ソーシャルVR「VRChat」にて、京セラ株式会社の公式ワールド「Kyocera Laser World」が公開されました。現在パブリックで公開されており、6月29日(木)から7月2日(日)にかけてはツアーイベントも予定されています。
京セラのレーザー製品を手にとって見てみよう
今回公開された「Kyocera Laser World」は、メタバース上の「京セラ レーザーコンセプト製品バーチャル展示ブース」として、開発中の京セラレーザー製品が展示されています。展示パリビリオンでは、各製品を近づいて見るだけでなく、一部は手に取り、その場で光を発射することもできます。
懐中電灯や、自動車のハイビームに使う車載用ヘッドライト、さらにはGaN(窒化ガリウム)レーザーを応用した光通信無線技術「Li-Fi」のキットなど、種類はさまざま。一口にレーザーと言っても、活用法はいくつもあることがわかります。
また、半導体レーザーの仕組みを動く展示で解説するコーナーも設置。「半導体」「光励起」「半導体レーザー」「Li-Fi」など、テーマごとにその仕組みを展示ギミックとともに説明してくれます。ちょっとした社会科見学として楽しめるスポットです。
レーザーは水中で活躍!? アトラクションで光無線通信の未来を体験
そして、本ワールドではレーザー光源の活用事例を紹介するライドアトラクションがあります。パビリオンの反対側にある洞窟が舞台です。
洞窟の奥を進んでいくと、まるでテーマパークにあるような小舟型のアトラクションがあります。10人以上乗ることができる大きめのボートなので、フレンドと一緒に乗り込みましょう。
最初はよくある水上ライドアトラクションのように、洞窟の水路を進んでいきます。ボートの中央はクリアパーツなので、足元に広がる水中を見ることができます。
ところが、奥に進んでいくと、ボートが水中に沈んでいきます! ですが、ここはバーチャル空間。ちゃんと呼吸できるのでご安心ください。
このアトラクションで体験できるのは、Li-Fiが実用化した未来の世界。光で通信を行うLi-Fiは、電波が届かない海中にもデータを送信することができます。
この技術の活躍が見込まれているのが「水中ドローン」です。従来であれば有線で接続する必要があったものが、Li-Fiによって水中でも無線で活動できるようになり、定置網の修繕や海中の発電施設メンテナンスなど、人間ではなかなか困難な作業もこなせるようになる、と期待されています。
(Li-Fiが実現すれば、海中のドローンにも光で命令を送信できる)
そんな、「光無線通信で動く水中ドローン」が実現した世界を、マンボウのような愛らしい水中ドローンが一生懸命に動く姿から追体験できます。ちなみにドローン以外にも、メンダコやクリオネといった生き物も姿を見せますよ。
アトラクションの最後には、古代遺跡のようなところで、京セラのレーザー製品を紹介するプレゼンテーションを見ることができます。活用例を間近に見てから、こうしたプレゼンを見ると理解度も段違い。アトラクションの最後に、京セラの描く未来をしっかりと学んでいきましょう。
(ちなみにアトラクションのボートはマンタがモチーフなのだそう)
「ちょっと先の未来」を知る社会科見学
京セラは、2022年11月に機械工具事業本部がVRChatに進出。切削工具などの展示や、高能率加工によるカーボンニュートラルへの取り組みを紹介する展示会ワールド「Kyocera Tool World」を公開しました。現在も、同ワールドには自由にアクセスできます。
今回の「Kyocera Laser World」も、ワールドは一般向けに公開されます。さらに、6月29日(木)から7月2日(日)にかけて、ガイド付きツアーが1日3回実施されます(20:00、21:00、22:00実施予定)。
こうしたツアー企画は前回も開催されており、法人向けの製品を扱う展示会ながら、一般層にも開かれた取り組みが特徴です。京セラ株式会社の担当者によれば、本ワールドは前回と同様に、京セラの製品やサステナビリティへの取り組みを幅広く認知してもらうことを目的に展開しているとのことです。
実際筆者は、レーザー製品の種別はもちろん、Li-Fiというものがあること、それが社会実装に向けて動いている段階であることや、どこに活用されているか、ほぼ知らない身でした。そして今回、展示やアトラクションを通して、教科書などで見るよりもはるかに高い解像度で、レーザー光源技術の描く未来を知ることができました。
京セラが目指す「ちょっと先の未来」を、いろいろな仕掛けで知ることができる「大人の社会科見学」として、多くの人に訪れてほしいワールドです(もちろん学生さんも!)。
(「Meta Quest 2」単体で見た様子①。写真:アロスさん提供)
なお、本ワールドはQuest版にも完全対応。「Meta Quest 2」単体でも入場できる上、アトラクションの美麗な水や光までちゃんと表現されているのが大きな特徴です。ぜひQuestユーザーのみなさんも遊びに行ってみてください!
(「Meta Quest 2」単体で見た様子②。写真:アロスさん提供)
ワールドへのアクセスはこちら(Meta Quest 2、またはPC接続型VRヘッドセット、高スペックPCが必要です)。
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_11bf825d-8764-434e-9a79-f283be8c8921
(参考)VRChat、公式提供資料