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ゲーム・アプリ 2017.06.20

VRで『Fallout4』『DOOM』『スカイリム』は生まれ変わるのか 大注目の3作品を一挙レポート

6月13日から15日まで、アメリカのロサンゼルスで開催されたE3のベセスダ・ソフトブースにて新作VRコンテンツのデモ体験をしてきました。

本記事は、現地で体験できた『DOOM VFR』、『Fallout4 VR』、『The Elder Scrolls V Skyrim VR」の3作品のプレイレポートとなります。いずれの作品も、原作は海外に多くのファンがいるいわゆる“AAAの大作ゲーム”であり、その世界に入れるVR版は多くのファンが待ち望んでいる超注目作ということになります。

3VR作品の原作のこれまでの全世界総出荷本数

『DOOM』(シェアウェア版):1,500万本以上
『Fallout 4』:1,200万本以上
『The Elder Scrolls V: Skyrim』:1,000万本以上

――Wikipedia

超人気作のVR版ということもあり、開場直後から長蛇の列。筆者は4時間待った結果、1名あたり合計10分のデモ時間という区切りが用意されたため、各作品3分ずつ体験することで全作品をプレイすることができました。各作品ごとに3分という短い時間での体験だったため、レビューではなくファーストインプレッションのレポートであることを事前にお断りさせていただきます。

DOOM VFR(HTC Vive)

『DOOM VFR』のデモは移動や操作などを説明されながら進んでいくチュートリアルからスタート。移動方式はコントローラーで移動先を指定するワープ方式を採用していました。

グラフィックはVR向けの最適化のためかクオリティがそこそこに落とされていると感じました。

操作説明を見つつ移動して、地面に落ちたアイテムを集めつつ次のシーンへ。そこで銃を受け取ってこれから敵と遭遇だ、というチュートリアルの途中で時間切れで終了。敵との銃撃戦まで進めませんでした。

他のプレイヤーの体験を見ている限り戦闘シーンは激しく派手な演出がなされていた印象でした。

途中で死体が転がっていましたが、血の表現などは2016年にリリースされたPC版新作『DOOM』の雰囲気そのままに再現。『DOOM』の世界に入り込むという体験がまさにできるデモとなってました。まだまだ開発途中とのことで、今後の続報と戦闘シーンの迫力に期待です。

『DOOM VFR』はHTC ViveとPlayStation VR向けに発売予定。発売日は未定です。

Fallout4 VR(HTC Vive)

『Fallout 4 VR』の操作はフリームーブ方式でジャンプやダッシュも可能でした。現状、FPSのFallout4をそのままVR対応させた印象が強いです。操作にワープ操作もありましたが、今回は選択できず体験できませんでした。

似た移動動作例だと『Mincraft VR』などがあります。加えて、起伏のある地形もそのままに上下しながら進むので、個人的には激しくVR酔いしてしまいました。

グラフィックもそこそこのクオリティとなり、『DOOM VFR』同様にVRで動かす為に抑えている印象が強かったです。PC版との比較ではもちろんのこと、トレーラー動画のクオリティよりも幾分低い印象を受けました。

右手では銃の選択が可能で、リング状に出たアイコンをタッチパッドで選択して変更する方式で、ピストルやショットガンなど各種銃に加えてバッドのような物理的に殴る武器も用意されていました。

デモでは『Fallout 4』で最初に敵と遭遇するガソリンスタンドの場面から始まり、襲ってくる人型モンスターを倒して進んでいく形式。十数体敵を倒しながら進んだ所でタイムアップとなってしまいました。

他の体験者のプレイを見ていると、パワーアーマーに乗り最初の町に移動して戦闘するところまで確認できました。

『Fallout 4』の世界をVRで体験できるコンテンツであることは間違いありませんが、フリームーブでの移動方式がメインの移動となっている場合は、酔いの耐性がない人は注意が必要かもしれません。製品版では実装されるワープ方式の場合は酔いは感じられない反面、プレイ感がことなるものになる可能性があります。

開発はかなり進んでいるとのことで、発売を楽しみに待ちたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=jspdtha3t1k

The Elder Scrolls V Skyrim VR(PSVR)

他の2作品と違いPSVRでの体験です。両手にPS Moveコントローラーを使った操作となります。

ワープ移動方式が採用されており、動作も快適でした。シーン切替時などにMoveコントローラのトラッキングが外れる場面が何度かありましたが、センサーセッティング等でカバーできるかとも考えられます。

グラフィッククオリティについては、『Farpoint』と同程度という感じでPSVRでの平均的なグラフィックレベルにはなってはいるとは考えますが、粗さは目立ちました。リマスター版を元に画質を落としているイメージで、前述の2作品よりはトレーラー動画と実際の動作画質が近いと考えられますのでトレーラー動画をご確認ください。

操作は右手で剣をもち、左手で移動と魔法を使えるという仕様になっていました。ゲーム初期に登場する遺跡に移動して洞窟を進むと人型モンスターやネズミといった敵と遭遇し、左手コントローラーのトリガーで火の魔法を出しつつ、近寄ってきたら右手のコントローラを振る形で、剣で斬って倒し進んで行きます。

ワープ表示のエフェクトや魔法のエフェクトなどはファンタージー感があって雰囲気があり、途中にあるクリスタル等はコントローラーのボタン長押しで取得というようなインタラクティブな動作も体験出来ました。他、右手の□ボタンを押すことで必殺技である「ドラゴンシャウト」を使うこともできました。

洞窟の奥に進むと大きなな蜘蛛モンスターが出現し魔法と剣を使って攻撃して撃破、というところでタイムアップとなり体験終了となりました。

他のプレイヤーも大体蜘蛛あたりまででプレイが終了していた印象で、今回、途中のギミック等をあまり確認せず一直線に進んだため短い時間でもたどり着けたという感じでした。

こちらも他作品と同様に作品の世界に入り込む体験が出来るコンテンツとなっているため、作品のファンはもちろん初めて体験するプレイヤーでもファンタジーの雰囲気が体感できる作品です。

公式トレーラー

The Elder Scrolls V: Skyrim – PlayStation VR E3 Trailer – YouTube

■全体感
AAAタイトルのVR版ということで期待を大きくしていましたが、「VRのためにゲーム自体を作り直した」というよりは「既存のコンテンツをベースにグラフィックや操作感を含めてVR対応を行った」という印象が強かったです。

作品の世界に入り込めるという体験自体は素晴らしく、VRコンテンツとしての必要十分なクオリティレベルには達しているので、プレイの価値はある3作品だと感じました。

まだまだ大作が少ないVR領域に対して、これら既存のゲームの世界を体験できるコンテンツの提供はVRに多くのファンを誘うことは間違いないでしょう。

今後注目したいのは、VR化の結果、原作比でコンテンツのボリュームがどれくらいになっているのか、という点。そして、「世界に入れる」といういわゆるVR対応以上のVRらしい工夫やVR化における細かい調整部分、VR独自のコンテンツ追加要素などの情報を引き続き楽しみにしたいところです。


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