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医療・福祉 2018.09.14

ケアの現場をVRで学ぶ、臨機応変な対応をトレーニング

VRでは、現場で発生する様々なシチュエーションを再現し、実際に居合わせているような感覚で体験することができます。この特長を活かし、仕事のトレーニングに活用する事例が多く出てきています。オーストラリアの企業は、障害者のケアをするサポートワーカーのためのVRのトレーニングを開発しています。

全てをカバーするトレーニングは困難

House with No Stepsは、障害者向けに雇用機会の提供といったサービスを行っています。同グループのCEO、Andrew Richardson氏はVRが強力なツールであるとした上で、「我々は当社のサポートワーカーが、職場でのハイリスクなシーンを安全に学ぶためにVRを使いこなしたいと考えています」と話しました。

サポートワーカーが直面する潜在的なリスクには、食中毒から暴力まで様々なものがあります。全てをカバーするようなトレーニングを施すことは難しく、リスクへの対処方法も1つではありません。結果としてサポートワーカーは、個々の障害者の微妙な違いを学び、危険なシーンに対応する必要がありました。

安全な環境で学ぶ多種のリスク

VRトレーニングを導入することで、幅広いシチュエーションへの対応を、安全な環境で体験することが可能です。たとえばあるトレーニングシーンでは、サポートワーカーは同時に3名の障害者への対応を迫られます。1人はTVを引き金にするPTSDで、もう1人は暴力で反応を示し、3人目はドアから外へ逃げ出そうとしています。サポートワーカーはこのような予測不能なシーンに直面した時、何をすべきかリアルに学ぶことが出来るというものです。

トレーニングのプロトタイプを体験した参加者は、効果を次のように語りました。「この体験によって、サポートワーカーは業務への準備をすることが出来ます。トレーニングのシーンは安全です。また障害者にとっても、トレーニングされていないスタッフのケアを受けるというリスクを取り除くことが出来ます」

危険なシーンを体験するVRトレーニングは、保安官や研修医向けなど、他にも様々なものが開発されています。

(参考)VRScout
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