企画の狙いや今後の展望について語っていただきました。
――まず、ペンタブメーカーのワコムがなぜVRChatにワールドを設立するのか、その経緯についてお聞かせいただけますか?
プロデューサーQtaro:(以下、Qtaro)
ワコムさんの方から「この『KISEKI ART』を広くいろんな人に知ってもらう試みをやりたい」といった相談があり、企画を話していた際に、先方が「この点群を、VR空間で立体的に見たらどうなるか?」というところに非常に興味を持たれていたという経緯があります。
――今回VRChatで活動されているクリエイターが多数起用されていますが、その理由はありますか?
Qtaro:
僕としてはVRChatのこのクリエティブシーンが本当にものすごく面白いと思っていますし、そこにもっとスポットライトを当てていきたかったんですね。「きちんと彼らの名前が出て、実績に残せるような機会を生み出したい」という想いが最初にあったんです。
ワコムの井出社長にもその想いの部分を汲んでいただけているので、本当に素晴らしい企画になったと思っています。
――「KISEKI ART」を生かす場としてVRChatが選ばれただけではなく、「VRChatのクリエイターにもスポットライトを当てたい」という意図から、このような形の企画が立ち上がったわけですね。
Qtaro:
そうですね。井出社長の視点ではおそらく”あらゆるクリエイターにスポットを当てたい”という思いがあり、それが僕の”VRChatのクリエイターに当てたい”と同じ方向を向いていたんだと思います。
タカオミ:
井出社長にも色んなワールドや、VRで活動してるアーティストさんのライブを見ていただいて、そのVRChatでのクリエイティブにすごく感動していただけました。
このシーンを世間にもっと伝えていきたいという気持ちは井出社長にも理解していただけたようです。なのでVRChatの人たちがここまで作ってきたクリエイティブの結晶や歴史みたいなものが、 井出社長の心を動かした部分は大きいと思います。
Qtaro:
現状のVRChatやVRコンテンツはマネタイズがなかなか難しいと思います。なので企業さんからのバックアップを受けていいものを作れる環境自体がレアでして、そういった中で今回ワコムさんからこの企画を「ぜひやりましょう」と言ってもらえたこと自体が本当にすごいことですし、「クリエイターをしっかりサポートしていきたい。応援したい」というメッセージを感じられました。
――この企画に際してはQtaroさんからタカオミさんにディレクターを依頼されたのでしょうか?
Qtaro:
はい、そうですね。
――そして、Ayanoさんとけいしーさんは、タカオミさんが推薦されたと、
タカオミ:
けいしーさんはVRChatのパーティクルライブ集会でお見かけしたのがきっかけで。Ayanoさんとは元々VRChatで親交があって、普段から自分でシェーダーを書いてBOOTHで販売されたり色んなワールドを作ったりされていて、ギミックやエンジニアリングの部分で信頼のできる人なので依頼させてもらいました。
――みっちぇさんにコンセプトアートをお願いしようとなったのは、どういう理由ですか?
タカオミ:
ワコムさんというペンタブメーカーの会社のワールドなので、まずプロとしてきちんとしたコンセプトアートを描ける人にデザインをお願いしたいと思ったんですよ。
そこで「どなたがいいかな?」と思った時に、みっちぇさんの作風が今回の「Metamorphosis」とのコンセプトとも合致する、巨大な空間で少し不気味な雰囲気のある絵を描かれる方なので、「みっちぇさんにお願いすれば、いいものになる!」と考えました。
――タカオミさんの今回の制作全般に関してのこだわりのポイントはどこでしょう?
タカオミ:
こだわりのポイントはワールドに入った瞬間の印象ですね。とにかく「あ、ちょっとやばいとこ来ちゃったな……!」という、 ある種の危機感。みっちぇさんに依頼した時も、「朝起きた時に、この空間に閉じ込められていたら焦るような場所」というイメージでお伝えしていて、そのインパクトには強くこだわりました。
その第一印象を出すことにもかなり苦労はしてるんですけど、1番苦労した部分でいうと、「KISEKI ART」の展示ですね。ここはかなり色んな方法を考えて、結構ボツになったものもあります。ただその苦労のかいもあって、最終的にはすごくいい形で落ち着いたなと。
Ayanoさんには多くの無理を言いましたね。本当はAyanoさんには「いただいた3DモデルをワールドとしてUnityに組み込むだけでオッケーです」と言っていたのに、蓋を開けてみたら、様々な追加オーダーに「聞いていた話と違う!」となったと思いますけど、積極的にいろんなアイディアを出してくれて、本当に感謝しています。
Ayano:
「軽めの作業かな」と思って入ってみたら、実際はなかなか大変だったんですけど、ただ今回は自分の得意なところをやらせてもらえて非常に前向きに進められました。テクニカルアーティストという役割でチームに入れてもらってるんですけど、シェーダーを書いたりだとか、Houdiniというソフトを使って外部のデータをUnityに持ってこれる状態に加工したりとか、そういうことを元々普段からVRChat内の創作活動でやっているので、得意を生かせる役割に割り当ててもらったと思っています。
――「大変だけど、やりたいことができた」というイメージでしょうか?
