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話題 2022.06.24

無料配布中のAI搭載ボイチェンソフト「Voidol」 生配信などに使用できるかをレビュー

バーチャルの世界で、よく耳にする「ボイスチェンジャー(通称:ボイチェン)」。その言葉通り、ソフトを介して自身の声を加工することを指します。そんなボイチェンには、様々な種類のソフトがありますが、この度クリムゾンテクノロジー社から発売中の音声変換ソフト「Voidol」が3ヶ月限定で無料公開となりました。

本記事では、実際に触ってみたレビューをお届けします。

業界初のAI搭載リアルタイム音声変換

「Voidol」は、2019年にリリースされた、リアルタイムAI音声変換ソフトです。主にVTuberといった配信コンテンツでの運用を想定された設計になっています。

WindowsとMac双方の環境での使用が可能で、発売時にはAmazon.co.jp PCソフト ダウンロードストアにてランキングNo.1を獲得するなどヒットを記録しています。

大きな特徴である「リアチェンvoice」は、業界初のAIを用いることでリアルタイムでの変換の遅延をできるかぎり減らすことを実現。開発には、音環境情報処理を研究する、名古屋大学の戸田智基教授が協力として携わっています。

2021年10月には、追加機能「SYNTH モード」を搭載した「Voidol2」を発表。新機能「SYNTH モード」では、リアルタイムでの動作がむずかしいボーコーダー要素を超低遅延で実現することが可能です。ピッチの変化やヒソヒソ声で喋ってるかのような「WHITPER」、ロボットボイスの「ROBOT」など様々な声を演出することが可能です。

シンプルな画面構成で直感的に設定できる

まずは、ソフトのダウンロード先は以下の通りです。まだダウンロードできていない方は入手しておきましょう。

注意:無料期間は2022年9月15日(木)まで

Amazon
[windows版]
https://www.amazon.co.jp/Voidol-for-Windows/dp/B0B34BCKB2
[Mac版]
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B3474LTY
楽天ブックス
[Windows版]
https://books.rakuten.co.jp/rd/802681025/
[MacOS版]
https://books.rakuten.co.jp/rd/802681026/

起動すると以下のような画面が立ち上がります。画面の上部に、「Input channels Routing(声)を設定してください」と出る場合は、右にある歯車マークをクリック。「Application settings」という画面に切り替わるので、各種設定をしていきます。



設定画面右側のAudio Device settingsは、主に音声入力に関する設定となります。大きく見るポイントは3つあり、「Input」と「Output」、そして「Input Channels Routing」です。

InputとOutputに、マイクやヘッドフォンなどの音声機器を設定してください。さらに、設定必須になっているInput Channels Routingの声の箇所を入力する音声機器にすれば、ひとまずの設定は完了です。

「Voidol」には、変換する声質のモデルがいくつか標準されています。メイン画面のVOICE-CONVERSION MODELのタブをクリックすると、モデルの名前が表示されるので、気になるモデルを選択します。

個性豊かなボイスモデルが魅力

デフォルトで搭載されているボイスモデルは以下の通りです。

・くりむ蔵(女性1、女性2、男性1、男性2)
・音宮いろは(女性1、女性1【高めの声】、女性2【高めの声】、男性1、男性2)
・ヨネちゃん(女性1、男性1)
・奏ミナト(女性1、女性1【高めの声】、女性2【高めの声】、男性1、男性2)

くりむ蔵

”音楽がある生活が大事”を伝えに、くりむ星からやってきたというキャラクターのくりむ蔵。キャラクターボイスは村椿玲子さんが努めています。キャラクターのイメージ通り、マスコット的な可愛さを感じるボイスに変換できます。

音宮いろは


遠野まゆさんがキャラクターボイスを務める、ボイスモデル「音宮いろは」。こちらは、ボカロっぽいキュートな音声に変換され、親しみを感じるユーザーも多いことでしょう。

ヨネちゃん


中国語用ボイスモデル「ヨネちゃん」は、中国語圏で歌手活動を展開する染音若蔡さんによるもの。少しロリなテイストの音声は耳障りがいい印象を受けます。

奏ミナト


唯一の男性ボイスモデル「奏ミナト」。女性がこちらのモデルに変換をすると、少し高めの中性的な声になり、男性が使用するとより低く渋めの声、いわゆるイケボになって変換されます。

上記がダウンロード時点でプリセットされているボイスモデル4種類となります。自分の好みのモデルを使って、理想の声を目指してみましょう。

実際に配信に利用できるのか、試してみた

細かい調整は、現在無料公開されているバージョンでは搭載されていないようです。基本的に音声ボイスのキャラクターに依存する設計のようですが、ノイズの項目で音声の微調整は可能です。

変換する関係上、音声にどうしてもホワイトノイズが載ってしまうため、ノイズゲートで抑える必要があります。100%にしてしまうと、自身の元音声が拾いづらく、おおよそ30%~40%がバランスの取れた掛かり具合になりました。

また、エコーのタイプが6種類ほど搭載されています。「ROOM S」「ROOM M」「HALL S」「HALL M」「HALL L」、「PLATE」とあり、反響の形が少し異なります。

「HALL」は、ライブなどで歌っているかのような雰囲気を作り出すことができ、歌枠といった配信をしたい!という方にはオススメです。

「SPACE」の値を動かすと、その掛かり具合が調整できます。100%に近づけば近づくほど、強くかかるので、個人的な使用感としては、ROOM Sを10%に設定するのがいいかと感じました。

一方で、イコライザーを触って、細かく音声を作り上げていきたいという場合は、少し機能不足を感じてしまうかもしれません。

しかし、配信活動をすぐに始めたいという方には、ピッタリとも言えそうです。ソフトの動作が重くなく、エンコードでの負荷とも両立できそうです。

リアルタイムでの変換機能が、配信に向いている点は、やはり遅延が少ないというところ。ゲーム配信や雑談配信で、ふとした瞬間にボイチェンが外れてしまうという心配は稀有になりそうです。そういった意味で、配信向きに手軽で導入しやすいツールと言えそうです。

ボイスモデルを追加も可能


(他にも豊富なモデルが用意されています)

またVoidolシリーズでは、ボイスモデルを購入しての追加も可能です。現在ラインナップは29種類と豊富で、アイドルとのコラボモデルやアニメ作品とのコラボなどがあり、様々なモデルを試してみるのもいいでしょう。

無料期間は3ヶ月! Amazonと楽天ブックスにで入手可能

ソフトの無料期間は、2022年9月15日(木)まで。6月15日(水)の無料期間開始時点では人気のあまりサーバーダウンするほどでしたが、現在は、正常にダウンロードが可能です。

これを機に、ボイチェンに興味があるという方はぜひ自分の理想の音声を追求してみませんか?

「Voidol」動作環境

対応OS: Windows10 64bit以上、macOS High Sierra 以上
CPU: Intel / AMD Dual Core以上のプロセッサ(Intel Core i5 2.5GHz以上推奨)
メモリ: 4GB以上
解像度:WXGA+(1440×900)以上
公式サイト:https://crimsontech.jp/apps/voidol/


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