【VR映画ガイド第23回】宇宙飛行士たちを200時間以上撮影した話題作

2年間に渡り、ISSを200時間以上記録した壮大な4部構成のVRシリーズ作品

今回は、4部構成のVRシリーズの第一部「The ISS Experience Episode 1, Adapt」を紹介します。EMMY賞を受賞したVR制作スタジオ「Felix & Paul Studios」の新作です。

2年間に渡り国際宇宙ステーションに専用のVRカメラを設置。200時間以上にわたって8人の宇宙飛行士たちのステーションでの生活やミッションを果たす状況を記録しています。さまざまな国から選出された宇宙飛行士たちの喜びや孤独などに焦点が当たり、8人が家族のような絆で結ばれていく過程を観ることができます。

宇宙を舞台にした作品はVRでも多数ありますが、その中でもここまで大きなプロジェクトは無かったと思います。そういった意味でも貴重な作品です。

オススメのポイント

1. プロジェクト用に開発された専用VRカメラ

Felix & Paul Studiosの映像クオリティレベルは非常に高く、過去制作された作品を見ればすぐにその実力が分かります。

この作品の撮影の為、無重力の中でも問題なく動作するように設計されたプロジェクト専用のカメラを開発したそうです。国際宇宙ステーション内の空間の広さを感じられ、様々な機材の様子を見て取れます。視聴しているうちに、自分自身も無重力を感じられるようなコンテンツになっています。

エンドクレジットにZCAMのクレジットが流れていたので、ZCAMと共同でVRカメラが開発されたのではないかと思われます。今後は宇宙ステーションの外にあるロボットアームに装着された映像も公開予定とのことです。

2. 息を飲むほど美しいリアルな地球

今回一番のオススメビュースポットは、国際宇宙ステーションのキューポラ（7つの窓がある半円球の部屋）ごしの地球です。自分も宇宙にいるような感覚で、本当に美しい地球が見られます。宇宙飛行士たちもその美しい光景に感嘆の声をあげていました。自分も宇宙飛行士のチームの一員になった気分も味わえます。

3. ここから始まる史上最大のプロジェクト

このプロジェクトはISS米国国立研究所、NASA、カナダ宇宙庁など、国際宇宙ステーションに関係する宇宙機関と共同で制作されています。

作品は5G対応のスマートフォンやタブレットでの360度映像、ドームやプラネタリウムでの360度フルドーム投影、OculusヘッドセットでのVR体験など様々なフォーマットで配信される予定です。来年の秋まで続くシリーズの予定は下記の通り。

・Episode2: Taking Flight 2021年春公開 $2.99
・Episode3: A New Dawn 2021年夏公開 $2.99
・Episode4: Expand 2021年秋公開 $2.99

この作品はきっとVR映画にとって重要な作品になります。今からすべてのEpisodeを体験するのが楽しみです。

作品データ

Trailer

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