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VTuber 2022.09.16

VTuberが視聴者と良い関係を築くために必要なことは? 姫熊りぼんさんインタビュー

MoguLiveが今年2月に行ったユーザーアンケート企画「2022年期待したいVTuberベスト10発表!」で、1位を獲得した姫熊りぼんさん。ASMR配信をメインにしつつ歌ってみた動画やオリジナル曲もコンスタントに投稿。音楽活動にも励み、「ガンダムバトルオペレーション2」の実況なども息長く続けています。

そして9月17日(土)には「姫熊りぼん 1st One Man Live」が池袋HUMAXシネマズで開催予定です。今回はご本人に直接お話しをうかがい、これまでの活動について振り返っていただきました。

多くの人に「姫熊りぼん」を知ってもらう方法

――今年2月のMoguLiveのユーザーアンケート企画「2022年期待したいVTuberベスト10発表!」にて姫熊さんが1位を取られたことについて、結果を知った時はいかがでしたか?

姫熊りぼん:
ファンの方への「ほんとにいつもありがとう」という感謝の気持ちが真っ先に思い浮かびました。あと実はこれ投票期間に「姫熊に投票があったら嬉しいな」みたいなことを自分がツイートしてまして。

でも、まさか1位になるとは思わなかったんですけど。

――前年のMoguLiveの同じ企画(2021年期待したいVTuberベスト10発表!)でも、上位20位以内に入られてましたね。

姫熊りぼん:
「色んなところで頑張りたい」とか、「こういう企画があったら、姫熊の名前をあげてもらえたら嬉しいな」ってことは、普段からちょっとずつ言葉にするようにしてます。それもあってか、色んな人気投票系の企画で「姫熊に入れといたよ!」っていうファンの方が結構いらっしゃるんですよね。協力的なファンの方がありがたいことに多くて。

――姫熊さんからの声かけに答えてくださるリスナーさんがいたからこそですね。2019年の9月にデビューされて、現在これだけたくさんファンの方がいらっしゃるのは、能動的な努力だったり工夫だったりもあったと想像していますが、いかがですか?

姫熊りぼん:
デビュー初期の頃はまず顔と名前を覚えてほしくて、 1日に3回とか4回配信してたんですよ。「いかにたくさんの人に自分の存在を届けられるのか?」ってなると「もういろんな時間にやるしかないな」と思ったんです。人によってお仕事が朝からある方や、深夜の方、様々いると思って、なので朝、昼、晩配信をやれば誰かしらに刺さるんじゃないかなと。最初に本当に無我夢中で、それをやって自分の名前を知ってもらえたのが、今に繋がってるんじゃないかなと思います。

――最初の時期にもうとにかく、できるだけやれるだけ配信をやるという。

姫熊りぼん:
やれるだけ配信をやったり、SNSを活用してなるべくリプを返したりとか。

――今でも、こまめにファンの方からのツイートにリプを返されていますね。

姫熊りぼん:
でも、エゴサやリプに関しては、(フォロワーを)増やそうと思ったというよりは、ファンの方と触れ合いたいという気持ちの方が強いかもなと。

あと初期は1日3~4回配信してましたけど、今も配信をほぼ毎日1~2回はしているので、配信内容によって、”どの層の方が喜んでくれるか”みたいなことは意識したりしますね。

ASMRをきっかけに配信に来た人が他のジャンルの配信見ることは少ないので、ほんとにそこは分けて考えるというか「別物!」みたいな。ゲーム配信も「好きな人が見てくれればいい」と割り切ってるというか。

――リスナーさんもそれぞれ趣味が違うから、細かく「この人にはこれが合うだろうし、あの人にはあれが合うだろうし」みたいな感じですかね。

姫熊りぼん:
1個の配信が100パーセント全部の人達に好かれるとは思わないので。だからこそ、「これはASMRが刺さる人に刺さればいいな」とか。もちろん、ゆくゆくはASMRに興味がなかった人が「姫熊のASMRなら聞いてもいいか!」となったら嬉しいですけど。

逆もまたしかりで、「今まで姫熊のASMRしか聞いてなかったけど、ゲーム配信も面白いから来ちゃった」みたいな人もたまにいらっしゃるので、そういう風に繋がっていけばいいなとは思っています。

――最初の間口はとにかく広げて行こうと。

姫熊りぼん:
人によって切り口というか、好きになってくださるきっかけは変わってくると思うので、「まあ毎日何かしらやってればどれかしらに引っかかるでしょう」みたいな、そういう感じですね。

――そういう姫熊さんの工夫や努力が実って、ファンの方が増えていくことに自ずと繋がっていったんだろうなと思います。

姫熊りぼん:
だとしたらすごい嬉しいですけどね。そうなのかな?

