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ホロライブ 2022.09.09

なぜ「ホロライブ・サマー2022」は復活したのか? ディレクターとプロデューサーが大規模企画の全容を語る

2019年に開催され好評を得ていた「ホロライブ・サマー2022」が今年3年ぶりに復活。ホロライブ所属VTuberたちの水着や浴衣といった特別衣装のお披露目配信をはじめ、オリジナル楽曲の発表や夏コミグッズ販売、さらに新宿でのリアルイベント、無料の大規模バーチャルライブなど、前回以上の大きな展開を見せました。

なぜ、今回「ホロライブ・サマー」が復活したのか、その裏側ではどういった運営の働きがあったのか、「ホロライブ・サマー2022 統括ディレクター」(サマー担当D)と「ホロライブ・サマー2022 プロデューサー」(サマー担当P)に話をお聞きしました。

前回の“サマー”を超えるために

――公式側から見て「ホロライブ・サマー2022」の手ごたえはいかがでしょうか? ユーザーの反響をどのように受け止めているのか、お聞かせください。

サマー担当D:
2019年に開催して以来の「ホロライブ・サマー」ですが、ありがたいことに今年の4月には「#ホロライブサマーに願いを」というハッシュタグがトレンド入りするほど多くのファンの皆さんから開催を切望いただきました。今回、その反響にお応えすることできて、大変嬉しく思います。

企画がスタートしてから、水着衣装(シャイニーウェーブ)の解禁やホロライブ公式ファンクラブ配信での水着企画だけに留まらず、浴衣衣装(スマイリーハーモニー)の解禁や『ClimaxStoryLive(音楽Live)』の開催と、2019年の「ホロライブ・サマー」とは違う盛り上がりを皆さんにお届けすることができ、良い意味で皆さんの期待を裏切ることができたのではないかと感じています。

――2019年から3年ぶりの「ホロライブ・サマー」ですが、なぜ今年復活することになったのでしょうか?

サマー担当P:
前述の通り、「ホロライブ・サマー」というイベントの実施に関しては、毎夏お客様からご要望をいただいていました。

しかし、急激に成長した「ホロライブ」に対して、会社側の企画体制を整えきることができなかったり、年々変わる配信プラットフォーム側のルールに適する形への調整が非常に難しいといった課題があったため、非常に高い開催へのハードルがありました。

2021年以降、企画運営部署の整備など、ある程度社内体制が固まり、新たなチャレンジとして「hololive ERROR」を開催した後に、次のステップとしてタレント全員が参加できるような大規模イベントの検討を開始しました。

その際、社内における水着衣装着用のルールを定めたり、2022年2月に公式ファンクラブのリニューアルオープンをすることで一定のルールの下で様々なニーズに応える形での配信ができる環境を準備するなど、多数の検討と下準備を続けた結果、実施にGOサインを出すことができました。

企画が走り出してからは、参加希望のタレントを募り、全員参加いただけるということになり、大型企画「ホロライブ・サマー2022」として現在に至る形になりました。

――今回の企画の全体的なコンセプトはどういったものだったのでしょうか? また今回、無料配信とメンバー限定配信を分割した狙いなどもあれば、お聞かせください。

サマー担当D:
2019年の「ホロライブ・サマー」を当時視聴できなかった人たちの間で「結局、ホロライブ・サマーってなに?」といった声が多くありました。今回はそういったお客様にもコンテンツをより届けるために、新たな「ホロライブ・サマー」というものを具現化する必要がありました。

今回の企画の軸は2つありました。1つ目はコンテンツをストーリー調にする、ということで、「ホロライブ・サマー」というものを分かりやすくして「より多くのファンに楽しんでもらう」「より多くの人にホロライブを知ってもらう」という意図を込めました。

2つ目は、以前から応援し続けているファンの皆様が求めている「2019年のホロライブ・サマーをもう一度」という点です。無料配信とメンバー限定配信を分割した意図は、2つ目の軸にあたり、一方で、1つ目の軸ではまったく新しい「ホロライブ」との夏の思い出をファンの皆さんに届けられたらと考えていました。

――前回の企画と比較すると、楽曲公開やリアルイベントなど、非常に規模感が大きいものとなっている印象です。ここまでこの企画に注力した理由はどういったものでしょうか?

サマー担当D:
「ホロライブ・サマー」という言葉が予想以上にファンの中で大きいものとなっていることから、その期待を超える必要がありました。

また、ファン以外の一般の方に「ホロライブ」を認知してもらうことは非常に難しいことと捉えており、世の中を驚かせるようなことをやる必要があると企画当初は考えていました。

結果として、”ホロライブ35名全員参加YouTube無料配信” である『ClimaxStoryLive』や2019年の「ホロライブ・サマー」の象徴である楽曲『Shiny Smily Story』を ”ホロライブの今”(35名再収録)でフルリメイクを行い3DMVに仕上げるなど、社を挙げてできることの全力を注ぎ込む形となりました。

――今回の夏衣装お披露目では、VTuberそれぞれの統一的な水着衣装が用意されていたり、浴衣コスチュームも発表されていたりと、前回とは違ったデザインコンセプトとなっています。今回の衣装のコンセプトはどのようなものだったのでしょうか?

サマー担当D:
水着衣装(シャイニーウェーブ)も浴衣衣装(スマイリーハーモニー)も、音楽ライブで踊れる共通アイドル衣装として、一貫したコンセプトのもとで制作しています。

2019年に制作した水着衣装は個人の配信用としてフォーカスしたものとなり、いずれも個性溢れるデザインとなっています。開発初期ではそれを実現する検討もしていたのですが、今回のイベントコンセプトやライブビジュアルの制作などを考慮した結果、「ホロライブ」全体で実施している一体感を創出する必要があったため、共通アイドル衣装として制作する方向で舵を切りました。

浴衣衣装に関しては、ホロライブメンバー35名全員が似合うように、可能な限りカラーバリエーションを制作しています。

――先ほどお話にあった通り、2022年版ではストーリー的な要素が取り入れられており、順次物語が展開されるにつれ、新情報が明かされる構成になっていました。この構成の意図について詳しくお聞かせください。

サマー担当D:
「ホロライブ・サマー」は3年ぶりの開催となりましたが、それまでの流れとして「#ホロライブサマーを返せ」というハッシュタグを使った開催運動が毎年夏の恒例となっていたこともあり、この流れを汲んだストーリーで展開するのが、これまでのホロライブの文脈を知ったファンの皆様にとって敷居の低い展開なのではないかと考えたのがきっかけでした。

順次物語が展開されるにつれ、新情報が明かされるという構成は、『Shiny Smily Story』をリメイクすると決めた時に、『Shiny Smily Story』を”輝き”、”笑顔”、”物語”の3つの何かのアイテムに見立て、1つ1つそれを解放することで最後に完成していく流れを思いつきました。

そして、それが3Dホログラムの技術を凝縮したという設定のクリスタルになり、それぞれのクリスタルに今回の新要素を入れることとしました。

――今年の夏コミでは「ホロライブ・サマー」のグッズが展開されましたが、特にグッズで注力したポイントなどもあればお聞かせください。

サマー担当D:
今回のコミックマーケット100では『ホロライブ・サマー2022』の施策の一環として出展しました。販売したグッズは “この夏を楽しんでいただけるアイテム” をテーマに、普段使いもできるデザインとラインナップを選定しました。

台風の接近やコロナ禍の影響で不安はございましたが、2日間とも多くの方々にブースへ足を運んで頂き、また展示も含めて楽しんでいただけたようでとても安心しました。

ホロライブに所属していて良かった

――所属VTuberからの「ホロライブ・サマー」企画に対する反応はいかがでしょうか? ご本人たちの感想なども聞いていれば、教えてくださると幸いです。

サマー担当D:
ホロライブメンバーからは「ホロライブに所属していて良かった」「SSS(Shiny Smily Story(2022ver.))のMVで泣きました」といった声をもらい、スタッフ一同制作してきたことを嬉しく思っています。

中には「来年のサマーも別の水着衣装を期待しています!」など来年の話がでてきたりすることもありました。

――今後も「ホロライブ・サマー」企画は恒例のものとして継続するのでしょうか? 次の展開への目論見などがあればお聞かせください。

サマー担当D:
「ホロライブ・サマー」となるかは断言できませんが、ファンの皆さんに「ホロライブ」のイベントが新しい体験となるよう来年夏のイベントも企画を検討していきますので、楽しみにしていてください。

ここまでこられたのもファンの皆さんのおかげです。これからも「ホロライブ」がより一層多くの人たちに愛されるよう努力し続けていきます。

――ありがとうございました。次の夏にも期待しております。

ホロライブ・サマー公式サイトはこちら。
https://hololivesummer2022.hololivepro.com/


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