VR元年と呼ばれた2016年からしばらく経ちました。いまではゲーミングPCやPlayStation 4(PS4)と接続して楽しむタイプのハイエンドなVRヘッドセットのほか、スマートフォンを装着するタイプのVRゴーグルを使うことで様々なVRを楽しむことができます。
今回はスマホと組み合わせて高クオリティなVRを楽しめる、VRヘッドセット「Gear VR」について解説します。
目次
1.Gear VRとは
2.Gear VRの特徴
3.Gear VRを使うために必要なスマホは?
4.価格と入手方法は?
5.Gear VRのスペック
6.Gear VRでできる、おすすめアプリは?
1.Gear VRとは
Gear VRは、対応しているスマートフォン(スマホ)をセットして頭に装着することで、VR(バーチャルリアリティ)を体験できるVRデバイスです。スマートフォン「Galaxy」シリーズを開発するサムスン社、そして米フェイスブック傘下のOculus社が協力して開発を行っています。
Gear VRを装着し視界をディスプレイで覆うことで、世界各地の風景や現実ではありえないゲームの世界などに、そのまま入り込んでいるかのような臨場感・没入感のある体験ができます。
https://www.youtube.com/watch?v=gghYoUlhyVU
例えばYoutubeやNetflixの動画を大画面で楽しんだり、360度見回すことができる動画やVRのゲームに没頭したりできます。Gear VRで見ることができる動画やゲームは多数あり、どれも日常では体験できないようなものばかりです。
Gear VRは2015年版、2016年版、そして2017年版の3種類が存在します。2017年版は「Gear VR with Controller」として、専用のコントローラー付属で販売されています。2016年版ではGalaxy S7以降にも対応し、視野角が拡張しました。
2.Gear VRの特徴
使うための準備が簡単
Gear VRはスマートフォンをはめ込むだけで使用することができます。高性能なゲーム向けのパソコンや、他の専用機器と接続するためのコードなどは必要ありません。またGear VRで使用できる様々なアプリも、Gear VR専用のアプリである「Oculus Home」からダウンロードしてそのまま起動できます。
センサーが複数搭載されており、精度が高い
Gear VRの内部には加速度センサーやジャイロセンサーなどが搭載されています。これがGalaxyのスマホに搭載されたセンサーと組み合わさり、精度の高く快適なVR体験ができるようになっています。
視力が弱い人も安心、メガネをかけたままでもVRができる
Gear VRの本体上部には視力に合わせて見え方を調整するためのダイヤルがついており、視力0.1未満の人でも、メガネをかけずにVRを体験できます。さらにメガネをかけたままで見ることもできるので、自分の視力に応じてVRを楽しめます。
写真は旧型Gear VRですが、新型でもメガネはばっちり入ります。
専用コントローラーで快適に操作
専用コントローラーである「Galaxy Gear VR Contoller」がGear VR本体とセットで販売されています。従来のスマホを利用したVRデバイスの場合、スマホへのタッチ操作を行うためのボタンがVRデバイス本体についているケースが多いのですが、操作のたびに腕を上げ下げする必要があり、煩わしく感じることもありました。
この専用コントローラーを使う場合、ひざや机の上に腕を置いたまま操作ができるので疲れにくくなります。コントローラーの精度も十分で、使うための準備もすぐ終わるため、購入してからすぐに快適な操作ができます。
3.Gear VRを使うために必要なスマホは?
