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VR動画 2020.07.12

絶対観るべきおすすめVR動画7選! 映像のプロが選ぶ

2020年現在はYouTubeをはじめ、VRSQUAREGoogle Spotlight Storiesなど、スマホ向けアプリでVR動画を手軽に楽しめるようになりました。周囲を見まわせるタイプの360度動画から、映像の世界のモノに触れたりできる本格的なものまで、幅広く体験できるようになっています。

しかし、多数の作品がリリースされていることもあり、すぐに「これだ!」とハイクオリティな作品を見つけるのは難しいところ。そこで今回は、VR映像プロデューサーとして現在も活躍中の待場勝利さんが傑作と呼べるVR動画を厳選。それぞれの作品のおすすめポイントを紹介してもらいました。

待場勝利さん:プロフィール

Supership株式会社VR戦略企画室所属。大学を卒業後、アメリカで映画製作を学ぶ。TVディレクター、20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパンで日本語版プロデューサー、サムスン電子ジャパンではGear VRを担当。2016年から数々のVRプロジェクトをプロデュースし、国内外のVR映画作品を世界中の人たちに紹介するため奔走中。日本国内でVR映画を体験する場所としてオンラインポータルサービスやロケーションベースサービスのローンチにも携わる。

「The Key」

モノクロとカラーの入り交じった世界を、旅するような感覚で鑑賞できる作品です。上映中はVR空間の中を移動でき、さまざまなモノに触れられますが、ときには危険な状況に陥って、大切な何かを奪われてしまうことも……。ファンタジーのような雰囲気ながら、メッセージ性の強い作品です。

制作したのはセリーヌ・トリカート監督で、ISISとヤジディ教徒の女性の戦闘を扱ったドキュメンタリー「The Sun Ladies VR」が知られています。また、セリーヌ監督はこの「The Key」で、トライベッカ映画祭「Storyscapes Award」、ベネチア国際映画祭「最優秀VR審査員大賞」を受賞しています。

待場のおすすめポイント(※ネタバレあり)

この作品は幻想的な異世界で、突然自分が住んでいた大事な場所を奪われてしまい、恐ろしい怖い存在に大事なものを奪われてしまう体験をします。あくまでファンタジー的な作り話かと思いきや、最後には実話であることを突きつけられる――。最後は自分が爆撃を受けた後の部屋に体験者を立たせるのですが、このシーンには非常に衝撃を受けました。ニュース・報道で情報を受け取るよりも、このようなVR体験は記憶に残ります。最後に体験者は鍵をプレゼントされるますが、この鍵の意味について色々と考えさせられます。

タイトル

「The Key」

対応デバイス

OculusQuest

値段

無料

「Bonfire」

未知の惑星を舞台にした冒険物語。鑑賞中は相棒ロボットのデビーと一緒に、エイリアンの声が聞こえてくる奇怪なジャングルの中をさまようことになります。その道中、Pork Bunというエイリアンに遭遇して、一緒に焚き火を囲むことに。

言葉の通じないPork Bunと交流するうちに、3人の関係性にも変化が……。体験者(プレイヤー)の行動に応じて、キャラクターのレスポンスも変化するのが特徴で、選択次第ではシナリオも変化します。キャラクターのコミカルな動きも楽しい作品です。

待場のおすすめポイント

「Bonfire」を制作したBaobab Studioは、以前からVRを活用したストーリーテリングに取り組んでいます。毎年のようにVRアニメーション作品をリリースし続けており、エミー賞をはじめ数々の国際映画祭を総ナメにした「Invasion!」あたりが有名です。

当初はCGアニメーションを360度にした作品が多かったBaobab Studiosですが、今回の「Bonfire」はかなりVRの特性に踏み込んで制作されています。360度のアニメーションというのは変わりませんが、そこに「自由に歩ける」「触ると反応する」、そして少しAI的な要素を入れて制作されており、一気に作品世界へ没入できる作品となりました。

タイトル

「Bonfire」

対応デバイス

iOS
Android

値段

490円

「深海VR – 海底に降り立つ」

人類にとって未知の部分が多い深海の世界を、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が360度カメラで撮影した作品。深海の海底に生息するさまざまな生物たちの様子を観られます。特に熱水噴出孔の迫力は必見! Youtubeでは60万回以上再生を突破。「第61回科学技術映像祭」で部門優秀賞(教育・教養部門)を受賞しています。