「Re:AcT」というグループの中で、「姫熊りぼん」にできること

――今活動期間としては、ちょうど3年ですよね?

姫熊りぼん:
9月で丸3年です。

――その3年の活動の中で特に印象に残っていることはありますか?

姫熊りぼん:
3Dになってから、ライブとかイベント系のお誘いとかも一気にぐわって増えたっていうことと、あとはASMR配信も最初の頃は全然見てもらえなかった時期があったり。やっぱり目に見えるじゃないですか、その同接の数だったりとか、チャンネル登録の増え方とか。「気にしない」と思ってても見えちゃうものは見えちゃうので。でも「いつか増えたらいいな」って思いながら頑張ってやってたら、なんとかここまで来れたっていうことですね。その最初の下積みが楽しかったことでもあり、懐かしいなって。

――YouTubeって、最初が1番大変と言いますよね。

姫熊りぼん:
最初のスタートダッシュに失敗したら、多分見てもらえるきっかけが減るじゃないですか。それもあって当時は1日3~4回配信してたっていうのもあるんですけど、大変でしたね。「VTuberとしてやっていくぞ」みたいな意志がほんとにないとできないことじゃないですか。

――確かにそうですね。

姫熊りぼん:
だからもう「本気でやっていくぞ!」という思いを全力でぶつけた結果だと思ってます。それができない人が本気じゃないって意味じゃないんですけど、私の場合はこれしかなかったっていうのが正直なところです。他の努力の仕方がわからなくて。

――今回の取材の際して姫熊さんの初配信のアーカイブを事前に拝見しようとしたのですが、非公開にされていらっしゃいました。何か理由があるのかなと思ったのですが、いかがですか?

姫熊りぼん:
暗闇に消えました(笑)。いや、なんかあまりにもすごい、あの……猫を被っていたんですね、あの時は。熊なのに猫かぶっちゃってて、ちょっとあまりにも私が見るに耐えかねた結果ですね。あまりにももうしんどくて(笑)。

みんなにも「あの時は猫かぶってたからごめんな。」って言ってて!

――現する1番古いゲーム実況の動画を視聴したのですが、当時は最近の配信と比べて、少し緊張されていましたか?

姫熊りぼん:
最初の頃はその緊張が大きいのが正直あって、それを隠すように猫を被ったっていう。

 ――そういう事情があったんですね。デビュー当時の心境はどんな感じでしたか?

姫熊りぼん:
私は「Re:AcT」という事務所に所属してるんですけど、Re:AcTは音楽事務所と謳(うた)っていて、実際先輩方はもうありえないくらい歌が上手い方々なんですね。


「Re:AcT」:花鋏キョウ、獅子神レオナ、かしこまり等、歌唱力に定評のあるVTuberが数多く所属しているVTuberグループ。バーチャルの音楽ライブイベントも積極的に行っている。

でも、そんな中、自分は今まで歌はやってこなかった上に「上手いか?」と言われると「う~ん」っていう歌唱力なんです。あの、一生懸命は歌います! 魂を込めた歌は歌えるんですけど、歌唱力って言うと、ちょっと足りない部分があるので、その音楽事務所に自分が入ったら「既存の箱推しリスナーさん達にどう思われるかな?」みたいな心配はありました。

――「耳が肥えてるRe:AcTのリスナーさんにどう思われるんだろう」と?

姫熊りぼん:
そうです。最近も外部のイベントにたくさん呼んでいただける機会があるんですけど、そこでもみなさんの歌唱力だったりダンス能力だったりに圧倒されて帰ってくるので(笑)。「自分大丈夫かな、この中に入って!?」という部分で劣等感みたいなものはあって、なので「がんばろう」っていう気持ちで、今レッスンに通ってます。

――落ち込むだけでは無くて、ボイトレやダンスレッスンなど、ちゃんと劣等感をバネにして努力されてるという。

姫熊りぼん:
やっぱり長く続けたいので、そのためには自分の努力が必要かなと思ってやってる感じですね。

――実際に最初の歌ってみたを上げてみた時は、視聴者のみなさんの反応としてはいかがでしたか?

