2019年10月2日、フェイスブックの一体型VRヘッドセットOculus Quest(オキュラス クエスト)(以下Quest)を対象とした、新ソフトウェアアップデートが配信されました。
今回のアップデートでは、以前予告された3DoF(※)モードや「パススルー+」が実装され、多数のOculus Go向けアプリがQuestに対応しました。
(※3DoF:デバイスの向きだけを認識するトラッキング)
暗闇での使用が可能に
Questへの3DoFモードの予告は、2019年5月にOculusのCTOジョン・カーマック氏が予告していました。同VRヘッドセットは、本体前面に搭載された4つのカメラを使って空間を認識し、6DoFのトラッキングを実現しています。しかし部屋が暗い状態ではカメラが機能しないため、部屋を明るくするよう警告が出るようになっていました。3DoFモードはこれを解決し、暗い部屋でも、3DoFであれば使用できるようにするものです。
3DoFモードの実装により、QuestにはOculus Goとほぼ同等(※1)の動作モードが導入されたことになります。米メディアUploadVRによれば、光源が無い状態でハンドコントローラーが6DoFトラッキングを維持できるかは未確認(※2)とのこと。
(※1:Oculus Goのトラッキングは、3DoFまでに限定されている)
(※2:Questのハンドコントローラーは、本体とは異なり、赤外線ライトでトラッキングを行っている)
ヘッドセット越しの視界がより鮮明化
今回Questに実装された「パススルー+」は、Questに現在実装されている「パススルー」のアップグレード版です。前バージョンと比較して、映像が更にクリアになります。Questの「パススルー」は、カメラ越しに周囲の環境を見ることができる機能ですが、主に安全のためにプレイエリアを設定するための機能で、映像はかなり歪みがあるものでした。
「パススルー+」は、PC向けハイエンドVRヘッドセットOculus Rift S(Rift S)に先行実装されていました。
フェイスブックは、今回Questに「パススルー+」を実装できた理由を「ハイパフォーマンスのイメージ処理(技術)と3D計算(技術)が発展したため」と説明しています。
なお、今回のアップデートでは、現在Rift Sに実装されている「パススルー+」のオンデマンド起動システム(プレイ中にOculusボタンを2回押すことで周囲の環境とVRを切り替える機能)はQuestに導入されません。UploadVRによれば、同機能のQuestへの実装は、2019年末になるとのこと。
66種類のOculus Goアプリが対応
フェイスブックの予告通り、今回のアップデートによって計66種類のOculus GoアプリがQuestに対応しました。対応アプリには、Goで体験するおすすめアプリであるホラーコンテンツ「Sisters」やVR漫画「Sphere Toon」なども含まれます。Go版とQuest版が存在する同名のタイトルに関しては、Go版を所持しているユーザーはQuest版を無料で購入し、アップグレードすることが可能です。
Questに対応した66種類のOculus Goアプリの詳細は、こちらから確認できます。
(参考)UploadVR