愛知県犬山市に、「リトルワールド」という施設があります。世界各国の衣食住などの民俗文化を紹介する野外民族博物館で、中でも世界各国から集めた伝統家屋の展示が大きな特徴です。
そんな「リトルワールド」の展示物・施設の一部を、フォトグラメトリによって記録し、設置したワールド「Little World – Tokogrammetry Gallery」が、VRChatにて公開されました。ワールド容量は800MB超ですが、大ボリュームにふさわしい見ごたえあるワールドとなっています。
展示されたフォトグラメトリは全部で16点。使用した写真の枚数は合計18454枚とボリューム満点。制作者のとこよしさんは、このワールド以外にも沖縄県うるま市の鍾乳洞や、奥多摩湖のロープウェイをフォトグラメトリ化したワールドを複数手掛けています。
展示されているものの多くは、「リトルワールド」内に再現された、各国の施設。順路に沿って歩くとまずミニチュアが展示されていますが……。
続く順路には、1/1スケールで再現された施設がまるごと登場! バーチャル空間から一気に現実へやってきたかのようなインパクトがあります。
フォトグラメトリの精度は非常に高く、遠くから見ても、もちろんですが、かなり近くで見ても、まるで現実の物体を眺めているような心地になるほど、とても細かく再現されています。
展示施設をまるごとフォトグラメトリにしたものも見応え満点ですが、バーチャル空間とフォトグラメトリをうまく融合したエリアもあります。順路自体もなかなかに凝っており、ただ歩くだけでも楽しいです。
順路の合間には、「リトルワールド」開館40周年記念の回顧展のパネルが設置されています。驚きの展示の数々を用意した野外民族博物館がどのように生まれ、どのような歩みをたどってきたか、合わせて確認しておきたいところです。
ちなみに、入口には「フォトグラメトリ撮影位置が見える窓」が設置されています。高精細なフォトグラメトリを作る上で、どれだけの撮影が行われたかを一発で可視化してくれるギミックなので、フォトグラメトリに興味のある人はぜひ手にしてみましょう。
また、順路の最後には、どのような機材を使ったかの紹介や、「リトルワールド」のパンフレットが一部掲示されています。このワールドを通して「リトルワールド」が気になった人にはうれしい情報提供です。フードメニューの豪華ぶりは眺めるだけでも楽しいはずです!
見応え満点の展示を、現実と遜色ない解像度でVRChatの空間に再現した制作者の熱量はもちろん、なによりこれほどの展示を40年も続けてきた「リトルワールド」が、とてつもない場所であることが一発で伝わってきます。
ボリューム満点の小旅行気分を味わいたい人はもちろん、世界各国の民俗文化を学びたい人、フォトグラメトリという技術に興味がある人、なにより「リトルワールド」という場所が気になる人……様々な人におすすめしたい、フォトグラメトリワールドの大作が登場しました。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrchat.com/home/world/wrld_99438e12-d8c6-4e61-9594-65a9162d95f6