お笑い芸人のぺこぱのツッコミ担当・松陰寺太勇さんが「最近VRにハマっている」というウワサを耳にしました。「ノリツッコまない」芸風が特徴的な人気芸人として名を馳せている方ですが、VRのどこに魅力を感じているかは気になるところ。
そこで今回は、この春よりリニューアルした「声優パーク建設計画メタバース部」の第1回生放送の収録現場へ潜入。メタバースプラットフォーム「cluster」の中継も行うという異例の体制が敷かれた生放送の現場をレポートしつつ、松陰寺太勇さんと相方のシュウペイさん、そしてMCの声優・関智一さんに、VRの魅力などについてお話を聞いてきました。
スタジオ中継と「cluster」中継を同時に!? 異例だらけの生放送の舞台裏
「声優パーク建設計画VR部」ではゲストの声優を招いてトークなどを行いつつ、メタバースプラットフォーム「cluster」に「メタバース六本木」を作成。番組放送終了後に時間限定でオープンし、関智一さんとぺこぱの二人が実際に来場して視聴者と触れ合うという、類を見ない試みを実施してきました。
(スタジオはグリーンバックとなっていて、テレビ朝日のCGシステム側で「メタバース六本木」をバーチャル合成しています)
4月3日(日)は、「声優パーク建設計画メタバース部」へのリニューアル第1回目として生放送を実施。ゲストは「ウマ娘」出演声優のMachicoさん、大和田仁美さん、前田佳織里さんの3名です。
驚くべきことに、この日はVRスタジオと同時に、「cluster」の「メタバース六本木」もリアルタイムでオープンし、リアルタイムで2つの世界をつないで中継していました。放送開始前にオープンした「メタバース六本木」には、撮影スタッフ用アカウントも複数配備しているという徹底ぶりです。
番組ではゲストによる生アフレコや、ぺこぱの二人がアバターで「メタバース六本木」に登場し、Machicoさんが生アフレコする「NEW松陰寺」とともにトリオ漫才を披露する企画も。ぺこぱの二人はMeta Quets 2を装着しながら漫才を行っていました。
番組終了後は、そのまま「メタバース六本木」上でのメタバースイベントへと移行。「メタバース六本木」の特設エリアに、出演者全員が実際にアバターとなって現れ、ゲストを中心としたトーク企画が実施されました。このメタバースイベントも、その前の本放送も、視聴者が実際に「メタバース六本木」に入って参加することができ、最終的な延べ来場者数は34,979人にも上ったとのことです。
「cluster」との中継をつないだ上での生放送という、非常に難易度の高い番組構成だったかと思われますが、生放送からメタバースイベントまでトラブルは起きず、スタジオと「メタバース六本木」の熱気が伝わる初回放送となりました。
この1年でどう変わった?関智一とぺこぱにVRの魅力といまを聞く
第1回放送終了後、MCを務める関智一さんと、ぺこぱのシュウペイさん、松陰寺太勇さんにお話を伺いました。
――「声優パーク建設計画VR部」が始まって約1年ほど経ち、今回番組名も変わりましたが、1年間番組をやってきて、VRやメタバースに対してなにかイメージは変わりしましたか?
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関智一(以下、関):
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僕はもう年齢的にゲームとかもあまりやらなくなり始めていて、最初ちょっと難しいかなと思ったんですけど、入ってみたら意外と普通にコミュニケーションできるツールだったので、自分の中で一気にハードルが下がりましたね。
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松陰寺太勇(以下、松陰寺):
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「メタバース六本木」も番組とともに作っていただいたのですが、最初番組を始めたときには、まさか1年でここまで進化するとは思っていなかったですね。僕はいま「仮想現実」って言い方じゃなくて「もう一つの現実」って言い方をするようになりました。
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シュウペイ:
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普通の世界だったら建物などの変更って時間がかかるものなのに、この世界だとどんどん変わっていくので飽きないですね。毎日違う世界に行けるんじゃないかなって。自分のアバターも作っていただいたのも楽しかったですね。周りの人も「見たよ」と言ってくれたり、参加してくれるファンの方もいっぱいいるので、「どんどん広がってるんだな、面白いな」と思っています。
――松陰寺さんは実際にVRにハマっているともお聞きしました。いつ頃から、どのようにハマったのでしょうか?
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松陰寺:
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半年くらい前に、Meta Quest 2を買ってからですね。
――本日の収録でも装着していましたが、かなり扱いが手慣れているように見えました。
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松陰寺:
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VRゲームは何種類か遊んできました。シュウペイは今回体験した時に「酔いそう」と言ってたのですが、僕は飛行機のVRゲームで無駄にGをかけまくるフライトをやったことがあって。それでめちゃくちゃ酔ったんですけど、おかげでだいぶ克服しましたね。
――普段どのような時にVRゲームをされるのですか?
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松陰寺:
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仕事で嫌なことがあった日とかに……(笑) 最近はゾンビをロケットランチャーでやっつけるのにハマってます。あと最近、新しく中世の世界を冒険していくゲームも買ったのですけど……説明が全部英語で挫折しちゃいましたね。面白そうだったんですけど、日本語対応してなかったんですよね。
――現実で嫌なことがあっても、「もう一つの現実」でそれを忘れてリフレッシュできる、というところが魅力でしょうか?
