7月23日、Oculus Quest(オキュラス クエスト)やOculus Rift Sの次期アップデート内容が公開されました。Oculus Questでアプリ「Oculus Venues」が利用可能になるほか、ハンドコントローラーのトラッキング性能向上など、複数のアップグレードが導入されます。
コントローラーのトラッキング向上。画面トラブルも「解決の目途が立った」
今回のアップデートでは、Oculus QuestとOculus Rift Sのハンドコントローラーのトラッキング性能が向上します。トラッキングのアルゴリズムが改善され、“コントローラーをヘッドセットの目の前や、従来ならばトラッキングの範囲外に近い位置(ヘッドセット側面など)に動かした場合でも、問題なく追従する”するとのこと。
また、アップデートに伴い、Oculus Rift Sの外部確認機能である「パススルー+(Passthrough+)」が、Oculus Dashの使用時に時間の制約なく使用可能となります。この機能は、Oculus Rift S側の設定メニューから設定可能です。
また、一部のOculus Rift Sユーザーから報告されている「ディスプレイのブラックアウトや点滅」について、点滅については解決の目途が立ったとOculusは説明。今回のアップデートに改善が盛り込まれる予定です。
Oculus QuestにVRライブ中継「Oculus Venues」が登場
「Oculus Venues」は、VR中継を同時体験できるプラットフォームです。大人数の他のユーザーと同時に・同じVR空間に入り、ライブ中継を視聴できます。例えばフットボールのVRライブ中継に参加した場合、会場にいる他のユーザーと会話しながらゲームを観戦できます。
これまで「Oculus Venues」はOculus GoやGear VRなどのVRヘッドセットに対応していましたが、Oculus Quest版のOculus Venuesは6DoFのトラッキング(※)が可能となっています。応援するチームに身体を動かして声援を送ったり、友達と一緒に踊ったりする等、新しい楽しみ方が広がるでしょう。
(※6DoF……デバイスの向きと位置情報の両方を認識するトラッキング。VR内で自由に歩いたりしゃがんだりできる。3DoFは見回すことだけが可能)
「Oculus Venues」は複数人数で参加するモードだけではなく、1人用モードも備えています。見知らぬユーザーと接する機会が増えることから、会話をミュートしたり、特定のユーザーをブロックしたりする機能も存在するなど、安全面も考えられています。
Oculus Venuesの上映プログラムは、現地時間の7月24日にニューヨークのヤンキースタジアムで行われたリヴァプールFC対スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガルのサッカーの試合など、様々な番組が予定されています。
ガーディアン機能が性能向上、より便利に
Oculus Questの「ガーディアン」機能(※)がアップデートされます。異なる場所に存在する、複数のプレイスペースを認識する機能が強化され、1つの部屋の中に複数のプレイスペースを設定することも可能になるとのこと。さらにガーディアン設定時に行う床の高さ認識も、ヘッドセットを再起動する必要なく再設定できるようになります。
(※ガーディアン……OculusのVRヘッドセットを使用する際、部屋の壁や机などにぶつからないようプレイスペースを指定、スペースの外に出そうになると視覚的に警告を出すことで安全を守るシステム)
Oculus Homeにも新機能
2019年5月に実装された「Oculus Home」の新機能Gatewayが、今回のアップデートによって拡張されます。Gatewayは、利用者のHome内に設置し、異なるテーマの部屋との接続やパブリック空間との接続を可能にするシステムです。
Oculusによれば、アップデートによって、ユーザーはGatewayから所有するVRコンテンツに直接アクセスが可能となり、友人のHomeにも、より簡単に訪れることができるようになるとのこと。
今回実装が予定されている各種アップデートの全文は、Oculusの公式ブログ(英語)から読むことができます。
(参考)Oculus 公式ブログ