Velve社は、PC向けのVRヘッドマウントディスプレイHTC ViveなどのシステムSteamVRのバージョンアップに取り組んでいます。特に注目されているのが位置トラッキング用のベースステーションと呼ばれる装置です。
2017年11月から出荷予定とされている新型ベースステーションでは広範囲なプレイエリアを実現するほか、3つ以上のベースステーションの同時使用が可能になります。
10メートル四方のプレイエリアを実現
ValveのJoe Ludwig氏はSteamのコミュニティ掲示板にて、現在はOEM向けの新型ベースステーションの生産を強化している段階だと発表しています。
発売時点では最大2台までのトラッキングとなりますが、2018年初め頃には最大4台までのベースステーションで動作するようにシステムが拡張されます。4台のベースステーションを利用した場合、最大で10メートル×10メートルのトラッキングエリアをサポートするとしています。
ただし、既存のHTC Viveと新型ベースステーションとの互換性には注意が必要です。
開発中の新型HMDや新型ベースステーションでは新たな同期方式としてTS4231センサーを採用していますが、新型ベースステーションには後方互換性がありません。つまり、既存のHTC ViveとSteam VR Tracking 2.0ベースステーションの組み合わせではトラッキングが行えないということになります。一方で、従来のベースステーションと新型HMDの組み合わせでは利用可能となっています(下図)。
約半額の廉価となる可能性も
新型ベースステーションは広範囲なトラッキングエリア以外にも、「小さく、静かで、低電力かつ信頼性が高く、安価である」という特徴があります。
Valveは新型ベースステーションを2018年初め頃にはパートナー企業向け向けに出荷するとしていますが、当初は供給が制限される可能性があるとのこと。
OEM企業はValveから1台60ドル(約6,700円)で新型ベースステーションを購入し、製品の一部として再パッケージ化できるようになります。HTCは現在従来型ベースステーションを1台135ドル(約15,100円、日本では17,000円)で販売しています。この差がシステム全体の低価格化のつながることに期待できます。ただし、OEM向けのパッケージには壁に取り付けるマウント器具などは付属していません)。
なお現時点ではValveがSteam VR Tracking 2.0ベースステーションを直接消費者向けに販売するかは不明であり、OEM企業のみの販売となる可能性もあります。
(参考)
SteamVR Tracking 2.0 Will Support ~33×33 Foot Playspaces With 4 Base Stations / Road to VR(英語)
https://www.roadtovr.com/steamvr-tracking-2-0-will-support-33×33-foot-playspaces-with-4-base-stations/
Mogura VRは、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。