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MoguraVR

2018.07.07

ヤフオクドームにVR専用カメラが設置、「ホークスVR」で新しい野球観戦

VRで体験してみたいこととして、必ずと言っていいほど挙がるのが「スポーツ観戦」です。別の場所にいるかのような体験ができるというVRの特長から、「スタジアムに行かなくても、まるで現地にいるように観戦できるのではないか?」という期待が高まっています。

これまでにも、VR×スポーツ観戦の取り組みは試験的なものが数多く行われてきましたが、カメラの設置場所や映像品質などの課題が多く、スポーツの試合のVR中継は2018年に入ってようやく本格化しつつある、といった状況です。

日本では、ソフトバンクがスマートフォン用のVRゴーグルを使い、プロ野球チーム・福岡ソフトバンクホークス(以下、ホークス)の試合をVR観戦できる「ホークスVR」の取り組みを進めています。

ヤフオクドームにカメラを組み込んで撮影

「ホークスVR」は、ホークスのホームスタジアム・ヤフオク!ドームで行われる野球の試合をVRでライブ観戦できるというもの。放送はホークスのスペシャルイベントである「鷹の祭典2018」期間中に開催される7月26日から29日の4日間。VRゴーグルとセットで販売されている視聴権チケットを購入すると、専用アプリから見ることができます。


(ゴーグルと外箱。ホークスのロゴがあしらわれている)

試合の中継映像は、ドーム内の4箇所に配置されたVR中継専用カメラから好きな視点を選んで観戦することができます。

・ホームベース後方(ステレオ)
・一塁側(ステレオ)
・三塁側(ステレオ)
・外野側スタンド(単眼)

VRで見たときに臨場感を生み出すため、立体視のできるステレオカメラを3箇所に設置しています。

VRのスポーツ中継ではカメラの位置が重要です。競技に支障のない位置で、観客の邪魔にならず、それでいてVRで観ている人が臨場感豊かに楽しめる位置を模索しなければいけません。設置位置に失敗すると「遠すぎて何が起きているのか分からない」、「疎外感がある(臨場感がない)」など、せっかくVRで観てもその良さが伝わらなくなってしまいます。

現地で実際にカメラの設置場所を確認してみたところ、VR中継用のカメラは「ドームの設備に組み込む」形で設置されていました。たとえば、ホームベース後方のカメラはVR中継のために、キャッチャーの真後ろに当たる壁面に埋め込まれています。

(フィールド側から見たときのVR中継用カメラ。赤い矢印の先に埋め込まれている)

(VR中継用カメラを拡大したところ)

(観客席側から見た様子。手前中央の白いボックスにカメラを設置している)

(カメラはパナソニックのLUMIXを2台使用している)

(HKT48渕上舞さんと坂口理子さん)

他にも一塁側、三塁側、外野側の3箇所にカメラが設置されていますが、ホームベース後方の視点では、目の前でピッチャーが投球するシーンを球場内の誰よりも近い位置で観ることができます。

なお、VR観戦中はテレビ中継と同じ実況を聴くことができます。また、ズームとの相性が悪いVRの弱点を補うために、アップ映像を映し出すスクリーンも表示されます。

「ホークスVR」に自信あり

今回の「ホークスVR」の取り組みについて、ソフトバンク株式会社の担当課長、杉浦正武氏に話を伺いました。


(新規事業開発室 新規事業推進部 VR事業推進課 担当課長の杉浦正武氏)

この取り組みの前提として、ソフトバンクでは自社調査を実施し「VRが期待されている」ということを説明。若年層を中心に興味を持つ傾向にある中で、体験したことのある人は少なく、機器を保有している人はさらに少なくなっています。

「市場性が不透明でコンテンツも不十分なこと、購入の動機が不十分なことでゴーグルの普及数が限定的」と負のスパイラルが発生しているのではないか、と杉浦氏。さらに実写コンテンツの場合、権利調整やカメラの置き場所など撮影に手間がかかることを強調しました。

今回のホークスVRでは、権利調整もクリアしVR観戦に最適な場所にカメラを設置することができているとのこと。カメラを新たに設置するために、ホームベース後方はドーム内の壁に新たに穴を開けています。「フィールド内には置けないが、(最前列より前の)フィールド外ぎりぎりに置きたい」との考えでこの場所への設置が決まったそうです。


ソフトバンクとホークスは、すでに2018年開幕戦で試験的に無料でVR中継を行っています。その時はカメラの位置やステレオの有無は異なっており、より改善されています。

テスト放送では試合終了まで視聴数が減らなかったこと、一部のユーザーは60分以上見続けていること、などから「ホークスVR」のコンテンツには自信を持っていると語りました。


また視聴機器を持っている人も少ないことから、VRゴーグルもセット販売。競争倍率も高いファンアイテムである限定ユニフォームと併せることで、これまでVRゴーグルを買っていなかった層の利用を狙っていると考えられます。

さらに臨場感を高める要素として音がありますが、「ホークスVR」では、スタジアム内の音声はテレビと同じように聴こえてきます。まるでスタジアムにいるかのような立体音響の採用は今後考えたいとのこと。この立体音響は課題となりそうです。

また今回はiOS、Android向けのアプリということで、Oculus GoなどVRヘッドセット向けのアプリは配信がありません。杉浦氏は「多くのみなさんが持っているデバイスを優先した。高解像度のディスプレイを搭載したスマートフォンで見ていただきたい。(Oculus Goなどへの)対応は検討したい」と語りました。

最後に杉浦氏は、「今までになかった新しい体験を提供したい」と語り、今後の展開に関しては、「現在、確定しているものがない」としつつも、担当としては「通年での取り組みや球団の垣根を超えた協業」にも関心があるとのこと。

アメリカではプロバスケットボールリーグやアメリカンフットボールでVRライブ中継の取り組みが加速し始めています。「ホークスVR」が期間限定ではなく通年に、そして一球場に限らず各球場で採用されるような展開に期待したいところです。

(取材後に筆者がソフトバンク×ロッテ戦を観戦したときの写真。この日はソフトバンクが劇的なサヨナラ勝ちを見せた。スタジアムで感じられる一体感や気持ちの昂ぶりは独特なもの。この臨場感、VRでどこまで再現できるだろうか)

「ホークスVR」は、VRゴーグル、視聴権チケット、鷹の祭典2018専用ユニフォーム(レプリカ)がセットになって8,640円(税込)。「福岡 ヤフオク!ドーム」と公式通販ショップ「ダグアウト」で限定販売中です(視聴は購入者しかできないため注意が必要です)。

この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。Boothにて書籍「寝転んでNetflixを観ると、 VRの未来が見える」販売中

Twitter:@tyranusii

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