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にじさんじ 2020.02.12

「にじさんじの日」世界リレーから見えた海外ライバーたちの魅力とは?

2019年より記念日として制定された2月3日「にじさんじの日」。2回目の今年は各国の「にじさんじプロジェクト」グループから代表者が集合し、2日間ゲームを楽しむ「にじさんじ世界リレー配信」が実施された。参加したのは、日本、インドネシア、インド、韓国、中国のグループだ。

今回は海外ライバーそれぞれを紹介しつつ、当日の様子を振り返ってみたい。

企画紹介

「にじさんじ世界リレー配信」はMinecraftをプレイしつつ、とある“ゲーム”を進行することに。そのゲームとは「NIJISANJI」という形のダンジョンを舞台に、各国の代表ライバーがミッションをこなすというもの。

1日目の企画は「隠されし宝物」。多数のライバーによる共同作業であり、NIJISANJIの2文字ずつが各国ライバーグループに割り振られた。メンバーはアイテムを受け取り、ダンジョンに突入。ダンジョンの中に宝物のアイテムを隠したりトラップを設置したりしつつ、時間内に脱出できればクリアとなる。

2日目の企画は「宝物の在り処を求めて」。ライバーそれぞれがダンジョンをランダムに割り振られ、1日目に隠されたアイテムの収拾を目指す。クリア後は手持ちのアイテムと同じ色のエリアのライバーが合流し、アナグラム(文字を入れ替えた暗号)を解読できればゴールだ。

ただしアナグラムが解読できなければ、ダンジョンごと爆破。いわゆる“爆発オチなんてサイテー!”というペナルティ付きとなっている。果たして結果はどうなったのか、各国のライバーの様子を見ていこう。

各国のライバー紹介&「隠されし宝物」レポート

にじさんじ(日本)

1日目のにじさんじ(以下「日本組」)からは黛灰、黒井しば、桜凛月、健屋花那、ベルモンド・バンデラスが参加。日本組が担当した文字は「NI」。アスレチックな要素が多く、shiftキーを利用した精緻な行動が求められるダンジョンだ。この厳しいゲーム条件の中、マインクラフトに慣れ親しんでいる黒井しばやベルモンド・バンデラスはスイスイと突破していた。(意外にもベテランのはずの桜凛月が苦戦するという珍しい場面も見られた)

自己紹介から注目されたのは健屋花那である。中国のライバーから自己紹介の言い方を教えてもらったそうで、流暢な中国語を披露して見せた。彼女自身、英語を多少理解でき、以前よりインドネシアのライバーたちともコラボ配信も経験がある。さらに黛灰も1日目にはダンジョン内の英語の看板の翻訳を行っていた。

結果的にダンジョンアスレチックは時間切れとなってしまったが、リレー内容としては好調だったといえるだろう。

NIJISANJI KR(韓国)

https://www.youtube.com/watch?v=TlcFpDM3kTw

1日目のNIJISANJI KR(以下「韓国組」)は各自の視点より配信スタート。ダンジョンは「SA」


参加したのは左から유루리 / Ruri Yu(ユ・ルリ)、민수하 / Suha Min(ミン・スゥーハ)、모아린 / Moarin(モ・アリン)の3名だ。

민수하 / Suha Min(ミン・スゥーハ)

20歳の青年ライバーで、「イケボ」と賞される。韓国組は配信デビューが1月25日とまだ短いが、自己紹介で「週5~6回は配信したい」と述べており、約1週間で「APEX LEGENDS」「LEAGUE of LEGENDS」などのプレイ配信をしている。

유루리 / Ruri Yu(ユ・ルリ)

赤色のメッシュを入れている女の子。溌剌とした見た目で、韓国組4人(Suha、위피/Wiffy/ウィフィ、신유아/Yuya Shin/シン ユヤ)との同期コラボマインクラフトではキュートな笑い声を聞くことができる。一方でSEKIROプレイ配信では華麗なヒットアンドアウェイを繰り出しており、ゲームの力量がうかがえる。