姫熊りぼん:
上げてみたら、みなさん優しかった!「これもありだな」って思ってもらえたのかな? でもやっぱり自分自身も耳が肥えてるせいもあって、なんか「ダメだ!」って思っちゃう時があるので、それもあって最近ボイトレとかダンスレッスンへ自主的に通うようになりました。

――そのぐらいやりたいと思えるほど、歌うこと自体は好きなんですね。

姫熊りぼん:
大好きですね。やりたいことだからこそ中途半端はやだなって思った結果ですね。今「頑張ろう」ってなってるのは。

――事務所に所属されているVTuberの方は、デビュー当初は周りの方に引っ張ってもらって、どこかのタイミングから自分が引っ張る側に回るのだと想像しているのですが、姫熊さんは、どのぐらいのタイミングで、Re:AcTの一員として「ここから私が引っ張っていく番」という自覚が芽生えましたか?

姫熊りぼん:
未だに自覚が湧かない場合って……? どうしよう。どうしよう(笑)。先輩にも良くしていただいてるし、なんなら後輩の子とかにも結構色々配信内容を相談させていただいたりすることがあって。私は機械音痴っていう弱点もありまして(笑)。

めちゃめちゃお世話になりっぱなしなので「どうにかして恩返ししたいな」って思っている段階です。自分が引っ張って行こうっていう感じではないですね。たぶんASMRのことだけは聞かれたら教えられるので、何人かには教えたんですけど、 それ以外で何かできたっけ?

――Re:AcTさんの公式チャンネルで、姫熊さんがMCをされている動画を拝見したところ、事前にきちんと新人のみなさんの初配信などをご覧になった上であちらの配信に臨まれていて、配信内でも優しく、かつしっかりとMCを全うされているところが印象的でした。そのように高いモチベーションを持ってMCに臨まれていた理由を伺いたいです。

姫熊りぼん:
あ~!一番最近のかな。やっぱりRe:AcTが盛り上がってほしいっていうのが1番大きくて、だから「呼ばれたらなんでもします!」っていう気持ちでいます。MCで呼ばれたらMCとして全うしようって頑張るし、ガヤっぽい感じで、ちょっとなんかいっぱい喋ってくださいって言われたら、それをやろう、与えられた役割をちゃんとやろうって思うので。やっぱりRe:AcTがちゃんと盛り上がらないと、なくなっちゃうんじゃないかと思っちゃって(笑)。

――そこを心配されて(笑)。

姫熊りぼん:
Re:AcTは頑張ってるからそれはないと思うんですけど、それはそれとしてなんかもっと盛り上がったら嬉しいなと思うので。

――ご自分のことだけでなく「Re:AcT全体にとって何が1番いいか」を重要視してるからこそ頑張れるということでしょうか。

姫熊りぼん:
そうですね。

――Re:AcTで「3年ここに所属して活動しててよかった!」と思えるところはどういったことですか?

姫熊りぼん:
あ、でも仲がいい気がするな。メンバー同士とか、スタッフさんとかとも気楽に話せるというか、そういう意味で居心地の良さというかあります。最近Re:AcT公式チャンネルでの配信も多いですし、頑張ろうと努力してくれている感じがします。

バン! って大きく名前が出てる事務所ではないですけど、VTuberが盛り上がりはじめた最初の頃からずっと今まで続けてこれて、順調に人数も増えてって感じなので、その安定感はありますね。それと、音楽のクオリティーがめちゃ高い! なので、歌が好きで安定感を求めたいなら、Re:AcTいかがですか! あれ? 宣伝になっちゃった。急に(笑)。

――そういえば、事務所の方がRe:AcTの新人VTuberの方と先輩メンバーの最初の顔合わせの場をセッティングされる際、先輩メンバーの中からはまず姫熊さんが選ばれて新人の方とお話しされると聞きました。姫熊さんの面倒見の良さが事務所内でも評判なのかなと思っていたのですがいかがでしょうか。

姫熊りぼん:
デビュー前に新人ちゃんと先輩方で話す会みたいなのがあって、大体トップバッターがなぜか姫熊からなんですよ。なんか「姫熊は暇だから行っとけ!」って感じなのかなと思って(笑)。

――そんなこと無いと思いますよ(笑)!

