Home » 名峰・石鎚山の登山を360度撮影 360度カメラ「Garmin VIRB 360」レビュー


VR動画 2018.05.31

名峰・石鎚山の登山を360度撮影 360度カメラ「Garmin VIRB 360」レビュー

去年秋に発売された米ガーミン社の360度カメラ、Garmin VIRB 360。GoPro Fusionなどのハイスペックな360度カメラが続々と発売されていますが、実際に旅行やアクティブな環境で使用してみると、一体どのような使用感を得られるのでしょうか。本記事では、Garmin VIRB 360を四国の名峰である石鎚山で使用した感想を挙げていきたいと思います。

[ads]

今回は完全にフルオートで撮影を行い、検証しました。Garmin VIRB 360をスマホに繋げることで使用できる「プロモード」では細かい設定が可能ですが、今回は手軽さ重視ということでそのままでの撮影です。


(室戸岬)


(小豆島 屋形崎からの夕焼け)

撮影対象の遠近によるスティッチング設定が可能ですが、今回はスティッチング設定を「近い」に設定しています。ただGarmin VIRB 360は近場のスティッチングが甘いところがあり、撮影者の頭が二つに割れてしまわないように自撮り棒などを持つ位置に注意です。また、フルオートで撮影した場合はjpgノイズの発生が気にかかります。


(空の部分を拡大。ノイズが発生している)

さてアクションカムという事もあり、今回はよりアクティブな状況で使用してみたいと思います。上述の通り、四国にある百名山・石鎚山で撮影を行いました。石鎚山は西日本最高峰の山です。登山道には度々鎖があり、登るのに苦労します(回避ルートもあります)。


こういった静止画の撮影には様々な企業が挑戦しており、Garmin VIRB 360が特別優れているという訳ではありません。むしろ静止画のみの撮影であれば、2万円代のRICOH THETAなどのカメラの方がコストパフォーマンスは良いと思います。

しかし、Garmin VIRB 360は5.7Kという高画質で撮影が可能であり、さらにVRで撮影した映像を再び編集できる機能(HyperFrame機能)を使えます。付属の標準ソフトであるGarmin Editだけで自分の見せたい個所を切り取ることができ、PC上で直感的かつ安定して操作・編集可能です。静止画や通常の360度動画だけでは伝わりにくかった崖の勾配の臨場感を表現できました。

またVIRB 360には様々なセンサーが埋め込まれており、カメラから情報を取得して標高や移動距離などの様々なデータを動画に反映することができます。後から見返した時に、自分がどれぐらいの距離や高さを登ったのかなどを調べて楽しむこともできます。

登山などのアクティブな活動を行なっている際、撮影したくなったらカメラの設定をいじって写真モードから映像モードに変更して……といった煩わしいことは、あまりやりたくはありません。そこで便利だったのが、以下のスライドスイッチでした。撮りたいという衝動に駆られた時に、このスイッチをずらすだけで録画が開始されます。

また、大半の360度カメラには出っ張った広角レンズが装備されています。これがなかなか曲者で、アクティブなシーンを撮影したいと思っていても、傷つけそうでちょっと怖い……と感じる人も多いはず。VIRB 360はアクセサリとして交換レンズ(税別3600円)が発売されており、激しいシーンを撮りたい人にもおすすめできる360度カメラです。

今回Garmin VIRB 360を実際のシーンで使ってみた感想として、静止画に関しては少々不満が残りました。しかし動画に関しては、アクティブなシーンでは画角などの設定まで頭が回らないため、後から自分の見せたいところだけを切り取ることが出来るHyperFrame機能はとても便利でした。

また利便性以上に、通常の360度映像表現よりも表現力が増しているため、使っていて非常に楽しいカメラでした。他の動画制作ソフトも必要無く、付属のソフトウェアだけで高品質な動画制作できる点も嬉しいです。動画メインの人には”買い”のカメラではないでしょうか。

(参考)Garmin VIRB 360


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード