PCグラフィックボードメーカーNVIDIAは、ノートPCなどで使用できる同社のグラフィックボードを増強できる外付けボックス「external GPU(eGPU)」を発表しました。本ボックスを用いることで、「TITAN X」や「Quadro」といったVR対応となる上位モデルのグラフィックボードをノートPCで利用できます。
同社が展開しているPascal世代のグラフィックボードは既に、GTX1080、1070、1060の3モデルが発売されていますが、TITAN Xは最上位モデルの位置付けになります。VR体験を行うにあたってスペックを満たしているGPUです。またNVIDIAは、TITAN Xをこれまでよりも高速にする、新しいパフォーマンスドライバーもリリースする予定です。
eGPUは、Bizon、One Stop Systems/Magma、Sonnetなどを通じて販売される予定とのことです。価格は現在のところ未定となっています。
Z CAMを用いた360度の3Dライブストリーミングをサポート
またNVIDIAは、「VRWorks 360 Video SDK」を8月7日よりリリースします。VRWorks SDKを利用すると、360度ライブ映像配信の3Dスティッチングをリアルタイムで行えるようになります。
カメラシステム「Z CAM」の新製品V1 Proは、VRWorks SDKを全面的に統合した最初のプロフェッショナル360度VRカメラです。またZ CAM社は、WonderStitchおよびWonderLiveスティッチングアプリケーションにVRWorks 360 Video SDKを統合する最初の企業とのことです。
VRWorks360の動画スティッチング機能を備えたWonderLive、WonderStitchは、こちらのページからダウンロードできます。
VRWorks 360 Video SDKを利用すると、開発者は360度動画のキャプチャー、スティッチング、ストリーミングを行えます。これは、撮影後の作業であるポストプロダクションにおける360度の2Dと3D両方のワークフローをサポートしています。
VRWorksは次の機能を備えています。
・4Kカメラからのリアルタイムおよびオフラインのスティッチング
・GPUアクセラレーションによる動画のデコード、調整、スティッチング、エンコード
・キューブマップとパノラマに対する360度映像の投影
・低遅延の動画取り込みのためのGPUDirect for Video のサポート
・最大32個の動画ストリームのサポート
なお、7月30日から8月3日にロサンゼルスで開催される「SIGGRAPH 2017」NVIDIAブースにて、Z-CAM V1 PROとグラフィックカード「P6000」を使用しての360度ライブ配信のデモが行われたとのことです。
VRWorks 360 SDKは、こちらのページからダウンロードできます。
(参考)
NVIDIA 公式(英語)
http://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-external-gpus-bring-new-creative-power-to-millions-of-artists-and-designers
https://blogs.nvidia.com/blog/2017/07/31/vrworks-360-video-sdk-siggraph/