姫熊りぼん:
そうなのかな。だとしたらいいんですけど。たしかに、新人ちゃんの配信デビュー前にゲームを一緒にしたりして打ち解けて「デビュー頑張ってね」っていうのが毎回ありました。

自分らしさを出すための歌へのこだわり

――姫熊さんの歌ってみたやオリジナル曲の制作過程も気になります。例えば歌ってみたの選曲はどういう風に決まっていくんでしょうか?

姫熊りぼん:
基本的に自分が候補を上げて運営さんに相談して、そこから「今の時期だと、これがいいんじゃない?」と提案していただいて決まることが多かったりしますね。

――最初は姫熊さんの方から候補を上げて。

姫熊りぼん:
そうです。歌いたい曲はたくさんあるので、「こういう意図で歌いたいんです。」と。例えば「やっぱりガンダム好きだから、〇万人記念の歌ってみたはガンダムの曲でいきたいです。」とか熱い思いをしたためまして、それで大体OKって言ってもらえました。

――基本的にそこは運営さんが姫熊さんの選曲に「いいよ」と言ってくださるという。

姫熊りぼん:
なので選曲で困ることはないかもしれないです。

――そこから例えば、動画やイラスト、それからMIXに関してどなたにお願いするのかという部分は、どういう風に決まって行きますか?

姫熊りぼん:
普段から結構色んな人の歌ってみた動画を見たりしているので、その中で気になった方がいたらお声がけする形も多いですね。

――ではそこも姫熊さん発信で「この方がいいんじゃないか」と。

姫熊りぼん:
全てが通るわけはないんですけど、色んな条件が合えば採用していただけることも多いです。動画のクレジットで「同じ人の名前よく見るな」と感じたら「姫熊のリクエストなのかな」と思っていただいても構わないぐらい、その確率が高いです。

――ではその部分でも、姫熊さんの意見がかなり反映されていると。

姫熊りぼん:
そうですね。

―今までに上がっている歌ってみた動画の中で、印象深い曲はありますか?

姫熊りぼん:
初めて上げた「ガンダム」の歌ってみたがありまして。「嵐の中で輝いて」って曲なんですけど、お願いしたイラストレーターの方がロボットを描くのが得意な方だったので、そのオリジナルのロボットガンダムみたいなものを作ってくださったっていうのが印象深いですね。

いつかこれをモデル化したいかなって思うぐらいで、「プリンセスベア」って名前も自分でつけたんです。

――こちらのデザインすごいですよね。「オリジナルなのかな?」と気になってました。

姫熊りぼん:
そうなんです、実はオリジナルで。すごくそういうのを考えるのがお上手な方だったので、ほんとに1から設計図というか設定を作っていただけたんです。格好良くしかも可愛くみたいな感じで大好きなデザインなので、いつか何かできたらいいなとは思ってます。

――オリジナル曲に関しては、曲と歌詞はどういう風にできていきますか?

姫熊りぼん:
大体両方同じタイミングで、ワンコーラスが最初にできることが多いですね。 自分でやってほしい世界観は伝えた上で、曲と歌詞に関してはお願いした人がそれぞれ考えてくださるという感じで。あとは例えば「歌詞にこれ入れてください」とかはお伝えして。だから「りぼん」みたいな単語を入れてほしいですとか、2曲目の「恋スル人魚姫」だと、 人魚姫をモチーフにしているので「幸せじゃない感じがいいです。」とか、「幸せだけど、幸せじゃない」とか「考察できるような感じで!」とか、色々と提案をさせていただいて作ってます。

――そういう判断も姫熊さんがされているという。

姫熊りぼん:
運営さんにも気になるところがあったらコメントしていただいて。で、「フルコーラスできてどうですか?」みたいな感じで出来上がっていきます。MIXは作曲した方がやってくださることが多いですね。動画に関しては今1曲分しかMVはできてないんですけど、その動画を作る時も「この方にお願いしたい」っていうのは自分で決めましたね。

――ご自身の意見がかなり盛り込まれている形で制作されているのですね。

姫熊りぼん:
音楽の知識はないのでそのあたりはプロの方にお任せしつつ、「ここはこだわりたい」ってところだけは私も意見を言ってるって感じですね。

ASMRの配信は一番が選べない

――ここ最近のご自身がやられた配信の中で、特にこれが自分的にお気に入りだなっていう配信はありますか?