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松陰寺:
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そうですね。今までになかったですし、可能性しかないので、このウェーブに乗っとかなきゃなという気持ちもあります。たぶん、どんどん技術も発達していって、今使っているVRゴーグルももっと小さくなっていくと思いますし、いずれ出演者全員がVRゴーグルを装着して、視聴者の方も装着して、そこで一つ大きなコミュニティができて、そこで番組をやる……といった可能性もあると思います。
――関さんとシュウペイさんはまだ日常的にVRをされていないとのことですが、松陰寺さんからお二人にVRを勧めるとしたらどのように勧めますか?
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松陰寺:
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(関さん、シュウペイさんを見ながら)めちゃくちゃいいですよ! ゲームもなんですけど、映画とかも見れるんですよ。それも、バーチャルな映画館の座席で観ることができるので、めちゃくちゃ面白いです。
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関:
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そんなことできるんだ! それはいいね。
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シュウペイ:
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まぁ、プレゼントしていただけるならいいですね(笑)。
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松陰寺:
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買えなくはない……!
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関:
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どうしようね、次回楽屋に来たら(Quest 2が)置いてあったら(笑)。
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松陰寺:
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もう買う流れやんこれ!でも買えるやんふたりとも!
――VRヘッドセットはまだまだ使っている人はすごく少ないと思います。このあたりは惜しいな、こうなったらいいのにな、ということはありますか?
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松陰寺:
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日本語対応はもちろんですが、PlayStaion 4やPlayStaion 5のような鮮明さが実現できたら、いよいよ抜け出せなくなるかなって思いますね。
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シュウペイ:
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以前、このVR空間でショッピングができたと思うんですよ。あんな感じで、実際にお店の中に入って買い物ができたら、実際にそのお店に行った気分になれるのかなと思いました。すでにネットショッピングはありますけど、あれはただ商品を見るだけなので。
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関:
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自動翻訳もあったらいいですよね。そしたら海外の人とかともいっぱい喋れますし。
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松陰寺:
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最終的には全身スーツじゃないですかね?触っている感覚もフィードバックできたらおもしろそうです。
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松陰寺:
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あと、僕らはさっき漫才をVR内でやりましたけど、VR空間・メタバース空間でドラマとかも作れるんじゃないかなと思いますね。
――実際に、いまはVR空間上で演劇をやっていらっしゃる方もいますね。観客もその場で巻き込めるので、即興である役を演じてもらうというパターンもありますね。
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関:
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へー! いるんですか!
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松陰寺:
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うん、どんどんこの番組でやっていかなきゃ! 激辛わさび入り寿司のロシアンルーレットをVR空間上でやりましょうよ!
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シュウペイ:
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それは本当に(現実のわさび入り寿司を)食うってこと?
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松陰寺:
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いや、VR上で食べるだけ。リアクションだけするっていう。
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シュウペイ:
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それはなんか物足りないやつかもね(笑)。
――今後、みんなで一つのメタバース空間に入ってコミュニケーションを取っていくということはどんどん増えていくと思います。「声優パーク建設計画VR部」ではそれを先取りしてやっていたのかなと思うのですが、番組リニューアルにあたり、もっと視聴者とのコミュニケーションもこれから増えていくんじゃないかなと思います。そうした中で、今後やってみたいことはありますか?
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松陰寺:
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テレビは「見るもの」じゃなくて「参加するもの」になってくると思うんですよ。テレビを入口にして、最終的にこっちがメインなんじゃないかってぐらい盛り上がってくれたら面白いですね。あと、こちらの声も聞けたら面白くないですか?今日漫才やってても、返しの笑い声が聞こえていればもっと乗れたのかなぁと(笑)。
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シュウペイ:
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なんかスタジオの笑い声も少なかった気もしますね(笑)。
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松陰寺:
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リアルタイムで音声が返ってくるようになるともっとおもしろくなりそうですね。
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シュウペイ:
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投票システムとかってできるんですかね?「どっちが見たいですか!」というのを投票してもらって、票の多かった方をやるっていうやつ。
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松陰寺:
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実際にVR空間内で書いて、投票箱に入れるとか。いいね。
――「声優パーク建設計画メタバース部」を実際に見て「どうやったら入れるんだろう?どんな面白いことができるんだろう?」と思われる人たちが読者の方には多いはずです。番組で1年間VRに触れてきたお三方より、そうした方の背中をプッシュするようなコメントをいただければと思います!
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関:
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名前だけ聞いたり、システムの話を言葉で聞いてると難しく感じるんですけど、いざ飛び込んでみちゃうと意外と簡単というか、すごく入りやすいなあというのは実感しています。なので、まずやってみたらいいよ!!
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松陰寺:
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スマホが最初出た時とかも「ええ……画面触るのいやだ……」とか言ってた人もいると思うんです。でも、いまやそれも当たり前になっているんで。多分VRも同じような現象が起きるんじゃないかと思います。絶対当たり前になるんで! やるなら早い方がいいんで! ぜひ皆さんやってください!
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シュウペイ:
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「まずはやってみて」というのは一緒ですが、僕らがまず楽しんで、こんなことができるよっていうのをしっかり見せていければ「あ、本当に楽しそうだな」と思ってもらえると思います。なので僕たちでしっかりと見せていきたいと思いますし、ぜひ皆さんも参加してほしいです。まずは、入口に飛び込んでほしいですね!
――ありがとうございました!
「声優パーク建設計画メタバース部」番組情報
■放送チャンネル:テレビ朝日
■日時:毎週日曜10:00~(※一部地域を除く)
■MC:関智一、ぺこぱ
■番組公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/seiyuupark/
■「光と星のメタバース六本木」公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/vr_roppongi/
インタビュー:すんくぼ
執筆:浅田カズラ
撮影:須崎友次