アーティストでありミュージシャンでもある、Will Copps氏による“空間音楽(Spatial Music)が注目を集めています。
ARでサウンドの位置や動きをコントロールする
音楽活動を15年以上行ってきたCopps氏の“空間音楽”は、音楽フェスティバルで「4D Sound System」というシステムに触れたことから始まりました。これは複数の360度スピーカーから構成されており、体験者の立ち位置によって音楽の聴こえ方が変わります。
この「4D Sound System」を体験したことが、Copps氏が空間音楽を志向する直接のきっかけになったとのこと。その後Copps氏は、2017年、アップルのARフレームワークである「ARKit」やゲームエンジン「Unity」を活用、空間音楽アルバム「Year One」をリリースしました。
「Year One」は、「4D Sound System」とは異なり、ARを活用して制作されています。360度スピーカーとの位置関係でサウンドが変わるのではなく、音楽のそれぞれの要素(ボーカル、ピアノなど)が特定の位置に固定されています。リスナーは、各要素の位置や動きなどをコントロールすることができます。
Copps氏は、こうしたARテクノロジーがリスナーと音楽アーティスト双方にとっての次のパラダイム・シフトである、と語っています。
過去千年間に渡って、我々は音楽のフォーマットについてわずかな変更しか加えてきませんでした。モノラルをステレオに、ステレオをサラウンドに。私は、ステレオから空間音楽に移行することは、音楽の次の飛躍であると考えています。
(参考)ARPost