姫熊りぼん
お気に入りか~……。ASMRは毎回楽しいなって感じで、1番が選べないのが正直なところでして。ASMRが1番毎回楽しくやってる感じがあって、リスナーさんの意見を取り入れつつ、たまに自分がやりたいことも入れてっていうバランスで、結構色んな人に見ていただけてるので。

――リスナーさん視点で「どういう音の出し方をして、どういう喋り方をしたら聞いてる方が聞き心地がいいか」といった感覚が姫熊さんの中にしっかりあるんだろうなと思うのですが、いかがですか?

姫熊りぼん:
やっぱりそこの感覚があるのは、自分自身もASMRのリスナーだからですかね。ASMRは元々好きで聞いているので、「このアイテム使うとこういう音が出るんだ!」みたいなことに自然と出会うんですよね。それで自分もそれを取り入れてやってみたりするので、そういう実験を楽しみながらやってるっていう感じですかね。毎回。

――「このASMR配信の中ではこういうことを喋ろう」みたいなことは、結構事前にしっかり考えておいてあるんでしょうか?

姫熊りぼん:
アドリブです! でも、そんなに喋ってないかもしれないです。他の人は結構喋ったりするのかな。私の喋りは「前半ちょっと多めで、後半はあまり喋らない」を意識してやってます。聞きながら寝ちゃう人は、寝てる時にそんなに喋られたくないだろうなと思って。話す言葉はコメント欄を見つつ考えて。

――ASMRのシチュエーションに関しては、リスナーさんの意見を取り入れたり、自分がやってみたいことをやったり、という流れで作っていく感じですか?

姫熊りぼん:
はい。でも最近はシチュエーションよりもその「音」を出すことが楽しすぎて、シチュエーションを作るよりも普通にASMRしてることが多いかもですね。

――ご自身がASMRを聞き手として好きになるタイミングはどういったものでしたか?

姫熊りぼん:
いつだろう……。YouTubeを知ってからは、いつの間にか探してしまうジャンルの1つであったって感じですかね。だからデビュー前から好きだったかな。元々好きで見てて、それで「自分もやりたい!」で始めたっていう感じですかね。

――「最初の頃はあんまりそんなにASMR配信が特別人気の配信というわけではなかった」とおっしゃってましたよね。

姫熊りぼん
あ~、そうじゃなかったです、全然違います。

――ご自身的に「この配信で急にASMRのリスナーさんが増えたな」という、そういうきっかけになる配信はありましたか?

姫熊りぼん :
徐々に徐々にって感じでしたね。私の場合は。ぬるっといつの間にか増えていたみたいな。長時間やるからですかね。長時間やるのが好きだったので。

深夜3時とか4時とか、朝までやることもあったりすることがあって、「朝までやってる人初めてだよ」みたいに言われたこともあるんです。24時に始めて、6時までやってた時とかは「寝る時も起きた時も姫熊と一緒だった」みたいな感じのことを言われたり。

――ASMRが注目された理由をあげるとしたら、やっぱりその……

姫熊りぼん:
長い配信をやってたから(笑)。

――最初の頃より今の方がASMRの配信の頻度は上がってるようですが、そこはいかがですか?

姫熊りぼん:
ASMRをはじめた当時もたしか週2回以上はやってました。やっぱりASMRの音声販売とかも外部で始めたりとかしたので、それをいっぱいお手に取ってもらいたいなっていうのもあるし、あとは「姫熊=ASMRの子!」みたいな印象があっても嬉しいなと思ってやってますね。

――では「ASMRの配信が人気だから頻度を上げた」のではなく、そちらの方が理由としては大きいのでしょうか?

姫熊りぼん
1番理由として大きいのは「ASMRが好きすぎて」ですかね。しかもその自分が好きなものを多くの人に「良い」って思ってもらえてるっていうので、今モチベーションがめちゃめちゃ高い状態なんですよ。

ASMR配信が2日できなかっただけで、エゴサしたらリスナーさんが「欠乏症」みたいに言ってたりとかして。そうやって求めてくれてる人がいるから、どんどん配信の頻度も増えて行ったって感じですね。

――自分も好きで楽しいし、しかもそれがたくさんの人に喜ばれるし、もうWIN-WINだからやるしかない!という感じですか?

姫熊りぼん:
そうです、そうです。好きって言ってくれる人がいるとやりやすいですよね、1番。求められてるし、私もやりたいしで。

――「聞く側としてASMRが好き」という感覚はなんとなくわかるのですが、ASMRを配信する側としての面白さとか、楽しさはどういうところにありますか?

姫熊りぼん:
「音フェチに刺さるかな?」と考えることだったり。あと自分も音が好きで、「このアイテムでそんな音出る!?」ってこととか、逆に予想通りの音すぎて面白いアイテムとか、ASMR用の道具それぞれにいろんな発見もあるし、わくわくがいっぱい詰まってる感じがして楽しいですね。

――「そういう研究が楽しい」のも大きいんでしょうか?

姫熊りぼん:
あ、それもありますね。

――ここまでのお話をうかがっていると、ASMRに限らない研究熱心さや、 色んなことに興味をもってチャレンジしていく姫熊さんの姿勢が感じられます。

姫熊りぼん:
自分ができるものは結構チャレンジしちゃう感じがしますね。それで「刺さらないな」と思ったらすぐやめるみたいな。でも、なんか運が良くて、私。自分がやりたいことが今集まってくれてるリスナーさんと合ってる!ってことが多いんですよ。

例えばガンダム配信も好きでやってるんですけど、元々別の配信きっかけで遊びにきてくれたリスナーさん達からも、「え、ガンダム好きなの?趣味同じじゃん!」って言われたりとか。クソゲーさんとか言われているジャンルのゲームが好きでやってたら、めちゃめちゃそれも好評だったり、そういう風にやりたくてやってることがみんなに刺さるっていうことが結構多くて。

――「自分のやりたいことをその時ごとに挑戦しつつ、リスナーさんの反応を見ていたら、今のようなスタイルになった」といった感覚に近いですか?

姫熊りぼん:
そうです。「好きなことをやってたら集まってくれた、優しいリスナーさん」みたいな感じですね(笑)。

――リスナーさんの反応もしっかりご覧になっていますよね。

姫熊りぼん:
普段エゴサしてるので、「ASMRでこういうのやってくれないかな~」とか、「そろそろガンプラ一緒に組み立てたいな」とか言ってくれてたら、割と早い段階でそれをやったり。
意見を取り入れるタイプですね。

――エゴサは諸刃の剣というか、嫌な思いをされることもある気がするのですが、そこはいかがでしょうか?

姫熊りぼん:
でも大半が嬉しいことなので、その「たま~に」を気にするより、いつも応援してくれてる応援の言葉を見てた方がいいじゃないかと思って。ポジティブなので。

姫熊りぼんは、見た人100%全員に刺さるって思ってないんです。私のその結構”ちゃんと言っちゃう”ところとかが嫌いな方もいると思うし。でもそこに対しては「すまない……!」って気持ちはありつつ、「そこを好きって言ってくれる方がいるから、その方のために自分はこのままで頑張るよ」という気持ちでいつもやっていて、好きになってくれた人のために頑張ってます!なので、あんまり気にしない(笑)。

姫熊りぼんの侵略を広げていくために

――ワンマンライブの開催がもう来週に迫ってるんですね(※本インタビューの取材日は9/5)。

姫熊りぼん:
わ!ほんとだ!え~やばい。これはTwitter開設3周年の9月17日にちょうどできるので、その日来てくれた方と3周年を一緒に迎えるって感じですね。

――ではすでに準備はしっかり進められている感じですよね?

姫熊りぼん:
自分は自分なりにやってますね、今。やばいですけどね、まだちょっと実感わかなすぎてそわそわしてるんですけど。私は歌ったり踊ったりする部分もあるので、できるだけ、ちゃんとできるようにしようっていう意識で練習してます。魔法をかけていただくスタッフさん達は多分ひいひい言いながら働いてると思います。笑
もうやるしかない!現地のチケットは残りあと少しっていう話は聞いてるので、宣伝を頑張ろうって思ってます。みんなが来たくなるように。

――イベント概要を拝見して、 “ライブ本編終了後に現地限定のASMR公演があります”という記載が気になりました。こちらはどういう形になるんでしょうか?

姫熊りぼん:
普段は結構可愛い写真を載せて配信することが多くて、動いてる姿はあんまり見せたことがなかったんですよ。例えば耳を実際掻いてる姿とかをお見せすることがなかったので、それを3Dの姿でどうやろうかみたいな。目でも楽しめる新たなASMRを目指してます。

――ASMR公演は現地に行かないと体験できないんですよね?

