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音楽・ライブ 2022.11.08

感動は想像以上! Quest 2でも入場できる「コードギアス 反逆のルルーシュ×FLOW」バーチャルライブを体験

アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」と、同作品で主題歌を歌うバンドグループ「FLOW」がコラボレーションした、初のバーチャルライブコードギアス 反逆のルルーシュ×FLOW バーチャルライブ

11月6日(日)と11月13日(日)にそれぞれ1回ずつ公演を予定しており、6日に行われたA公演には大勢のファンが参加。VRChat会場は複数のインスタンスに人が集まる盛況ぶりだ。

また「想像以上にすごかった!」「もっとたくさんの人に体験してほしい」「知っていれば参加できたのに……」といったSNSでの声を受けて、チケットの再販も決定。公式サイトでは現在、13日のB公演のチケットが購入可能となっている(販売は10日まで)。

本記事では、6日に開催されたA公演の模様を紹介。ライブではどのような演出があり、どのようなパフォーマンスが見られたのか。また、ステージに現れたルルーシュの口からは、何が語られたのか。「アニメの要素をふんだんに取り入れたバーチャルライブ」として、見どころも盛りだくさんだったライブのレポートをお届けする。

※ステージ演出や追想パートの内容にもふれた「ネタバレ」を含む内容となっているため、B公演に参加予定の方はご注意ください。

Meta Quest 2でも楽しめるバーチャルライブ!

このライブでは、FLOWによる没入感のあるライブパフォーマンスを堪能できるだけでなく、「コードギアス」ファンには嬉しい要素も多数盛り込まれている。

というのも、幕間の追想パートではルルーシュが登場し、彼自身の口から語られる「コードギアス」の物語を聞きながら、作品について振り返ることができたのだ。しかもルルーシュのボイスは、福山潤さんによる新規収録となっている。

ライブが行われたのは、ソーシャルVRサービス「VRChat」の特設ワールド。本イベントの特徴のひとつとして、「Meta Quest 2単体でも参加できる」点は大きな魅力だろう。VRChat上で開催される音楽ライブはハイスペックPC+VRヘッドセット環境が必要となる場合が多く、Quest 2のみで参加できるイベントは少なかったからだ。ちなみに、“現地”を訪れることができない人向けにSHOWROOM配信も行われている。

ライブ会場には、専用のアバター衣装で入場。アバター作成アプリ「MakeAvatar」であらかじめつくった3Dモデルをアップロードしておき、入場時に着替えるスタイルになっている。待機部屋に設置されているペデスタルで、指定のアバターに着替える形でもOKだ。

イベント当日は、XMarketの入場ページからライブ会場へとアクセスする。パソコン上での操作が若干必要となるが、入場の方法自体はさほど複雑ではない。詳しくは公式サイトの「ライブの流れ」のページをチェックしてみてほしい。

ルルーシュと共に巡る「コードギアス」の世界

イベント当日は、まず待機部屋へアクセス。部屋の中にはライブを快適に楽しむための設定と、その変更方法、諸々の説明が書かれているので、早めに入場してチェックしておこう。

開演時間が近くなるとゲートが開かれるので、そこからライブ会場へ。

ワープした先は、神聖ブリタニア帝国と日本の国旗が掲げられたステージ。ほかの観客と一緒に周囲を見回していると、やがて空間が暗転。暗闇に包まれたステージから、ルルーシュの声が聞こえてきた。この場にいる全員に語りかけるような彼の言葉によれば、ここは彼の記憶の世界らしい。

我々観客がなぜこの場所に迷い込んだのかは定かではないが、彼の口から説明された言葉によれば、こうだ。

「この『ルルーシュ』という人間が生きた道のりを、君たちに覚えておいてもらいたいから――。もしくは、君たちが覚えておきたいと願ってくれたからなのかもしれない」

そう語る彼の声色は、まるですべてを成し遂げたあとであるかのように憂いがなく、どこか優しさを帯びているようにも感じられた。これより語られるは、1人の少年の物語。

ルルーシュの独白から始まった記憶を巡る旅路では、会場のスクリーンでダイジェスト映像を流しつつ、アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の物語を追想していく。

第1幕では「ルルーシュ」という少年の生い立ちと背景、大切な妹や親友の存在と「ギアス」の力を手に入れるまでの経緯が、他ならぬ彼自身の口で語られた。

彼の話にあわせてステージがたびたび変形していたほか、映像と連携して音楽も切り替わるなど、単なる「ダイジェスト映像」にとどまらない臨場感があった。次回予告でおなじみの劇伴「Previous Notice」がルルーシュの声と呼応するように流れた瞬間は、思わず「これだよこれ!」と叫びたくなるほど気持ちがたかぶってしまった。


――俺は手に入れた。世界を変える力を。ギアスを! ……自分を、世界さえも変えてしまいそうな瞬間は、そこにあったんだ」

最後にそう言い残し、再び暗転する空間。

アニメファンからすれば聞き覚えしかないフレーズが残され、暗闇で期待感を高めながら待つことしばし。ややあって聞こえてきたのは、おなじみの楽曲のイントロ。と同時に、目の前を色とりどりの光線が通過していく。最後に放たれた光線の発信源に5人のシルエットが浮かび上がり、FLOWの面々がステージに現れた。




