5月21日に発売された、フェイスブックのPC向けVRヘッドセット「Oculus Rift S(以下Rift S)」の音響システムに、多くの苦情が寄せられる事態となっています。今回問題となったのは、Rift Sから実装された内蔵型のスピーカーです。
Rift SはVRヘッドセットOculus Riftの後継モデル。解像度やセンサー類の改善など、様々な改良が行われています。旧Riftには一体型のヘッドフォンが搭載されていましたが、Rift Sでは上述の通り内蔵型に。着脱の手間の省略など、利便性を追求したものと推測されます。
音質と音量に問題
米メディアUploadVRによれば、Rift Sの内蔵型スピーカーに対して複数の苦情が寄せられており、代表的な苦情は「音質」と「ボリューム問題(音量が上がらない)」であるとのこと。
苦情の一例:UploadVRより引用
音質が下がるというのは予測していた、でもここまで落ちるとは予想していなかった。(Rift S)のスピーカーは正直、自分が今まで使った中でも一番酷い品質のスピーカーだよ。元のRiftには、あれだけ良いスピーカー(ヘッドフォン)が実装されていたから尚更悲しいね。外部ヘッドフォンがオプションとして使えて良かったよ。
フェイスブックも問題を認識
フェイスブックは既に今回の音響システム関連の苦情を認識しており、同社のVR部門を統括するNate Mitchel氏がコメントを発表しています。同氏によると、現在フェイスブック内ではサウンド改善のための作業が開始されているとのこと。
Mitchel氏は、音質改善はソフトウェア更新の形で行われると説明。また更新は、Rift S本体のアップデートに含まれる予定と解説しました。
Rift Sについて
Oculus Rift Sは、2016年3月に発売されたOculus Riftの改良型モデルです。外部センサーを廃した「インサイドアウト方式」を採用するなど、過去に“使いやすさ”の面で課題とされていた個所を解決しています。価格は49,800円です。
Rift Sでは解像度の改善やレンズの刷新などの光学系の改良、外部センサー不要のトラッキングシステム「Oculus Insight」の採用、装着感の向上などが変更点となります。
(参考)UploadVR