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VR動画 2018.07.23

360度カメラ「RICOH THETA」のプラグインストアがオープン、GitHubでのソースコード公開など発表会レポ

株式会社リコーは、360度カメラ「RICOH THETA V」用のプラグインをダウンロードできる「RICOH THETA プラグインストア」をオープンしました。ストアローンチのプラグインとしてリコー製を含む8個のプラグインが公開されました。

(「RICOH THETA プラグインストア」は外部パートナーが開発したプラグインも公開されている)

(左からNTTドコモの山添 隆文氏、リコーの藤木 仁​氏と高田 将人氏、ソニーの萩原 丈博氏)

(プラグインはPC経由でののダウンロードとなる)

ソニーMESHやNTTドコモなどが独自のプラグインを開発

今回全8つのプラグインが公開されました。日本企業ではNTTドコモとソニー、そしてリコーがプラグインを開発し、2社の担当者による発表も行われました。

デバイスwebAPIプラグイン(開発:株式会社NTTドコモ、株式会社GClue)

NTTドコモが開発したのは、WebAPIを利用することでPCやスマホ、VR/MRヘッドセットでウェブブラウザから「THETA V」に接続することを可能にするプラグイン。このプラグインを使えば、遠隔でカメラの操作やカメラの加速度センサーの情報をリアルタイムで取得することなどが可能です。

(ウェブブラウザを使うことでスマホとPCさらにはヘッドマウントディスプレイからもカメラを操作することができる大きく操作性の幅が実現)

MESH plugin for Ricoh THETA(開発:ソニー株式会社)

ソニーが開発したのは同社のIoTガジェット「MESH」と「Ricoh THETA V」を連携させるプラグイン。連携できる「MESH」は1個までと制限がありますが、リモートシャッターボタンといった具合に連携することができます。また「MESH」が人感センサーで検知した時にカメラがシャッターされるといった使い方も可能です。

(「MESH」と「Ricoh THETA V」の接続はBluetoothで、3mほどの距離までなら接続できるとのこと)

EVRYPLACE Sync(開発:EVRYPLACE)

「EVRYPLACE Sync」は、不動産分野やトレーニング分野向けのアプリケーション「EVRYPLACE」と「RICOH THETA V」を連携するプラグインです。

HoloBuilder 360 SiteStream(開発:HoloBuilder, Inc.)

「HoloBuilder 360 SiteStream」は、建設現場で360度ライブストリーミングを行うために開発されたプラグインです。建設現場に設置し撮影している「RICOH THETA V」からの映像を遠隔地からモニタリングすることを可能にします。

Fita(開発:Everywoah)

「Fita」は、「RICOH THETA V」クラウドと連携して撮影したデータを保存することを可能にするプラグインです。 Google Cloud Storageに対応しているとのこと。

Wireless Live Streaming(開発:株式会社リコー)

リコーが開発した「Wireless Live Streaming」は、スマートフォンの操作でYouTubeに360度ライブストリーミングを可能にするプラグインです。これまで「RICOH THETA V」は、PC経由のみでしかライブストリミーングできませんでしたが、本プラグインによってこれまで以上に手軽にライブストリーミングができるようになります。

File Cloud Upload(開発:株式会社リコー)

「File Cloud Upload」は、「RICOH THETA V」内にある画像を、ルーター経由でGoogleフォトに自動アップロードを可能にするプラグインです。またGoogleフォトは360度コンテンツに対応しています。

Automatic Face Blur BETA(開発:株式会社リコー)

「Automatic Face Blur BETA」は、360度静止画に写った人間の顔を自動で検知し、顔にモザイクをかけるプラグインです。撮影すると自動でモザイク処理が行われます。

筆者が「Automatic Face Blur BETA」のデモを試したところ、カメラに向かって正面に立てば認識されましたが、横を向いていたりすると顔認識されないという結果になりました。また撮影からぼかし処理されるまで15秒ほど掛かりました。

Android用に一般公開されている顔認識ツールをそのまま利用しているため、正距円筒図法形式の静止画から顔認識を行うのは苦手とのこと。特に横顔や静止画の両端の部分などは苦手とするポイントです。

AndroidベースOS搭載の機種は増やしていく計画も明かす

「RICOH THETA V」はTHETAシリーズでAndroidベースのOSを搭載した唯一の機種です。そのためプラグインによる機能拡張は「RICOH THETA V」のみが可能です。すでに開発者向けSDKは公開されていますが、ストアで公開するには無料のパートナー登録を行う必要があります。

この「RICOH THETA V プラグインパートナー」は6月28日に開始されており、「登録者数は公表できないが毎日対応が必要なほど申請があり、日本以外の国からも申請は多く、特に米国からの申請が多い」とTHETA事業のセールスマーケティング担当の高田氏。すでに行なっている登録パートナーを増やす施策としては、日米で開発者向けのワークショップを開催するなどがあります。

高田氏はプラグインにより3つの拡張性(「外部デバイスとの連携」「クラウドとの連携」「カメラ操作の拡張」)が実現されると話しました。

また、リコーは自社で提供するプラグインのロードマップも発表されました、2017年10月から12月にはAmazon echoなどのスマートデバイスと連携可能にするプラグインをリリース予定であるとのこと。

ストアローンチ時の現在は無償ダウンロードのプラグインのみですが、今後は有償でのプラグイン販売にも対応していくとのことです。

今回リコーが発表した3つのプラグインのソースコードは、Githubにて公開予定であることも発表されました。さらに今後もAndroidベースOS搭載の機種を増やしていく計画があることを明かし、今後のTHETAの新機種ではAndroidベースOS搭載した機種とそうでない普及版の機種の2ラインナップ展開の可能性についても触れるなど、今後の展開も期待できそうです。


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