1曲目は、アニメ第1期の1stオープニングテーマ曲「COLORS」

「コードギアス」という作品の始まりの歌でもあり、放送から16年が経つ今なお「思い出のオープニング曲」として記憶しているファンも多いのではないだろうか。

そんな1曲を、時間も空間も飛び越えて全力で披露してくれたFLOW。改めて言うまでもないが本イベントは「ライブ」であり、実際のパフォーマンスをVR空間上で見て、聴いて、全身で味わっている格好になる。リアルの姿が投影された5人の姿もさほど違和感はなく、間奏では拳を突き上げながら腕を振る姿を見て、自然と自分も腕を掲げてしまっていた。



もちろん、バーチャルライブといえば空間演出も見どころのひとつだ。光の粒子となって発射される光線に、ステージ上で次々に浮かんでは消えていく歌詞など、想像以上に派手な演出に驚かされた。

というのも、Quest 2にも対応したイベントとなると盛り込めるパーティクル演出にも限界があり、他のVRライブと比べて見劣りする部分もあるのではないか――。正直に言うと、そんな懸念が少なからずあったからだ。しかし、いざ始まってみれば、まったくの杞憂だった。空間を彩る演出とFLOWの歌声&演奏に、1曲目から魅了されてしまっている自分がいた。


最後はこれでもかというくらいの光線と火花、スモークと音波のエフェクトを放出し、1曲目が終了。期待以上のライブ体験に、序盤から圧倒される幕開けとなった。

バーチャル空間で再現された「百万 の キセキ」

本イベントは1曲ごとにインスタンス(このイベントにおいては会場)を移動する形式となっており、合間合間に若干の待ち時間が発生する。

次のインスタンスが開くまでは待機部屋で待つことになるのだが、公演終了後にTwitterで感想を流し読んでいたところ、この待機時間に直前のステージの感想を話していた参加者もいたようだ。同じインスタンスを選んで友達と一緒に参加できるため、B公演では気の知れたフレンドと楽しむのもありかもしれない。


時間になり、第2幕がスタート。訪れた会場で再びルルーシュの口から紡がれるのは、彼の敗北と、偽りの生活の記憶。

アニメ本編では、第1期のラストから第2期『コードギアス 反逆のルルーシュR2』の序盤にかけての話になるだろうか。記憶を取り戻した彼が再び「ゼロ」として立ち上がるまでの葛藤を語る姿を見て、アニメを見ていた当時の記憶がふと蘇り、感慨に耽ってしまった。

そして、仮面を被った彼は高々に宣言する。

「ゼロが命じる! 黒の騎士団は全員、特区日本に参加せよ!」

ルルーシュ……いや、ゼロが宣言した次の瞬間、今まで夜だったはずの空間に突如として青空が広がり、ステージにいたはずのゼロも消失。

また同時に、我々観客がいた空間にも煙が立ち込めて、視界が奪われる自体に。そして煙が晴れたとき、ふと違和感を覚えて周囲を見わたすと……なんと、自分を含む観客全員がゼロの姿になっているではないか!


ステージではスクリーンに大きく映し出されたゼロの演説が続いており、「すべてのゼロよ! いざ進め! 自由の地へ!」と高らかに叫んでいる。

そう、つい先ほどまでは「自らの記憶を追想するルルーシュの言葉」を聞いていたはずが、いつの間にか、「行政特区日本の式典で群衆に語りかけるゼロの演説」にすり替わっている。そして、我々の姿もゼロそのものになっている。

つまり、ルルーシュの記憶をたどる旅の「観客」であったはずの我々が、ある意味では「物語に取り込まれてしまった」と言ってもいいかもしれない。『コードギアス 反逆のルルーシュR2』TURN 8「百万 の キセキ」の舞台に。

「忘れるな、ブリタニアよ。お前たちが光なら、我らは闇で構える。そうしてでも叶えたい願いがあるのだから――」

ゼロの言葉に応じるように、再び現れたFLOWのメンバー。しかし先ほどとは異なり、今回は3Dアバターの姿での登場だ。それもこの式典会場に相応しい、ゼロのコスチュームに身を包んでのパフォーマンスである。

「ステージ上で歌と演奏を披露する5人のゼロを、フロアから10人以上のゼロが見守る」という、一見するとシュールだが、この空間においては最高にしっくりくる光景が出現した。なぜならここは、「百万 の キセキ」をバーチャル空間に再現した舞台なのだから。




2曲目は「DICE」。本シリーズをリアルタイムで視聴して以来、しばらく離れていたファンの中には、もしかしたら首を傾げる人もいるかもしれない。アニメ放送15周年を記念して2021年に放送された『15周年 コードギアス 反逆のルルーシュ』のオープニング主題歌だ。

