イギリスの映画学校National Film & Television School(NFTS)の生徒は、性同一性障害を題材にしたOculus Touch向けコンテンツ『The Circle』の制作を発表しました。
性自認に悩む女性の心象を体験
NFTSの学生は、以前にも『Into The Black』というイエローストーン国立公園を舞台にしたアドベンチャーゲームを制作するなど、VRコンテンツの制作に意欲的に取り組んできました。
『The Circle』は、Oculus Rift及びOculus Touchコントローラ向けに開発されている、性同一性障害に悩む女性の心象を描いた作品です。
先日イギリスで開催されたゲームイベントEGX 2016において発表されました。
主人公であるAlexは、周囲の心ない不理解によってPTSDを患い、車椅子での生活を余儀なくされた性同一性障害をもつ女性です。部屋に引きこもり、また彼女を連れ出そうとする親にも悩まされます。
本作は、そうしたAlexの日々と心情を追体験する作品になっています。
プレイヤーの行動によって様々に物語が展開
「以前と比べて性同一性障害をもった人々に対する過激な暴力が増加してきており、それもまたトランスフォビア(性同一性障害に対する嫌悪)の氷山の一角であると感じています」と、開発者は述べています。
本作では“トインビータイル”という、アメリカや南米で数多く見られる人知れずアスファルトに刻まれたメッセージに影響を受けたとのこと。作中にもこのトインビータイルが登場します。
デザイナーは、「主人公のAlexにとって、タイルは彼女が自身の身体から解き放たれて生きることができることを約束する、意味合いをもっているもの」と説明しています。
30~40分程度の短い体験ですが、プレイヤーの行動によって様々にシーンが展開し、違った物語を楽しむことができるもの。
『The Circle』のリリース時期は未定です。
(参考)
‘The Circle’ Is A Promising Oculus Touch Experience That Tackles Transgender Issues(英語)
http://uploadvr.com/circle-oculus-touch-experience-tackles-transgender-issues/