Gear VRでVR体験をするためには、サムスン社が開発しているGalaxyシリーズのスマートフォンが必要になります。それ以外のAndroidのスマートフォンや、iPhoneは対応していません。Gear VRに対応しているGalaxyのスマートフォンは以下の通りです。
・Galaxy Note8
・Galaxy S8/S8+
・Galaxy S7(※)/S7 edge
・Galaxy Note5(※)
・Galaxy S6/S6 edge/S6 edge+
Gear VRでの体験には、スマホでもかなりハイスペックなものが必要です。多くの3Dオブジェクトを処理し、高精細な画面表示を実現するためには、性能の高いプロセッサを搭載しているスマホが必要となります。またS6やNote5などと比べ、S8やS8+といった最新機種の方がおおむね高性能なので、綺麗かつ快適にGear VRを楽しむことができるでしょう。
Galaxy S6では負荷が大きくかかりがちで、長時間のVR体験を行うとスマホが熱を持ち、VR体験が中断されるケースもありました。S8では性能の向上等に伴って発熱が抑えられており、長時間使用にも十分耐えうるようになっています。
Galaxyのスマートフォンはdocomoやau、ソフトバンクなどが展開しています。
(※Galaxy Note5、S7については国内未発売)
4.価格と入手方法は?
Gear VRはAmazonやauのオンラインショップ、その他KDDIなどの直営店でも購入が可能です。他にも家電量販店である、ヨドバシカメラのオンラインストア「ヨドバシ・ドット・コム」などでも購入できます。2017年12月時点で最新の型番は「SM-R325」です。
コントローラーとセットの最新版「Gear VR with Controller」は、auオンラインショップでは税込16,740円となっています。コントローラーが付属していない旧型(2015~2016年のモデル)であれば安く購入できるケースもありますが、快適なVR体験をする、という観点からはコントローラーつきの「Gear VR with Controller」をオススメします。
5.Gear VRのスペック
Gear VRの主なスペックは以下の通りです。対応しているスマホの解像度が高いため、映像は鮮明です。また重さも軽めになっており、人間工学に基づいたデザインがされているため、長時間つけていても疲れにくく快適にVRを体験できます。
型番 |
SM-R325(2017年12月時点の最新版) |
サイズ |
横幅207.8mm×奥行98.6mm×高さ122.5mm |
重量 |
約345g |
搭載センサー |
加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー |
視野角 |
101度 |
レンズ直径 |
Φ042mm |
6.Gear VRでできる、おすすめアプリは?
Gear VR専用アプリである「Oculus Home」では多数のゲームや動画がリリースされています。その中でもオススメのコンテンツをいくつか紹介します。次々と色々なコンテンツが配信されているので、ここで紹介したもの以外にも「これは面白そう!」と思うものがあれば、ぜひプレイしてみてください。
Dead and Buried
西部劇風のシューティングゲーム『Dead and Buried』。プレイヤーはウェスタンの執行官またはならず者のどちらかに扮し、迫りくる敵との銃撃戦に挑みます。クオリティも高くゲームルールも分かりやすいため、最初に遊ぶタイトルとしてもオススメです。
ElectroBeats
リズムに合わせて頭を動かす、VRならではのリズムゲーム『ElectroBeats』。まっすぐ伸びる3つのレーンを行き来して、音楽に合わせて体を動かします。「音楽を聴いているとき、体がリズムに乗って動いてしまう」というありがちな現象をうまく使った、ユニークなリズムゲームになっています。
Netflix
ストリーミング動画アプリと言えば『Netflix』。Gear VRでは、映画館に行かずとも大画面で映画やドラマ、アニメを楽しむことができます。動画の中の全方位を見渡せるわけではないのですが、専用のホームシアターのような空間に入り込み、大きな画面で様々な動画を独り占めすることができます。寝そべって見ることもできるので、ベッドや布団から一歩も動かずにホームシアターが楽しめる……と考えるとなかなかのものです。
Disney Mobies VR
ディズニーがOculus Home上で公開しているアプリ『Disney Movies』。こちらのアプリでは映画の中に登場する世界に入り込み、様々な場所や風景を見て回ったり、ドキッとするような体験をしたり……といったことができます。『美女と野獣』や『スター・ウォーズ』などのVRコンテンツが無料で配信されています。
Gear VRのおすすめコンテンツをもっと知りたい方は下記記事をどうぞ。
Gear VRでオススメのVRゲーム・アプリ(2016.8版)