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開発管理用-共通ニュース(Live用) 2019.04.14

「Nintendo Labo: VR Kit」開封・組み立てレポート、“作る過程”も楽しめる任天堂のVR

2019年4月12日、任天堂株式会社から「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」でVRゲームを遊べるNintendo Labo Toy-Con 04:VR Kitが発売されました。

Mogura VR News / MoguLive編集部では、VR Kitを発売当日に入手。パッケージ開封から各種Toy-Conの作成、そしてゲームが遊べるようになるまでの様子をレポートします。

https://www.youtube.com/watch?v=xSGhGDUD6B0

さっそく開封、細かいパーツは管理に注意

まずは届いたパッケージを開封し、ゲームソフト(ゲームカード)を取り出します。「はじめかた」に記載されている通り、Nintendo Switch本体にこれを装着し起動すれば「音が出て映像で分かる説明書+ゲーム本体」となるわけです。


(パッケージをまず開け、「VR Kit」用ゲームソフトのケースを取り出すとこんな感じ。ちなみに筆者は今回の「VR Kit」がNintendo Laboシリーズ初体験だ)

さて、続いて姿を現したのが四角い箱とビニール袋。四角い箱の中にはVR体験用のレンズが入っています。一方のニール袋には「ハトメパーツ」、「スポンジ」や「キラキラ」などの数種類のシールや輪ゴムと言ったパーツが入っています。これらはToy-Conを作成するに当たって必要になるので、紛失しないように注意しましょう。

そして、残りがToy-Con作成に当たって必要となる段ボール数枚。これらのパーツや段ボールを組み合わせ、Toy-Conを組み上げていきます。


(左が輪ゴムやハトメなどの入った袋、右がVR体験用のレンズ。細かいパーツはなくさないよう、きちんと管理するか別途仕分けできるケースに移すことをオススメしたい)

Joy-ConケースやVRゴーグルパーツを作成

大体の同梱物を確認し終えたところでゲーム側を起動。まずは本番前の練習ということで、Joy-Conを入れるケースを作ることに。ゲーム本体を起動すると流れる解説動画に沿って、段ボールをくり抜き、折ってJoy-Conケースを作っていきます。


(パッケージの一番上に入っていた段ボールシートがJoy-Conケースになる。右下に人が座っているように見えるのは気のせい)


(ゲーム側の基本操作を解説するメッセージはノリノリ。子供心がくすぐられる)

ちなみに動画はAボタンを押し続けることで通常再生、ZRボタンを組み合わせると早送り再生、Yボタンを押し続けると巻き戻しに対応しています。携帯モードの場合はタッチ操作でも代用できます。再生や巻き戻しはプレイヤーが対応するボタンを押さない限りは進まない仕組みなので、自分なりのペースで進められるのがポイント。最初なので急がず焦らず、ゆっくり作っていきましょう。

必要なパーツはごく僅かなので、あっという間にケースが完成。基本を学んだ後はいよいよ本番、「VRゴーグル」作成に入ります。

「VRゴーグル」は、他のToy-Conを作成し、関連するゲームをプレイするに当たってなくてはならない必須品です。これを作成しないかぎり他の「トリ」や「カメラ」「バズーカ」などの作成には進めないようになっていますし、ゲーム側の方でも対応すメニューアイコンがロックされたままで開けない仕組みになっています。

ということで、ゲーム側の解説動画に従い、対応する段ボールのシートから関連パーツをくり抜いて「VRレンズ」を作ります。さすがにJoy-Conケースと違い、本番だけあって部品は多め。折り線も多いので、慎重に折っていきます。


(ゲーム側でも解説されるが、細長い部分は両手で折るのがオススメ)

作成に応じて、レンズの箱も解禁。こちらのパーツを使って組み立てていきます。

言うまでもなく、このレンズで太陽を見たり、直射日光の当たる場所に放置すると大変危険です。ゲーム側でも解説されますが、扱いと置き場所には細心の注意を払いましょう。

レンズをはめ込む本体はほぼ折り終わったので、ここからレンズ本体の装着に入ります。装着に当たっては先ほどの「ハトメパーツ」も使うことになります。

ハトメパーツはかなり頑丈なので、間違った場所に取り付けた時は大変です。誤って取り付けてしまった場合は十円玉を隙間に差し込み、てこの原理を使って押して取り外す形になります。段ボール側に傷がつく危険もありますので、取り外しの際は慎重に。

レンズ部分が大体完成したので、続いて「本体スロットパーツ」を作成します。

スイッチ本体を挿入するパーツがこちら。

ここで滑り止めとして、「スポンジシール」を用いることになります。貼るのは全八ヶ所。表だけでなく、裏側にはみ出た部分を固定するように貼ることも求められます。

スロットパーツを作成した後は「鼻パーツ」。レンズ本体と本体スロットパーツを固定するものです。パーツとしては小さいですが、レンズの固定を強固にする関係で「キラキラシール」こと赤いシールを1枚使うことになります。

作成した後はレンズの鼻部分に装着し、後から本体スロットも。そのまま、開いている部分を被せるように固定していき、レンズに貼られたシールを剥がせば……

「VRゴーグル」がひとまず完成。しかしこれでまだ終わりではなく、追加パーツ「安全キャップ」の作成があります。これはVR体験中にJoy-Conを外したSwitchが滑り落ちないようにするものです。