Ayano:
はい、得意な部分を存分に出せたと思っています。やらせていただけてよかったです。
――制作中のやり取りの中で印象的だったことなど、みなさんの中で何かありましたか?
タカオミ:
僕は「KISEKI ART」の展示が 「見た人にきちんと伝わるものになるのかな?」と不安だったんですけど、”点群が平面の絵になる”という演出をAyanoさんが作って見せてくれた時に「あ、これはいける!」という確信を持てたのが印象的でしたね。パーティクルライブに関しては元々けいしーさんを凄まじく信頼してたので、完成したものを見た時に「さすが、けいしーさんだ……」と。
Ayano:
初めて制作メンバーで集まった時に、 私はけいしーさんのことだけ存じ上げなかったんです。でも、けいしーさんのライブをその場で見せていただいたら本当に良くて、「自分はVRChatを遊んで、いろんなクリエイティブなコミュニティを見ているつもりだったのに、こんなに、すごい人のことを知らなかったんだ……」と思ったのが、印象的な場面ですかね。
だから、自分にはまだ見えてないコミュニティがおそらく沢山あって、 そこではすごいものを作っている人たちがいて「そういう人達をもっと見てみたい」と思いました。これからも。
Qtaro:
当たり前にさらっと話していますが、皆さん普段の仕事も抱えながらもこの企画をやっているってところがすごいところでして。アフターファイブや土日を使って、1ヶ月ぐらいの制作期間しかない中で、これだけのものを制作できたのも、皆さんが優秀な方々だったおかげです。
――今後このワールドはどのように運営されていく予定ですか?
Qtaro:
今回のイベントで終わりではなくて、第2弾第3弾、大小に関わらず定期的にイベント開催をしていきたいなと。今後色々イベントを重ねていくに従って、ワールドも改変、変態させていくというところがこのワールドのコンセプトです。このワールドそのものがどういった形になっていくのかということも、1つの作品として残せたらなと思ってます。
タカオミ:
ワールドって一度公開されると、1週間2週間は流行ってSNS上でわーっと写真が上がりますが、人気なワールドであっても1ヶ月後にはもう誰も訪れていない状況になることが現状多いと思うんですよね。
それは仕方がない部分もあるとはいえ、非常にもったいないなと思っていたんです。今回「Metamorphosis」とワールドに名付けたのは、定期的にワールドを更新したいからです。期間を空けてまた来た時に、新しい何かが増えているという体験を得られる、そういった意味で変化し続けてる「生きている空間」を作りたかったんです。
現実では物理的に不可能なことも、 このバーチャルの世界であれば、どう変化させてもOKです。なので「常に新しい実験的な試みが発表され、変化し続ける」、そんな面白いものがどんどん出せるようなワールドとして、運営をしていきたいなと考えています。
メタバースブーム、その先の未来を見据えて
従来、企業によるメタバースの活用事例においては”場所”としてのみメタバースを捉えられていることが多かったように感じます。しかしメタバースは当然のことながら無人では意味がなく、そこに人がいて初めて価値を持ちます。
そしてバズワードとしてのメタバースブームが終焉を迎えた後に残るものはなんだろうと考えた時、それはコミュニティやカルチャー、そして実力あるクリエイターだと思います。
今回ワールド「Metamorphosis」を拝見し、制作チームのみなさんにお話しを伺って感じたことは、他者のクリエイティブへの深い理解とリスペクトが素晴らしい作品を生むということでした。
クリエイターにもっとスポットライトを当てること。そこにメタバースブームのその先にある未来への鍵があるのではないかと感じました。
イベント概要
ワールド「Metamorphosis」は11月18日(金)の12時に公開されます。VRChatにて「Metamorphosis」を検索してご入場ください。その際、VRChatの設定メニューにてShow Community Labsのチェックをお願い致します。
パーティクルライブは下記画像のスケジュールにて行います。Public(録画版)のライブについては定刻になると自動的に公演が始まりますので、遅れずにご入場いただきますようお願い致します。
Privateのライブに関しましては、けいしー自らがライブパフォーマンスを行います。VRChatにて「Connected Ink」のアカウントにフレンド申請をしていただき、定刻になりましたら「Connected Ink」のアカウントにJoinしてご入場ください。