英ウェーマスを拠点とするモデル事務所「The Diigitals」は、ファッションブランドのバルマン(Balman)やスポーツウェアブランドのエレッセ(Ellesse)など世界的なタイアップキャンペーンを行うモデル事務所——バーチャルモデル事務所です。
ファッション業界で活躍するバーチャルモデル
The Diigitalsは、30歳のファッションフォトグラファーであるキャメロン・ジェームズ・ウィルソン氏が立ち上げた事務所です。ウィルソン氏は、始めは3Dモデリングのスキルを学びたかったことがきっかけだったとコメントしています。その後、バービー人形の「Princess of South Africa」などをモデルとしたバーチャルモデルShudu(シュードゥ)が誕生しました。The Diigitalsには、Shuduの他にも、バルマンのモデルとなる2人組「Margot & Zhi」や、男性モデルの「KOFFI」などバーチャルモデル7名が所属しています。
(ShuduのInstagramより)
ウィルソン氏は、Shuduがインタビューや動画といった活躍の幅を広めるべく、デジタルコンテンツクリエイターと共同でプロジェクトを始動しているとのこと。
拡大し続けるバーチャルモデル市場
バーチャルモデルやバーチャルインフルエンサーは、SNSを通じて、社会に影響を与える存在として認識し始められています。LAを拠点とするBrud社が手掛けるバーチャルインフルエンサー「リル・ミケーラ」は、フォロワー数160万人(2019年10月4日現在)を誇り、600万ドル以上(約6億4千万円)の資金を集めました。
リル・ミケーラは、実在する服のデザインをそのままデジタル化して着用し配信するなど、数々のブランドとコラボレーションを行っています。2019年5月には、Calvin Clein(カルバン・クライン)のタイアップ企画として、人気モデルのベラ・ハディッドとリル・ミケーラの2ショット動画が配信され、世間から賛否両論の多くの注目を集めました。
Brud社を筆頭に、バーチャルモデルやバーチャルインフルエンサーの市場価値は拡大を続けています。精巧な姿かたちが話題のバーチャルインスタグラマー「リアム・ニクロ」を生み出す1sec(ワンセック)や、「バーチャル・ビーイング」(※)という概念を提唱したFable社などのスタートアップが勢いをみせています。
(※バーチャル・ビーイング:架空の存在でありつつ(利用者もそれを認識している)も、利用者と双方向の感情的なコミュニケーションが行えるキャラクターを指す用語(概念))
(参考)GQ