これを作り、スイッチ本体をスロットパーツに入れれば終了。

これでNintendo Switchを使ったVRが楽しめるようになります。本体側で「VRモード」に設定を変更すると、スイッチ側の画面が二分割された状態に。そこからゴーグルで覗くと、VRが楽しめるようになります。

VRのビジュアルに関しては、率直に言って解像度は低めです。しかしながら、フレームレートは非常に良好。あまり違和感を感じることなく様々な角度からVR空間を眺め、目前に移るキャラクターを動かす遊びができます。ゴーグル単体で遊べるゲーム、デモンストレーションも幾つか用意されているほか、VRの基礎に関する解説も揃っていて、入門編としてこの上ない、という印象でした。

しかし、ゴーグルで楽しめるコンテンツはごく一部。ここから他のToy-Conを作り上げることで、遊べるゲームなどが増えていきます。

カメラを作ってみる:段ボールを巻きながらレンズも作る

ゴーグル完成と共に作れるようになったToy-Conは5種類。この中から筆者は「カメラ」と「バズーカ」を選んで作成しました。


(左は実際のカメラレンズ。この部分にJoy-Conを装着してカメラ風の遊び方ができる)

「カメラ」はレンズ、ボディの順でパーツを作成。ボディにはシャッターに当たるグリップ部分をはめ込む関係で、それを作り、必要な部分を細かく折るなど、複雑な手順を踏む形となりました。レンズも六角形を作った後、その上に段ボールを巻き、その際に隙間に出っ張った部分を差し込むなど、細心の注意を払わなければならない場面が幾つかありました。

完成までに費やした時間は60分ほど(慣れれば30分ほどで仕上げられるようです)。
ちなみに今回のToy-Conの中では、作成に要する時間が最も短いのがこのカメラとなります。ゴーグルを完成させた後、何か一つでもいいのでToy-Conを作ってみたいのでしたら、こちらをお薦めします。

「バズーカ」作成という長き戦い

作成所要時間が短いのがカメラなら、一番作るのに手間がかかるのはどのToy-Conなのか。それは……

何を隠そうこの「バズーカ」です。推定所要時間、ビックリ仰天の2~3時間。

……でありながら何故、「バズーカ」を選んだのか。単に長いと短いの差を調べたかったからではありません。筆者が数あるToy-Conの中で最も関心を抱いてたのが「バズーカ」だったからです。

26年前の1993年、任天堂はスーパーファミコンで一つの周辺機器を発売しました。その名は「スーパースコープ」。バズーカ型のコントローラで、日本ではその形状の大きさもあって普及は進みませんでしたが、北米では好評を博し、日本未発売の専用タイトルも数多く発売されました。また、対戦アクションゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズにおいては、アイテムの一つとしての登場も果たしています。

そんな「スーパースコープ」の流れを汲むような、任天堂製バズーカの復活に勝手ながら心震え、作成対象として選びました。結果、ものすごい時間を要することになって、Nintendo Laboのハードモードをあらゆる面で味わう形になりました。

大きさもさることながら、内側に組み込まなければならないパーツが複数あり、それを一つずつ作ることになるので、どうしても時間がかかってしまいます。解説動画を早送り再生で確認しながら進めても、パーツごとの折れ線の多さに「ハトメパーツ」、複数のシール、輪ゴムまで使う関係で複雑な手順を踏むことになるので、短縮することも適わず。

休憩を挟まずにパーツから砲身、弾丸、ハンドル部分を順序に沿って作って組み合わせ、完成する頃には3時間が過ぎていました。

しかしながら、始めは段ボールの部品でしかなかったものが形になっていく過程はワクワクするものがあり、仕上げ終えた後の達成感と嬉しさは格別。プラモデルにハマった人ほど、休憩する時間すら惜しむ勢いで没頭してしまうでしょう。

いずれのToy-Conを仕上げた後に遊べるようになるVRゲームも、映像体験と並行してユニークな操作で楽しませてくれるコンテンツが揃っています。こちらのToy-Con完成後に遊べるゲームの簡単な紹介、レビューは別記事にて取り上げたいと思います。

任天堂ならではのアプローチが光る、VR機器という名の”おもちゃ”

VRの詳細、実際に映像をチェックしてみてのインプレッション以上に、Toy-Conを作成する時の方が強烈な印象を残し、内容もそれが大半を占めました。「自分でVR機器を作って、遊びの幅を広げていく」という楽しさは唯一無二。それぞれのToy-Con特有の操作で遊ぶ各種VRコンテンツも、任天堂ならではのアプローチがキラリと光る仕上がりです。

今後、Nintendo Switchを象徴する傑作である「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」、「スーパーマリオオデッセイ」への対応が発表されているほか、「TOKYO SANDBOX 2019」でも将来的な対応が検討されている出展作品があるなど、将来的な広がりにも期待させられる本商品。今後、Nintendo Switchでよりユニークな体験を味わいたいのであれば必携のアイテムです。VRゴーグルがあるだけでも、これから対応するタイトルを追っていけると思われますので、それだけでもという場合は「ちょびっと版」でぜひ。