“光へと両手を伸ばす”ことを歌っていた「COLORS」に対して、今しがたゼロが語っていたように、“闇で構える”のが「DICE」。楽曲の随所から「COLORS」のテイストが感じられるため、初めて聞く人もサビでの最初のフレーズですぐにピンとくるはずだ。




仮想世界に鳴り響く鐘の音


続いて足を踏み入れた第3幕の会場では、ルルーシュの追想が始まると視界が暗転。C.C.の願いが作中で初めて語られた歯車の空間から、さらに黄昏の間へと切り替わっていく。

そこで語られたのは、彼が「ギアス」の力を得るのと引き換えに失ったもの。そして『コードギアス 反逆のルルーシュR2』TURN 15「C の 世界」で、死のうとするC.C.に向かって叫んだ本心からの言葉。世界の謎の一端が明かされ、その後の展開にも大きく関わるエピソードについて振り返りながら、三度FLOWが現れる。

3曲目は「PENDULUM」。2022年5月にリリースされたゲーム「コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ」のテーマソングだ。


ステージと衣装が変わったことで、ここまでの2曲とはまた異なる感動と興奮があった3曲目。

作中では荘厳さと異質さを感じられる空間だったが、この神殿のような世界に、鐘の音が繰り返される「PENDULUM」の歌詞と音色は思いのほかマッチしているように感じられた。エモーショナルな2人の歌声とギターサウンド、右から左へとたゆみなく流れ続ける歌詞の演出もたまらない。





記憶を巡る旅路の終点、世界の終わりで生まれた光

記憶を巡る旅路もいよいよ終盤。物語の終わりが見えてきた。第4幕で語られるのは、超合衆国の誕生、スザクへの懇願、すべてを飲み込むフレイヤの光。シャルルとの対峙を経て、人に優しい世界を実現するために、ひとつの決意をしたルルーシュ。



神聖ブリタニア帝国の皇帝となり、ひとつの世界の終わりを見据えてルルーシュが放った言葉――最終話「FINAL TURN Re;」で戦場に向けて放たれた宣言が、目の前にいる彼からも紡がれる。

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる! 世界は! 我に従え!!」


物語の終わりを彩る4曲目は、「コードギアス 反逆のルルーシュR2」後期オープニングテーマ「WORLD END」

ステージにいるFLOW側も「盛り上がっていこうぜ!」と言わんばかりに掛け声をあげる。ここに来て観客側と同じTシャツを身にまとって登場したことで、ライブならではの一体感も強まったような感覚がある。




フロアの床までエフェクトが映し出され、出し惜しみはしないかのごとく多様に変化する歌詞アニメーションが空間を彩り、ステージ演出も全力全開。スクリーンを流れる映像も終盤は最終話をメインに構成されていて、その結末に思いを馳せずにはいられない。端的に言って、ズルい

FLOWの面々もここまでの3曲以上に動きまわるパワフルなパフォーマンスで魅せており、まさに「ライブ終盤」の様相。歌と演奏、映像と演出、すべてが組み合わさって生まれるステージパフォーマンスも最高潮に達し、終わるのが惜しくなるほどのすばらしいライブだった。




最後は「どうもありがとうございました! FLOWでした!」と挨拶をして退場。

イベントとしては最後に「第5幕」があるのだが、イベントの入場ページでは「SECRET」として隠されており、次の日曜日にはB公演も控えているため、言及するのは避けておこうと思う。参加予定の人はぜひ現地で確かめてみてほしい。

B公演の再販チケット販売は10日まで!

終わってみればあっという間だった気もする、「コードギアス 反逆のルルーシュ×FLOW バーチャルライブ」。

約70分のあいだに想像していたよりも多くの見どころと体験が詰め込まれており、間違いなく記憶に残るイベントとなった。繰り返しになるが、何と言っても「Quest 2であの体験ができる」のはすごい。もしQuest 2を持て余しているギアスファンやFLOWファンがいたら、ぜひともB公演には参加してみてほしい。

また、VRでの操作に慣れていない人も参加することを想定して、各インスタンスにスタッフが配置されていたのも良かった。

待機部屋での案内も慣れた様子で、FLOWのパフォーマンスが終わるたびに「次の会場へ移動をお願いしまーす!」と即座に声かけをしてくれていたのもありがたい。おかげで移動に躊躇するような場面も一切なく、集中してライブを楽しむことができた。「黒の騎士団」風のアクセサリーを装着しながら案内しているスタッフさんもいて、世界観に溶け込んでいたのも個人的に好きなポイントだ。


また、本イベントに際してアニメの思い出を振り返ることのできる展示会場もオープンしているので、まだ足を運べていない人はそちらもチェックしてみてほしい。アニメの原画やナイトメアフレームが展示されており、特に原寸大のランスロットや紅蓮はファン必見だ。

「コードギアス 反逆のルルーシュ×FLOW バーチャルライブ」は、13日開催のB公演で幕を閉じる。再販チケットの販売は10日までとなっているため、忘れないうちに購入しておこう。

公式サイト:https://gugenka.inc/codegeass


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