모아린 / Moarin(モ・アリン)

Vtuberユニット「541 E&C」から移籍したライバー。541 E&Cは2018年11月から活動していたユニットで、日本組で言えばSEEDs2期生の少し後からということになる(NIJISANJI KR始動に際して解散)。極めて日本語に達者で、Suhaに容赦無いツッコミを入れていた。2019年12月25日の配信は必見(ほぼ日本語である)。また、にじさんじ/NIJISANJIライバーのドット絵を製作していることでも知られている。

韓国組はトリック要素の強いダンジョンに苦戦。入り口のドアが並んだ迷路から続く回廊につまづき、タイムオーバーに。マグマに落ちた際、Ruriは絶叫。Suhaは”Crispy Suha”とふたりに笑われるなど、終始和気あいあいとしていた。

VirtuaReal project (中国)

中国のにじさんじプロジェクトはBilibili動画と共同して「VirtuaReal project」として運営されている。2~4人ごとにデビューし、現在6期生まで所属。配信はBilibili動画で実施された。担当したダンジョンは5文字目の「JI」である。


左から 有加/Plus(プラス)、阿萨/Aza(アザ)、弥希/Miki(ミキ)、星弥/Hoshimi(ホシミ)、艾因/Eine(アイネ)。2日目には七海/Nanami(ナナミ)が参加。

艾因/Eine(アイネ)

VirtuaReal projectの1期生で、2019年5月より活動をしている。魔道の名門出身の19歳。歌とマインクラフトが好きで、歌枠では「シャルル」や「おとなの掟」などの日本語曲をハスキーボイスで歌い通す。日本語はかなり達者で、2期生の一果/Ichigoとともに樋口楓とMinecraftでコラボをしたこともある。さらに、樋口楓とのコラボ楽曲緑仙とのコラボ楽曲も投稿している。

七海/Nanami(ナナミ)

サメのパーカーとヘッドフォンがチャームポイント。名前の由来を「七つの海の主」と言うなどやや中二病を患った17歳女子高生。食べることが好き。琉綺/Ruki(ルキ)と共に、リゼ・ヘルエスタと「VRFM」というコラボをしたことがある。

有加/Plus(プラス)

ウサギの耳と肩に乗せたスーツ姿のカラスが特徴的な魔法使いのお嬢様。一人称は「僕」と訳されている。「清楚兎」と名乗っている。両国のライブにいたく感銘を受けたようで、鈴原るるの歌った「ガーネット」の一部を披露している。透き通った細い歌声が魅力だ。

星弥/Hoshimi(ホシミ)

遠い世界のハムスターの国からやってきた少女で、バーチャル秋葉原のメイド喫茶でバイトしており、好きなものはゲーム。ゲームには並々ならぬ熱意があるようで、Minecraftのアーカイブはトータルで12時間を超えている。

弥希/Miki(ミキ)

清光高校の生徒会副会長を務める16歳の少女であり「自分に厳しく」をモットーとする。一方でjust a secondを「ちょい待ち」と訳すようなフレンドリーさを持ち、2日目には黛灰とにじさんじに対する思いを語っていた(後述)。自己紹介の最後に口を開き、リスナーを虜にした。

阿萨/Aza(アザ)

「普通の男の子」と名乗ってはいるが、何の生物とも見えない不思議なフードに左右で異なる瞳孔の色をしている青年。芸術や音楽に興味があり、ラップ調の曲を投稿している。

5名が挑戦したダンジョンは、海藻で満たされた水槽から部屋へと移動する複雑な構造。「奇怪植物」と揶揄しながらも盛り上がっていた。Azaが率先して進行していったが、あえなくタイムアップとなった。

NIJISANJI ID(インドネシア)

インドネシア組が担当したのは2文字目の「JI」だ。参加したのは、Amicia Michella、Hana Macchia、Miyu Ottavia、Riksa Dhirendra、Taka Radjimanの5名。

Amicia Michella(アミシア・ミシェラ)

