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VR動画 2021.01.16

【VR映画ガイド第33回】世界初の宇宙遊泳を体験できるVR映画作品

2017年に公開された「The Spacewalker」のスピンオフ作品

「The Spacewalker VR」は2017年に公開されたロシアのスクリーン映画の大作「The Spacewalker」のスピンオフ作品です。

ロシア最大のCGスタジオであるCGFが制作しています。監督はこのスクリーン映画のVFXプロデューサーでCGFの責任者でもあるAlexander Gorokhov氏が務めています。

スクリーン映画の内容は1960年代の冷戦時代、ソ連とアメリカの間の宇宙開発競争の最中に進められたソビエトの有人宇宙飛行計画の話です。有人宇宙飛行船ボスホート2号の打ち上げ、そして人類初の宇宙遊泳を体験できます。

大規模予算スクリーン映画作品のスピンオフのため、かなりクオリティは高いです。

オススメのポイント

1. 大迫力の宇宙船ボスホート2号の打ち上げシーン

冒頭のシーンから圧倒されます。一面真っ白い雪景色の中、巨大な宇宙船ボスホート2号が打ち上げを待っているシーンから始まります。

カウントダウンが始まるとロケットエンジンが噴射し、空へと打ち上げられます。スクリーン映画ベースの作品ということもあり、カメラ移動が効果的に行われています。ロケットの下の部分から上部にゆっくりと視点移動していく感じが心地よいです。

VR映像では視点が勝手に移動すると酔いやすいと言われますが、この作品の視点移動は非常にゆっくりと移動するのでほとんど酔いを感じませんでした。またこの視点移動によって、この1ショットで宇宙船ボスホートの大きさやディテールがよく分かる演出になっています。

宇宙船の上部に視点位置が来るとちょうど良いタイミングでロケットが打ち上げられるので、ロケットユーザーの目の前を大迫力で飛んでいく様子が体感できます。

2. VRならではの宇宙遊泳体験

この作品の見所は何と言っても宇宙遊泳の体験ができることでしょう。以前もこの連載で取り上げた「FLY」ではVRによってライト兄弟が実現した世界初の有人飛行を体験できる作品がありましたが、今回は人類初の宇宙遊泳をVRによって体験できます。

宇宙船から船外に出る瞬間の緊張感や宇宙に漂う浮遊感、宇宙飛行士の息遣い以外何も聞こえない音のない世界、その状況に孤独を感じて恐怖すら感じます。しかしそこから見える地球が美しく、宇宙遊泳の体験は感動できると思います。

3. ロシア最大手CGプロダクションの技術が凝縮された高品質のVR映画作品

スクリーン映画ではボスホート2号プロジェクトの裏で起こった様々な事故や事件、人の葛藤や物語が描かれています。

VR作品ではそこまで詳細なストーリーは描かれていませんが、多くの人たちの色々な思いの上で実現された有人宇宙船の打ち上げから、人類初の宇宙遊泳の状況を体験できる作品になっています。

このVR映画作品を見て、ぜひスクリーン映画作品も見たくなりました。スクリーン映画とVR映画作品の特徴を活かしている素晴らしい作品です。

作品データ

タイトル

The Spacewalker VR

ジャンル

ドキュメンタリー

監督

Alexander Gorokhov

制作年

2019年

本編尺

4分22秒

制作国

ロシア

体験できるサイト

Within
DarkCorner
VeeR VR
VR SQUARE

Trailer

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