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企業動向 2023.11.10

「ホロライブ」のカバーが中間決算発表、イベント・物販が好調で増収増益

11月9日、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社は、2024年3月期の第2四半期決算を発表しました。ライブ・イベント分野の好調や、コマース事業の売上などが寄与し、前年同期比で売上高・営業利益・純利益いずれも増加しました。


(出所:カバー株式会社)

カバーの決算発表によれば、第2四半期の売上高は71億3,300万円(前年同期比+70.2%)、営業利益は14億800万円(同+172.9%)、当期純利益は10億3,600万円(同+172.4%)と、前年同期と比べて大幅増となりました。各指標とも累計(4-9月)の進捗率は50%前後に達しており、当初業績予想の変更はありませんでした。


(出所:カバー)

VTuberのチャンネル登録数・収益ともに伸長

同社は「IP指標」として3種類の業績指標を開示しています。「Youtube総チャンネル登録数」は8,319万人(前期比+537万人)で、言語地域別にみると日本5,123万人、英語圏2,812万人、インドネシア930万人でした。

また、「在籍VTuber数」は82名(前期比+7)で、このうち36名がチャンネル登録数100万人以上のVTuberです。「在籍VTuberあたり年間収益」は3億400万円(+1,100万円)で、「コマース領域に強いモメンタムを背景にVTuberあたりの収益が伸長」したとしています。在籍VTuber1人あたりの利益は約3億円に達しました。


(出所:カバー)

「イベント」集客と多様なメディア露出を拡大

こうした業績好調の理由として、同社はオンサイト会場を伴う主催コンサート(3回)、海外イベント出展(18件)といった「ライブイベント」で「計画を上回る集客を実現」したとしています。

また、ライブ配信以外のメディア露出を推進したとして、宝鐘マリン「美少女無罪♡パイレーツ」の拡散、星街すいせいの「阿蘇ロックフェスティバル2023」出演、「hololive Meet」を通じた海外イベント出展、がうる・ぐらの「Streamy Awards(Individual: VTuber部門賞)」の授賞などに言及しました。

売上の主軸は「ライブ配信」から「グッズ物販」へ

サービス別の売上構成をみると、「マーチャンダイジング」(43.7%)や「ライセンス/タイアップ」(14.7%)の構成比が上昇し、「配信/コンテンツ」(28.1%)や「ライブイベント」(13.5%)は減少しています。自社EC等における定番商品の通年供給も進んでおり、売上の主軸がライブ配信から物販に変化したことが窺えます。


(出所:カバー)

メタバース開発などの事業投資を継続

同社は決算短信で、「中長期戦略として①付加価値の高いIPの開発とファンベースの確立、②コマース展開と先行投資、③メタバースサービスの展開の3段階の事業拡大戦略を掲げ、持続的な成長を目指してまいります。」とコメントしています。なお、自社開発を進めるメタバース「ホロアース」については、開発費用を無形固定資産として資産計上し、通期で20~23億円を投じる計画としました。

(参考)カバー


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