寝ることが好きな少女で、愛称はCia(チア)。永遠の17歳を名乗っている。犬を飼っており、ゲームや絵を描くことが趣味。ホラーゲームの際もほとんど怖がることなく、パズルも冷静に解いていた。ちなみにナイトキャップは着脱可能

Hana Macchia(ハナ・マキア)

インドネシア組の1期生。デザイン系の学校に通う学生で、ファンやインドネシア組の仲間からはハナマキと呼ばれることも。絵を描くのが好きで、月ノ美兎や黛灰ら日本のライバーのファンアートを配信で描くこともある。また、英語にも精通しており、Overideaとコラボしたり、日本語も日常会話レベルにこなせ、健屋花那とコラボしたこともある。

Miyu Ottavia(ミユ・オッタヴィア)

カワウソのパーカーを着た大学生。自己紹介では、Miyuを「Me You」と掛けた英語のダジャレを披露した。おそらく名前もOttaとotter(カワウソ)で掛けているのだろう。元気溌剌としたライバーで、同じくインドネシア組のZEAとの「A way out」のコラボの際にはパトカーが崖から落ちていくシーンで手を叩いて笑っていた。

Riksa Dhirendra(リクサ・ディレンドラ)

マルチメディア系の大学を卒業したばかりの社会人。お調子者で、インドネシア組ではいじられキャラのようだ。「雀魂」や「Arknights」のような日本で人気のソーシャルゲームから「RefRain ~prism memories~」のような同人シューティングゲームまでプレイしている。本人いわく「ゲームよりマルタバ(パンケーキのようなもの)を作る方がラク」とのこと。

Taka Radjiman(タカ・ラジマン)

Mitaka SolutionsというIT企業の社長(CEO)で、愛称は「Taka-mama(タカママ)」。インドネシア組のメンバーからは頼られているようで、今回の企画でもメイン視点を任されていた。彼もHanaと並んで日本語が使え、ホラーゲーム「Dark Deception」でも落ち着いたプレイを見せたことから、健屋花那のプレイをサポートしたことがある。

インドネシア組がチャレンジしたダンジョンは溶岩の中に組まれたアスレチックコース。マグマに飲まれたMiyu、豪快に笑うRaksa、「笑うんじゃねえ!」と突っ込むMiyuなど、5人のやりとりが非常にテンポ良く進んでいた。また、TakaやHanaは落下時に「痛い!」と日本語で話す一幕もあった。悪戦苦闘しながらも結果的に1日目で唯一ゴールまで到達できた。配信後も、スタッフ含めて遊ぶ姿が投稿されている。

ZEA Cornelia(ゼア・コルネリア)、Rai Galilei(ライ・ガリレイ)

1日目は全配信を通じてインドネシア組のZEA(右)Rai(左)が裏でコメンタリーを進めていた。ZEAは「炉心融解」カバーで話題になっている。また、HanaTakaZEAはNIJISANJI IDの1期生で「3setBBQ」というユニット名がある。

NIJISANJI IN(インド)

「NIJISANJI IN(インド)」は2020年1月23日から活動を開始したグループだ。基本的に英語で配信しており、宗教上の理由でMinecraft内であっても牛を手に掛けることはできない。


今回は左からVihaan(ヴィハン)、Aadya(アディア)、Noor(ヌール)が参加した。Aadya、Noorとインドネシア組のTaka Radjiman、Hana Macchiaは前日にUNOコラボをしており、NoorがHanaに”I love you”と伝える一幕もあった。彼ら彼女らが今回担当したのは「N」のステージである。

Aadya(アディア)

名前はサンスクリット語で「素晴らしい、最初の」という意味。「鋼の錬金術師」「DEATH NOTE」、DCコミックが好きで、AC/DCやDEEP PURPLEなどのロックが好きな少女である。前向きで明るく、絵を描くのが趣味。雑談配信では話題に次々に答えたり、合間合間に歌を挟んだりしていた。

Noor(ヌール)

