ナイアンティックによる人気スマホゲーム「ポケモンGO」。このゲームは現実にバーチャルな映像を重ねるAR技術を活用してはいますが、“本当の”ARゲームと言えるかどうかは疑問があります。
なぜなら、ポケモンたちは目の前の世界にただ重なって投影されるだけで、現実では通れないはずの机やイスが置かれている場所でも、そこに立ったり、通り抜けたりしているからです。つまりポケモンたちは現実の世界を認識していないのです。
この課題を解決し、ポケモンたちが実際の世界を自然に駆け回るデモ映像が公開されました。
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物陰に隠れ、人をよけて動くポケモンたち
ナイアンティックは6月28日、ロンドンのテクノロジー企業Matrix Millを買収しました。Matrix Millは機械学習とニューラルネットワークを使い、「ポケモンGO」の抱える問題点の解決を試みています。
公開されたデモ映像では、ポケモンたちが人々や物の合間をぬって駆け回ります。ポケモンはきちんと物や人を避けて動いており、物の後ろや人の背後では姿が見えなくなるなど、現実の世界を反映したARとして映っています。
ナイアンティックの開発者は次のようにブログ記事に記しています。「Matrix Millの技術によって、ゲームの可能性が広がります。つまり物や人に遮られるという状態を考慮して、より人間の目で見るのに近い見え方になるのです。これによって、我々が真正面から取り組んでいる、より自然なAR体験の実現が可能になります」
スマートフォンのカメラで実現できるのか?
もちろんハイクオリティなカメラや最先端の機器を揃えれば、このような自然な見え方は可能になります。しかし「ポケモンGO」のプレイヤーが使っているようなスマートフォンのカメラでは困難です。Google Pixel 2や最新のiPhoneシリーズといったハイエンドのデバイスでも、現在はまだ難しいでしょう。
この機能がリリースされる時期などはまだ不明ですが、ナイアンティックは次回作として「ハリー・ポッター」をテーマにしたARゲーム「Harry Potter : Wizards Unite」も予定しており、そちらでも似たような機能を見ることができるかもしれません。
(参考)UploadVR