京都大学「人と社会の未来研究院」の熊谷誠慈准教授と、株式会社テラバースの古屋俊和CEOらの共同研究グループが、仏教とメタバース技術を融合させた仏教仮想世界「テラバース」の開発を開始しました。
「テラバース」は「一兆(テラ)の宇宙(バース)」という意味で、伝統知とテクノロジーを融合させ、重層的な精神世界を構築していく予定です。
現在はARやAIを用いて、現実空間上に仏教対話AI「ブッダボット」のアバターを出現させ、ブッダと直接対話できるプラットフォーム「テラ・プラットフォームARVer1.0」を開発。「ブッダボット」アバターに話しかけ、質問をすると、ブッダボット・アバターが仏教経典に基づいた回答をしてくれるそうです。2021年3月の試作機から、学習データを約5倍に増やし、最古の仏教経典「スッタニパータ」と、代表的な原始仏教経典の1つ「ダンマパダ」を部分的に機械学習させているとのこと。
今後、VR技術を用いた「テラ・プラットフォームVR」も開発を進めていく予定です。リアル寺院とアバター支院を同期させることで、参加者が現実の距離を超えてコミュニケーションが行えるように発展させていくそうです。
詳細は下記のサイトを確認ください。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2022-09-07-1
研究者のコメント・(熊谷誠慈)
コロナ禍やロシア・ウクライナ戦争などを通じ、改めて、現実世界に窮屈さを感じる人が増え、物理的制約のない仮想空間の可能性、潜在性はますます高まるものと思われます。このたび開発に着手した仏教仮想空間「テラバース」、ならびに、試作品として公表した「テラ・プラットフォームARVer1.0」は、伝統知とサイエンスを融合した新しい世界、プラットフォームです。多様化した現代社会のオプションの1つとして、人々に癒しや楽しみをお届けし、そこから新たな活力と希望が生まれ、躍動的な社会が実現することを願っています。
(参考)京都大学公式サイト