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日本でも展開予定 韓国のSkonecが進めるVRアーケード『VR Square』


「ロケーションベース」(体験場所に行ってプレイするスタイル)のVR体験施設は日本でも多く登場しています。たとえば、バンダイナムコエンターテインメントが2016年に展開した「VR ZONE Project i can」や埼玉県越谷のイオンレイクタウン「VR Center」、アドアーズが渋谷に展開する「VR PARK TOKYO」など、続々と増えています。

2017年は、さらに多くの施設が開設されることが予想されますが、こうしたロケーションベースのVR体験施設は日本だけでなく、中国や韓国、台湾といったアジア各国でも盛り上がりを見せています。

2月27日から開催されたGDC2017では、韓国のSkonec社が展開するアーケード施設「VR Square」からフリーロームのVR体験『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』を展示していました。

5m×7mをストーリーに従って動き回る『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』

今回、GDCでは「VR SQUARE」の最大のウリである『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』を体験することができました。

https://www.youtube.com/watch?v=5GNTjVmxkr4

GDCで体験したのは、展示用に5m×5mと少し小さめのスペースになりますが、広い空間をPCを背負ってワイヤレスで移動、銃型のコントローラーを手に持って、敵を撃退しながら進みます。VRヘッドセットはOculus Rift、位置のトラッキングにはOptitrakが使用されていました。

バックパックPCは専用のものを使用。まるで本物の銃を持っているかのよう。手には専用のグローブを装着します。

体験内容は、事故の起きた施設にいるプレイヤーが機敏なゾンビのような敵を倒しつつ脱出するというもの。10分弱のデモ体験でした。このような同様の体験が可能な施設として日本でも東京ジョイポリスの『ZERO LATENCY』がありますが、比較してみても『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』はさらにその体験の質が向上したものでした。
特に印象的だったのは以下の2点です。

・固定位置ではなく移動込みでストーリー性のある展開
・高画質で安定した体験

ただの体験から「物語の体験」へ

『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』の体験の中で、VRではプレイヤーは非常に移動します。施設の中を平面で移動するだけでなく、エレベーターに乗って違う階層に移動することもあり、本当に「移動している」感覚があります。現実では5m×5mの範囲内で動いているだけですが、巧みなレベルデザインで、VRでは動いているように錯覚します。

https://www.youtube.com/watch?v=dI2mjXZzlUo

また、「扉を開けるためにタッチパネルに手のひらをかざす」といったインタラクションがあることも探索している感覚を強化していました。最後には、助けに来た味方のヘリコプターに向かって高所の細い足場を歩いていくというシーンもあり、その際には、現実では木の細い板がある箇所を歩くことになります。

本体験の敵はややグロテスクで、突然出現することも多いため、ホラーが苦手な筆者は終始ビクビクしながら体験していました。前述した最後のヘリコプターのシーンでは、「早く味方のところにってホッとしたい」という焦る気持ちと「うっかりしたら足を踏み外してしまう」という緊張感から、これまで以上に足が震えてしまいました。渡りきった時にVRでも味方の手が差し伸べられるのと同時に、現実でも手が差し伸べられて肌が触れますが、その瞬間に感じる安心感は「助かった」という気分そのものでした。

https://www.youtube.com/watch?v=jFd1W8S4eYo

これまでのVR体験の多くは、「ZR ZONE」の一部のコンテンツを除き1つのアクションをしたら終了というものが多かった印象ですが、複数のアクションが組み合わさることによって、気持ちも没入する「物語体験」となりつつあることを感じさせられました。

ハイエンドなVRHMDによる安定して高画質な体験

本体験で使用されていたVRHMDはOculus Riftの製品版です。安定して高画質な描画が可能なため、Unreal Engine 4で描き出された美麗なグラフィックが没入感をさらに増しています。また、銃や手のトラッキングはときどき未検出になってしまうものの、若干気になる程度でした。

今後、システム全体をHTC Viveに切り替えるとのことで、さらなるトラッキング精度の向上は確実と考えられます。

VRへの取組に邁進する韓国のSkonec社

『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』を展示していたSkonec社は、2002年の立ち上げ以来、もともとセガなどの家庭用ゲーム、アーケードゲームの制作を行っていたゲーム会社です。VRヘッドマウントディスプレイの登場以来、VR事業を立ち上げ、2015年12月にはGear VR向けのシューティングゲーム『Mortal Blitz VR』を発売し、複数のVRゲームの開発を現在も進めています。

そのSkonec社が現在最も力を入れているのが「VR Square」と呼ばれる、パッケージ化されたVR複合施設です。同社の看板コンテンツである『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』を体験できる5m×7mの広大なエリアに加えてさまざまな体験エリアが構想されています。

・『Mortal Blitz VR for Walking Attraction』を体験できる「Walking Attraction」エリア
・モーションチェアに座りながらVRを体験する「VR Cube」エリア
・ HTC Vive向けのオリジナルコンテンツを体験できる「Vive Zone」エリア
・特殊な筐体を使って高所を歩いたりバンジージャンプを体験できる「Installation VR」エリア

いずれのエリアで体験できるコンテンツも、全てSkonec社かパートナー企業のオリジナルコンテンツであり、一般配信されているものではない「この施設でしか体験できないコンテンツ」を提供するとのこと。

2017年3月に、まずは韓国の遊園地ロッテワールドで開設し、今後、中国など国外にも展開を進めていくとしています。

日本での展開について尋ねたところ、「予定している」とのこと。近日中に詳細が明らかになるとのことで、期待したいところです。

2017年は国内外でのアーケード施設の増加も確実と考えられます。今後どのような体験のできる施設が登場するのか楽しみです。

家庭用の開発も進め全方位でVRゲームを開発するSkonec社

さらに、Skonec社は家庭用のVRゲームも開発を進めています。PlayStation VR向けに『Mortal Blitz』の最新作をこちらも今春公開予定。日本語版の配信は4月になるとのことでした。

https://www.youtube.com/watch?v=hdPlCet_EkY

こちらも製品版を体験することができましたが、ワープ能力のある「酔わないFPS」となっており、プレイ感は良好でした。

アジア地域で有望視されているアーケード向けには施設をパッケージで展開し、家庭用に最も出荷台数の多いGear VRとPlayStation VRへのアプローチしているSkonec社。今後の動向とリリースされる作品に注目です。

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この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。Boothにて書籍「寝転んでNetflixを観ると、 VRの未来が見える」販売中

Twitter:@tyranusii

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