Home » ポータブルゲーム機「Steam Deck」はVRChat向けにアリなの? 実際に遊んでみた


VRChat 2023.02.23

ポータブルゲーム機「Steam Deck」はVRChat向けにアリなの? 実際に遊んでみた

Valveから発売されたポータブルゲーム機「Steam Deck」は、ゲーミングPCが必要なハイクオリティなゲームを、いつでもどこでもプレイすることができます。ソーシャルVR「VRChat」も、非VRモードで遊ぶ場合は「Steam Deck」でプレイ可能です。

しかし、プレイ可能だからといって「最適」であるかどうかは別の話。そして「VRChat」に興味が出ている人の中には、もしかすると「Steam Deckを買えばOKなの? それともQuest 2が必要なの?」と頭を悩ませている人もいるかもしれません。

そこで今回筆者は、「Steam Deck」を1台借りて「VRChat」をサクッとプレイ。VRChat向けにアリなのかどうか、検証してみることにしました。

まずはインストールから起動まで。全体的な流れはPCと同様。アプリケーションをインストール後、ログインすればOKです。

ホームワールドにログインした直後。操作は「Steam Deck」本体の各種ボタンとスティックで行います。クイックメニューは右手側のメニューボタン、トリガー操作は左右トリガーボタン、マイク切り替えはYボタン、Expressionメニューは右スティック押し込み……と、少し独自のキーコンフィグもありますが、おおむね直感的に操作できます。


遊べるモードは「デスクトップモード」となります。VRのように没入感ある体験や、アバターの自由な動きの表現はできませんが、グラフィックのクオリティは高め。きれいなワールドもしっかり映るので、ワールド鑑賞には向いていそうです。

カメラもPC上でのデスクトップモードと同じように動かせます。L1トリガーを押し続けるとで視点を動かすことができます。この状態ではR2トリガーがシャッターを押すボタンとなるため、人によってはキーボード操作よりカメラ撮影をやりやすいと感じるかもしれません。

特徴的な操作として、ジャイロ操作にも対応しています。左右のスティックに指を乗せている状態では、「Steam Deck」本体の傾きが「VRChat」での視点操作として反映されます。「Steam Deck」そのものを動かして、見たい方向を見ることができる、直感的な操作です。本体がそこそこ重いので多用は難しそうですが、カメラ操作との相性はよさそうです。

総じて、全体的な操作性やグラフィックなどは実用レベルで、デスクトップモードでサクッとログインして遊ぶ上では問題なさそうだと感じました。また、「Steam Deck」の価格は59,800円から99,800円と、一般的なゲーミングPCよりもやや安価なのがポイントです。

一方で、本体がそこそこ重いため「常に手にした状態」で遊ぶのはなかなかしんどそうです。画面サイズも「Nintendo Switch」より大きいとは言え、PC画面と比べれば小さく、「VRChat」のこまごまとしたUIを視認するのはちょっと大変です。

これから「VRChat」を始める人や、始めたての人にとっては、最終的に到達するであろうVRモードでの動作が最適化されてはいない「Steam Deck」を、「VRChat」のためだけに買うというのはそこまでおすすめできません。逆に、すでにVRモードで遊べる環境が整っている人が、とっさにデスクトップモードでアクセスしたいときの予備機として、手元に置いておくのはアリかもしれません。

「Steam Deck」そのものは、非VRゲームを手軽に、ゲーミングPC並のクオリティで遊ぶためのデバイスです。いろいろなゲームを遊ぶ人にとっては、「VRChat”も”軽く遊べる」一台として、意外なところで活用できるかもしれません。

「Steam Deck」の国内での購入先はこちらから。
https://steamdeck.komodo.jp/product/steam-deck/


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード