手持ちのスマートフォンで手軽にVR体験を楽しめるモバイルVR。しかし、Amazonで検索をかけるとあまりにも多くの種類のモバイルVR用デバイスが見られ、どれを買ったらいいか分からないと思います。
参考までにMogura VR編集部では全てのデバイスを実際に検証し、一つ一つレビューしていきます。
第15回は「ハコスコDX」。販売元は「ハコスコ タタミ2眼」などでおなじみのハコスコです。
今回のレビューでは、スマートフォンは「Xperia Z5 Premium」、イヤホンはソニーの「MDR-NWNC33」を使用しました。筆者の視力は0.01の近視です。
ハコスコDXの特徴
まずなんといってもコンパクトです。そして、プラスチック製で、可動部もしっかりとしたつくりになっているので頑丈です。
それらを満たすためなのか、スマートフォンの装着方法も独特です。
まず、これが最も小さい状態、持ち運び時の形状です。このままではヘッドマウントディスプレイ(HMD)前面にスマートフォンが入りません。なので、これを変形します。変形させる時は結構大きな音がするので、壊したのではないかと不安になりますが、仕様なので気にせずバキバキ変形させます。
横に広げた状態です。
そして、縦にも開いた、最も広がっている状態です。この状態のHMD前面に、コンテンツを表示させたスマートフォンを置いて、先ほどHMDを開いたのとは逆の要領で閉じていき、スマートフォンを固定します。
スマートフォンを固定した状態です。これでやっと、VRコンテンツを体験することができます。
なお、メガネは使用できません。ただし、メガネを使用せずともピントはあったので、あまり気にしなくてもよいかと思います。
IPD(瞳孔間距離)の調整、ピントの調整は可能です。IPDを調節するレバーはHMD上部についています。
ピントの調整は、レンズを直接ぐるぐると回転させることで調整します。この点は面倒です。
頭にかけるベルトは頭を横に一周するベルトと、頭の頂点を半周するベルトの二本で構成されており、Gear VRと同じ構造です
ハコスコDXの優れている点
視野角は、没入の妨げにはならないほど広く、メガネが使えないほど密着するように設計されているためか、鼻とHMDが触れるところからの光の漏れもありません。
視野角と光の漏れに関する部分はVRコンテンツへの没入に大きく関わるところなので、この点がしっかりと対策されているのはとても良いです。
ハコスコDXの悪い点
ピントの調整が面倒ですが、このHMDはそこまで神経質にピントをいじってもあまり変わらなかったので、気にしなくてもよいと思います。
問題は、スマートフォンのHMDへの装着に時間がかかることです。
スマートフォンをタップできるスイッチのついていないHMDの場合、コンテンツを起動してからすぐにHMDに装着しないと、コンテンツがもうすでに始まってしまっているということがよくあります。
そのため、HMDへのスマートフォンの装着のしやすさはとても重要なのですが、特徴の項で説明したように、スマートフォンをはめこんで、そのあと一度HMDを変形させて閉じなくてはいけません。
慣れれば素早くできるのですが、慣れるまでは苦労する点です。
ハコスコDXの総評
メガネが装着できない、スマートフォンの装着がしずらいなど、いくらか悪い点はあったとしても、視野角が広く、光の漏れもほとんどないという、とても重要なツボを押さえているHMDです。コンパクトで頑丈で持ち運びがしやすいので、誰かに360°写真を見せたい、VRコンテンツを体験してもらいたいというときに威力を発揮するHMDだと思います。オススメです。
デバイス名:ハコスコDX
メーカー:ハコスコ
価格:3240円(8月23日現在)
視野角:不明
IPD調整:可
眼鏡の使用:不可
対応スマホ:4~6インチのスマートフォン
良い点:持ち運びに最適で十分没入感が得られる
悪い点:スマートフォンの組み込みが複雑