ソーシャルVR「VRChat」のモバイル版が開発中であることが発表されました。Android端末での動作を予定しており、3〜4か月以内に一部ユーザーへ提供が予定されています。また、Unityのバージョンアップも発表されました。
Quest対応コンテンツは動作。3〜4ヶ月以内「VRChat Plus」向けに提供予定
「VRChat」は現在、PC(Steam)、PC+対応VRヘッドセット、およびVRヘッドセット「Meta Quest 2」でのみ動作します。このうち、「Meta Quest 2」単体で動作する「VRChat」は、OSはAndroidがベースであることや、本体スペックなどの兼ね合いからワールドやアバターに独自の制限がかかります(これをVRChatユーザーの間では俗に「Quest対応」と呼びます)。
(「Developer Update」公開動画より引用)
このため、現在開発中のAndoridモバイル向け「VRChat」では、Quest対応ワールドやアバターが問題なく動作しているとのこと。3月30日(金)公開の「Developer Update」では、実際にAndroidスマートフォン上で、デフォルトのホームワールド「VRChat Home」にて動いている様子が確認できます。
開発チームによれば、多くのワールドはそのまま動作するものの、一部の複雑なコントロールが実装されたワールドでは、タッチスクリーン操作向けに別途調整が必要になるとのことです。また、デスクトップモードでの動作に重きを置いてないワールドには、より多くの調整が必要となることも示唆しています。
(「Developer Update」公開動画より引用)
Androidモバイル端末対応の「VRChat」は、3〜4ヶ月以内に、有料プラン「VRChat Plus」ユーザー向けに提供が予定されています。対応端末は、6GB以上のRAMを搭載した「ミッドレンジ」クラスが必要とのことです。
一般公開は、「VRChat Plus」向けリリースから3〜6ヶ月になると見積もられています。アプリの提供方法については別途計画中で、詳細は後日告知予定です。
なお、iOS向けのアプリ開発も進められていますが、Andoridと全く異なる環境となるため、リリースはまだ先になるとのことです。
Unityバージョンアップも告知。「Unity 2021.3 LTS」へ移行中
このほか、3月30日(金)発表の「Developer Update」では、「VRChat」が「Unity 2021.3 LTS」に移行中であることが発表されました。来週中にはクローズドベータが開始予定で、場合によってはさらに新しいバージョンのUnityにも移行できるかもしれないとのことです。
現在の「VRChat」では「Unity 2019.4.31f1」を採用しており、アップデートによってアバターパフォーマンスに関する改善などが見込まれています。「Unity 2021.3 LTS」への移行はUnityと協力して進められており、多くのコンテンツは再アップロードを必要とせずに移行できる可能性があるとのことです。