姫熊りぼん:
そうですそうです。イベント自体はオンラインとオフラインで両方チケットがありますけど、ASMR公演部分に関しては現地じゃないと見れないやつですね。なので、来てくれたら嬉しいなって。

リスナーさんとの良い関係の築き方

――姫熊さんがリスナーさんとここまで良い関係を築けたのは、どういうところに理由があると感じていらっしゃいますか?

姫熊りぼん:
包み隠さず、結構素直に全部言ってるからです。「こういう性格をしています自分は」「こういうことをされたら嬉しいです」とかを全部説明しちゃうというか。なのでみんなそこを理解した上で色々推し活してくださってるからいい距離感で、こういう投票とかもしていただけたりとか。あとは嫌なことは嫌って言ってるし。だから最初もし何か間違っちゃった人がいたとしても1回言ったらみんなやめてくれるので。

みんなそういうちゃんと聞き分けのいい子供たちみたいな……そういうこと言うからママって言われるんでしょうね(笑)。

――”ママ”と言われるのが嫌って訳では……?

姫熊りぼん:
嫌じゃない、全然嫌じゃないです。笑

なんか信頼されてる証拠かなと思って。「親族だと思ってくれてるぐらい好きってこと?」って。笑

――今の姫熊さんのお話は、ファンとの距離感について悩まれているVTuberの方の参考になりそうです。

姫熊りぼん:
あ、ほんとですか? この生き方が参考になるかわかんないんですけど。素直すぎるので(笑)。多分隠した方が可愛気あるんだろうなって思う部分もやっぱりあるんですよ。言った後に「うわ! 言っちゃった!」と思うこともあるんですけど、だからこそ今までやってこれたので後悔はないかなって感じですね。

――将来的にVTuberとして、どういった存在になりたいでしょうか?

姫熊りぼん:
いや、もう、ありすぎて……。やっぱり色んなイベントにどんどん出ていきたいなっていうのとか、あとは、最近案件で声優活動とかもさせていただいてるので、そういった声の出演とか、「VTuberだけど、それもできちゃうの!?」みたいなジャンルにも挑戦していきたいなと思っています。

ラジオの番組とか、喋ることが好きなのでそれを活かしたものだったり、歌うことも好きだから自分主催のライブもしてみたいし、少しずつでも叶えていけたらいいなって。

私は自分の活動を「侵略活動」って言ってるんですけど、侵略活動をどんどん続けていって。最近はVTuberチップスとかにも出られてコンビニさんも侵略できたなって思ったので、他の色んなところにも。「姫熊りぼんブック」もちょうど6日に出るんですけど。

――取材日的には明日ですね。

姫熊りぼん:
どんな反響があるかなって。全国のローソンに置かれるので手に取ってもらえたら嬉しいなって思いますし、 逆に手に取ってもらえなかったところは、その地域に姫熊りぼん推しがいないということでもあると思うので、ますます侵略活動頑張んなきゃいけないなって、そのモチベーションにもなります。

――最後に、年内にチャレンジしたいと思っていることをお聞かせください。

姫熊りぼん:
えっと、KU100っていう100万円以上するASMR用のマイクがあるんですよ。それを使った生配信をしたいですよね。

今まではDLsiteでの販売のために、スタジオレンタルで借りたやつを使ったことはあるんですけど、まだその1回きりなので。 生配信で使った時どうなるのかを自分も聞きたい!っていうのと、やっぱりASMRやってる人の1個の夢がKU100だったりするので。これを持つとASMR界ではちょっと1歩前進、「いいぞ!やる気があるぞ!」みたいな。やっぱり100万円以上する物を買う訳ですから!それを示せるというか。

自分も約3年前からASMRをやっていてそろそろね!と思ってるので、それを手にして生配信、または動画を作ってYouTubeで公開するというのが 1つの目標です。あとは年内で言うと3曲目のオリ曲ができるので、その3曲目をちゃんと販売すること!それをちゃんとして、ゆくゆくはミニアルバムを作りたいなと思ってます。

――ありがとうございました。

姫熊りぼんさんのYouTubeチャンネルはこちら。
https://www.youtube.com/channel/UC6HjtF2rHZO8gAsX5FXF-Kg


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