入れ墨と錬金術師という設定から、デビュー前から日本でも話題になっていたライバー。名前は「Koh-i-Noor」という世界最大・最古のカットダイヤモンドからで、「光」を意味している。怪しげな雰囲気の自己紹介動画と、流暢な日本語、ハスキーな声から日本でもファンが多い。「草」を理解しているなど、ネットスラングにも通じている様子だ。ぶっきらぼうな言い方が多いが、「日本語で喋るとどうしても乱暴に聞こえてしまうが、怒っているわけではない」とのこと。Minecraftのプレイは初めてで、AadyaとVihaanに操作を習う姿が印象的だった。

Vihaan(ヴィハン)

名前は「夜明け」を意味するサンスクリット語に由来する。お調子者の青年で、コラボ中に流れた自己紹介動画では台本に「おバカさん(stupid)」と書かれていたそうだ。ゲームが好きで、「Saint Row: The Third」では車を乗り回す彼を見ることが出来る。インドネシア組のRiksaと同じでいじられキャラらしい。

インド組がチャレンジしたダンジョンは、絵画の裏に通路があったり、スイッチを押して進む必要があったりと、ギミックの凝ったものだった。突入早々からシルバーフィッシュが大量に湧いており、一同は阿鼻叫喚に。一方で、VihaanがTNT爆弾を大量に設置してふざけているシーンもあり、ゲームを楽しんでいる様子もあった。またこの配信を機に、インド組の3人はまとめて「3 idiots(3バカ)」を名乗ることになったようだ。

2日目

「宝物の在り処を求めて」レポート

2日目は、ライバーたちが別のダンジョンにチャレンジ。2人組になって隠されたアイテムを探索するルールだった。それぞれの組み合わせは以下の通り。日本組は前日のアスレチックで慣れたのか真っ先にゴールを決めた。他のグループもマグマや落下に悩まされるも、次々と障害を突破していた。

ゴール後は”同じ色の宝物を持ったライバー”が合流し、アナグラムに挑戦。黛灰&Mikiペアの配信では、Mikiがにじさんじ1期生・2期生から追っているというエピソードを披露。Taka&桜凛月ペアは、Takaがアナグラムに挑戦し、褒められて照れる姿が見られた。

Miyu&Aadyaペアはお互い緊張していたようだが、後半は仲良く会話する関係に。Moarin&Nanamiペアはなんと日本語で会話。黛灰の仮面の話になると、ハイテンションになっていた。Vihaan&Ruriペアは、Vihaanが問題に間違え続け、相方からツッコミを受けていた。また全員合流時に好き勝手動くライバーたちをTaka黛灰がうまくまとめ上げていたのも印象的だった。

紆余曲折を経てようやく完成したワードは”Nijisanji virtual world without border”「にじさんじバーチャルワールドに国境はない」。最後にはどのライバーたちも「楽しかった、海外のライバーともっと交流したい」とコメントしていた。

ちなみにワールドは配信後に配布され、韓国組のRuriがチャレンジしている。

https://www.youtube.com/watch?v=AoKXoUuvBTw

配信にはインドネシア組のAmiciaがコメントをしており、海外ライバー間がお互いを気にかけている様子がうかがえた。

国境を超えて広がり続ける“にじさんじ”

海外ライバーたちの多くは母語だけでなく英語と日本語を話せるため、当初懸念していた言語の壁による問題はかなり払拭されていたように思う。実際、本番前の全体打ち合わせでは、日本語でコミュニケーションが行われていたそうだ。

今回のコラボはファンにとって、海外のライバーを知る良い機会であったといえる。著者も今回の記事を書くにあたって、未視聴だった海外ライバーのアーカイブを視聴したが、彼ら彼女らも日本組と同様、各々が好きなことを積極的に押し出しながら配信をしている。

今回登場したライバーの他にも旧にじさんじ上海・台北からVEgoに移籍して活動中の塔綾絲/タリンスといったメンバーもいる。今後ライバーたちが国境を超えてどのような活躍を見せるのか、期待したい。

執筆:Aikawa Hasma (Twitter:@arg_Aikawa_)


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