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VRゲーム・アプリ 2022.11.07

「やり過ぎ」と「可能性」が詰まった大ヒットVRゲーム「BONELAB」クリアレポート

2022年9月30日(金)にリリースされるやいなや、Meta Quest 2版が1時間以内に約1億5,000万円(100万ドル)の収益を達成し、過去最速の大ヒットとなった話題のVRゲーム「BONELAB」。

今回はそのMeta Quest 2版をクリアまで遊んだレポートをお届けします。

内容はあらゆる意味でやりたい放題! ハードコアなアクションを求めるVRゲーマー必携の1本になっていました。

バラエティ豊かなステージ構成

ゲームは罪人の姿になったプレイヤーが、仕掛けだらけの不思議な研究所を進んでいく構成です。最初のステージが終わると辿り着く「HUB」がゲームの中心になる場所で、そのままメインストーリーを進めても良し。敵とのバトルやタイムアタックを楽しむおまけモードや、他のユーザーが作成したMODのダウンロードを楽しんでも良し。

日本語非対応ですが、ほぼ一本道の進行であり、アイコンを使った操作説明もあるので、なんとかなります。ただ、「HUB」から先に進むために中央部分でクレーンゲームを遊ぶ仕掛けと、その次のコントローラーを拾ってプールの栓を抜くくだりは少々分かり辛いかも。

ステージは研究所を進みながらの銃撃戦や、荒れたストリートでの格闘戦、銃座が付いたトロッコに乗っての射的、カートに乗ってのレースなど、1ステージ毎に雰囲気がガラッと変わるアトラクション形式。

敵と戦いながら線路の上を進み、電車が来たら素早くしゃがんでやり過ごしたりと、VRならではのヒヤッとする仕掛けも盛り沢山になっています。

やりたい放題のアクション

基本は両手を使った主観視点のアクション。

両手を使って段差をよじ登ったり、ロープを掴んだり、ダッシュからのジャンプで穴を飛び越えたりと、物理演算を使ったアスレチック全開な作り。

銃を撃つ時は身体に付けたガンベルトから弾を取り出して、プレイヤーの手で銃に装填し、スライドを引いてから撃つ! 手間が必要ですが、これが実に楽しい。

二丁拳銃やポンプアクション式ショットガンもあるので、アクション映画気分でカッコ付けながら戦いたくなりますね。使わない銃を腰や胸のホルスターに収めておけるのも良し!

しかし遮蔽物を挟んで結構激しい撃ち合いになるので、弾をリロードしようとしてうっかり弾を落としちゃうこともよくありますね。
慌てて弾を拾おうとしてる時に敵に接近されて、とりあえず銃を振り回して敵を殴るという、完全にアクション映画で死ぬ奴の動きになることもしばしば。

さっきまで主人公気分だったのに急にダサくなってしまった!

ただ、敵はそこまで強くないので大体なんとかなっちゃいます。

ダサい奴にも優しい世界……!

銃以外にもナイフに鉄パイプやレンガ、箱、マグカップにキーボードまで。とりあえず手に持ったものは武器になる作り。それどころか「掴んだ敵をヌンチャクのように振り回して他の敵を倒す」という芸当も可能です。

『刃牙』で範馬勇次郎が使ってた「ドレス」だ! 異世界で烈海王も使っていたあの大技が使えるなんて!

あえて変な武器で敵を倒すのも一興。これはトイレのスッポンと銃を持って「トイレのスッポンと銃を組み合わせた最強の格闘術が出来た!」と喜んでいたら、スッポンが銃にくっ付いて慌てた時の画像です。

敵は人間タイプの他に、顔に飛びついて脳をハッキングしてくる機械のクモも登場します。
SFホラーのお約束っぽいデザインが良し。最初はビビりますが動きが直線的なので、
慣れてくると突進を両手でキャッチしてポイ捨ても楽々。

左手で掴んで右手の銃で銃弾を撃ち込むなんて倒し方をしてみるのも楽しい。見慣れるとかわいいやつです。

見た目以外も個性的なアバターたち

新しいステージに入る度に新しいアバターが解禁される作りになっていて、筋肉モリモリマッチョマンから、日本のアニメ風な美少女キャラまで多彩。

先へ進む度にワクワクさせられますね。

しかも結構かわいいデザイン!

