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スマホVR 2015.10.20

ニューヨークタイムズ、購読者にGoogle Cardboardを100万台以上送付し、VRジャーナリズムに本格参入

アメリカで第3位の発行部数を誇る新聞、ニューヨーク・タイムズは、Googleと提携し、VRに参入することを明らかにしました。

ニューヨーク・タイムズ紙は、毎週日曜に発行している日曜版ニューヨーク・タイムズ・マガジンの11月7-8日号ととともに、Googleが提供する段ボール製のスマホ向けVRデバイスCardboardを、同紙を購読している100万世帯以上に送付します。VRコンテンツは合わせて配信される「NTY VR」アプリを使って体験することが可能です。オンライン購読者には、Cardboardが送付されるプロモコードが発行されるとのこと。

送付される日曜版ニューヨーク・タイムズ・マガジンには、Cardboardの組み立て方やアプリのダウンロード方法等がわかりやすく記載されます。

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「NTY VR」アプリは、最初は「The Displaced」という名前のコンテンツが視聴可能になるとのこと。戦争や迫害を受けて家を失った世界で3000万人はいると言われている子どもたちをテーマに、南スーダン、東ウクライナ、シリアといった過酷な状況の地帯の3人の子供たちの生活を消化します。このコンテンツはクリス・ミルク氏が率いる360度ドキュメンタリー制作集団VRSEが制作したものになります。アプリそのものは、VRコンテンツ制作チームIM360とコラボして制作されています。iOS版、Android版がそれぞれ11月5日に配信を開始します。

関連記事:VRで究極の感情移入を実現するには?ダボス会議でも実演した映像作家、クリス・ミルク氏が語る

ニューヨーク・タイムズ・マガジンの編集長ジェイク・シルバーシュタイン氏は、「VRには、視聴者を人々や状況に共感させる独特な力を持っています。遠い国の出来事や紛争のレポートでは、遠く離れた足を運ぶことができない地帯の情報を読者に届けなければなりません。没入感の高い映像体験では、読者を今まさに起きている最も重要な状況のど真ん中に連れていくことができるのです」と述べています。

VRによって、危機的な状況をより現実的な問題として捉えることが可能となるでしょう。

ニューヨーク・タイムズは制作会社のVRSEとこれまでもニューヨークの市内の様子を収めたVRドキュメンタリー作品『Walking in New York』というコンテンツを制作しています。VRSEのサイトやGear VR、スマホアプリ(iOSAndroid)から体験可能です。

「NTY VR」アプリで配信されるコンテンツは、今後12月に第2弾を公開したいとしています。

日本国内でも、ハコスコなどのVRデバイスが雑誌の付録として付属する取組は何例かありましたが、今回のニューヨーク・タイムズは、定期購読者100万人以上に向けての大掛かりな配布となります。
VRを使ったドキュメンタリーは、既に色々な方面で取組が進んでいます。大手新聞社の参入により、さらに取組が加速しそうですね。

<参考>
ニューヨーク・タイムズ プレス・リリース / The New York Times Launches NYT VR; Delivers Over One Million Google Cardboard Viewers
http://www.businesswire.com/news/home/20151020005620/en/

UploadVR / New York Times partners with Google to ship over 1 million Cardboards for NYT VR app launch [Exclusive Interview]
http://uploadvr.com/new-york-times-vr-one-million-google-cardboard/

※アメリカのVR専門メディアRoad to VR、UploadVRはMogura VRとのパートナーシップを結んでいます。


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