待場のおすすめポイント

これはまさにVRで体験するべきVR映画作品です。“生身”では行くことのできない”極限の海底”に立つ体験ができるのですから。未知なる深海に立つというのはどういうことか? 深海での水圧、海底に到着した時の静けさ、光も届かない暗闇。何の音もしない海底には恐怖すら感じます。そんな暗闇の中にも多種多様な深海生物が生きていて、400度を超える熱水を噴出している熱水噴出孔をVR映像で見ることができるのです。深海という未知なる領域を本格的にVR映画化した作品は初めてかもしれません。

タイトル

深海VR – 海底に降り立つ

対応デバイス

YouTube視聴対応デバイス

値段

無料

「DayOne 平成から新年号へ」

2019年5月1日、平成から令和にかわる1日を撮影した作品。日本の年号が変わるということで日本中がお祭り騒ぎになっている様子をVRで体験できる。厳戒態勢の渋谷スクランブル交差点での時代が変わる瞬間や明治神宮で行われた流鏑馬など、それぞれの場所での1日が記録されています。YouTubeの他にも「4K・VR徳島映画祭」のVRシアターなどで上映されています。

待場のおすすめポイント

Google Creator Labの協力で制作されたVRドキュメンタリー作品。日本の歴史にとって大きな節目となる平成から令和に変わる瞬間をVR映像で記録しています。「令和」についてどのような思いがあるのか、さまざまな立場の人たちが胸の内を明かすシーンが見どころ。何も変わらないように見えて少しずつ変わっていく日本の状況を体験できます。

タイトル

DayOne 平成から新年号へ

対応デバイス

YouTube視聴対応デバイス

値段

無料

「Pearl」

約6分間の短編アニメ映画。「ベイマックス」や「ズートピア」に携わった3DCGアニメーターのパトリック・オズボーンが制作。自動車の中を舞台に、父と娘の関係の変化が描かれる作品です。会話シーンは少なく、雰囲気だけで今2人がどんな気持ちなのかを読み取れるのも特徴。2016年にアカデミー賞のアニメート部門にノミネートされています。

待場のおすすめポイント

ここまでしっかりとストーリーが練られているVR映画作品はまだ中々見られません。セリフはほとんどなく映像体験で語るストーリーや、全編車の中という限られたスペースを巧みに使い、VR空間を感じさせている点、そして360度を見渡したくなるように色々なところに隠されたイースターエッグの演出方法など、「VR映画ってどういうもの?」と気になっている人にこそ見てほしい作品です!

タイトル

Pearl

対応デバイス

YouTube視聴対応デバイス、Google Spotlight Stories対応スマートフォン

値段

無料

「Age Of Sail」

齢の船乗りと豪華客船から転落した少女の心の交流を描いたショートアニメーション作品です。視聴中はまるでキャラクター達のとなりに座っているかのような体験ができます。YouTubeでは2Dでのアニメーション作品として公開されていますが、VRヘッドセットやVRゴーグルを利用した方法では作品の印象が違ってくるはず。この作品はVenice Film Festivalで上映され、大きな話題となりました。

待場のおすすめポイント

VRヘッドマウントを被った瞬間、絵画のような味わいのあるアニメーション作品の世界に引き込まれます。時代遅れの帆船は主人公の老船長に重なり、海に落ちた少女を助けるところから少しずつ老船長の向かう先が変化。物語は海と船という空間で描かれており、VRならではの没入感が引き出された秀逸なVR映画作品です。

タイトル

Age Of Sail

対応デバイス

HTC Vive、Oculus Rift、 Valve Index、Google Spotlight Stories対応スマートフォン

値段

無料

「HELP」

CGと実写映像が合成された映画作品。アメリカの街が何者かに襲撃れる光景が映され、四方を見渡すと、さまざまなところから煙が上がっています…。そして、突如、謎の怪物が登場し、視聴中の自分めがけて襲いかかってくることに。ハリウッド映画のような本格のパニックムービーです。

待場のおすすめポイント

ハリウッドが本気を出して制作されたオリジナルVR作品。ストーリー、視覚効果、シーン転換、空間演出、全てに圧倒されます。当時はほとんどの人がシンプルな360度動画として見ていましたが、改めてVRヘッドセットで体験すると、この作品はVRのために制作されたということが良く分かります。

タイトル

HELP

対応デバイス

HTC Vive、Oculus Rift、 Valve Index、Google Spotlight Stories対応スマートフォン

値段

無料


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