終盤に入るとアバターを自由に切り替えられる能力が解禁されるので、背の低いアバターに切り替えて狭い穴に入り込んだり、巨大なアバターに切り替えて大穴を飛び越えたり、
力の強いアバターに切り替えて敵をなぎ倒したりと、シーンに合わせた切り替えが可能。

視界のスケール感も変化するので、巨大なアバターだと敵や武器まで小さく見えるのが面白い作りです。

腕に付いた装置から光の糸を引き出すようにしてアバターを切り替えるのも、変身ヒーロー気分でテンション上がるところ。

ただ、解禁されるのが終盤なのがちょっとじれったいですね。

個々のアバターの操作説明的な、ただ飛んだり跳ねたりするだけのステージが少なくないので、もうちょっと早い段階でバリバリ活用したかった~!

本作には自由にアイテムや敵を設置出来るサンドボックスモードがあるため、何十人もNPCを召喚して乱闘を楽しんだり、自由な武器を試したりできます。

それに加えて他のユーザーが作成したMODを導入して、ステージやキャラをダウンロードすることも可能です。ゲーム自体がこれだけヒットしてるので、今後更に盛り上がること間違いなしですね。

色んな意味で激し過ぎるアクション

物理演算を使ったアクション盛り沢山の本作ですが、長所にして難点でもあるのが激しい動き。四方から迫る敵、高所からの落下に、不安定な足場を飛び移る連続ジャンプと、迫力はあるものの三半規管への負担も多いです。

Oculus Questストアでの判定が「視界の動き:激しい(ごく一部の人を除いて、ほとんどの人にとって快適ではありません)」という最高ランクなのも伊達じゃない作り。

また、勢いをつけるほどキャラの動きや敵に入るダメージが大きくなるので、ついつい腕を振り回してしまいがち。そこも周りに注意が必要ですね。

まあ、VRゲームをガッツリ遊んでいるプレイヤーならばなんとかなるレベルでしょう。

などと余裕で構えていた人間を振り落とすのがカートステージ! 数分ほどのレースゲームなのですが、操作の難しさと視点移動の激しさ、そしてカートが簡単に横転して視界がグルングルン回る事故率の高さで、めちゃくちゃ酔う!

PSVRの初期タイトルでも、このレベルで牙を剥いてくるソフトはあまり無いのでは……?
ここで遊ぶ時は太極拳を使う老人のようにゆっくりとカートを進めるか、体調を万全に整えてから遊ぶことを推奨します!

勇気ある者は圧巻の研究室に飛び込むべし!

ストーリークリアまでは6~10時間ほどで、あとはMODやサンドボックスモード、おまけモードで好きに遊んでくれという構成です。物理演算とプレイヤーの両手を使った幅広いアクションに、銃器のギミックなどで堪能させるなりきり感、アバターを使い分けるアクション、MODによる拡張性と、これでもかと詰め込まれた内容で満足度の高い内容でした。

ただ、三半規管の耐久テストみたいな箇所もチラホラあり、LABで実験されているのはプレイヤー自身なのが身体で理解出来る手応え。

MyDearestが『ディスクロニア: CA』で、誰でも遊べる酔い辛いVRゲームを模索して高評価を獲得する一方で、こういった激しいタイトルがヒットしているのは多様性として素晴らしい事だと思いますね。

冒頭にも書いたように、ハードコアなアクションを求めるVRゲーマーにオススメです!

購入はこちら。
Quest 2版:https://www.oculus.com/experiences/quest/4215734068529064
Steam版:https://store.steampowered.com/app/1592190/BONELAB/


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