Home » 「バ美肉」入門編! 方法や機材、振る舞い方を紹介【2020年版】


VTuber 2020.05.13

「バ美肉」入門編! 方法や機材、振る舞い方を紹介【2020年版】

NHKの番組「ねほりんぱほりん」でも特集され、大きな注目を集めた「バ美肉」。2020年現在、バーチャル世界で美少女となる方は数多く、VRchatやYouTubeなどさまざまなプラットフォームで活動されています。

かわいらしい彼女たちの姿を見て「自分も美少女になってみたい」と考えた方も少なくないはず。そこでバ美肉になる方法や機材について紹介。さらに現在VTuberとして活躍されている日ノ森あんずさんに美少女になるコツや心構えをお聞きしました。

1.そもそもバ美肉とは?

バ美肉とは「バーチャル美少女(セルフ)受肉」の略称です。2018年、VTuberが世に注目を集めはじめた頃にネットユーザーの間で使用されるようになりました。言葉が登場した当時の意味合いは、美少女の3Dモデルや2Dのアバターを自作して“魂”として中に入り、女性のような振る舞いを(視聴者や友人、ファンに)発表することを指していました。2020年現在では男女といった性差を問わず、バーチャルな空間の中で美少女として活動すること自体を表す言葉として利用されています。(※同様に女性が美少年になるパターンもあります)

日ノ森あんずメモ「誰もがかわいい美少女にになれる!」

2018年当時は「バーチャル美少女(セルフ)受肉」という、主に自分の描いた美少女に入る現象のことを指していましたが、現在は定義が広がって、単にバーチャルの中で美少女になることを表すようになっています。「バ美肉」という言葉通りの意味になったといえますね。

「バ美肉」の魅力は「美少女になって誰かと話してみたい」「かわいい存在になりたい」といった願望を叶えられることです。自分の好きが詰まっている顔なので、可愛さに見惚れたり、自撮りしたりするのが楽しいです。現実の自分とは全く違う存在になれるので、現実逃避できるのもポイントですね。

2.バ美肉に必要なことは?

バ美肉するのに必要なのは、バーチャルの世界用の美少女ボディと、可愛くなろうとする精神。日ノ森さんによれば、ボイスチェンジャーといった機材はあくまで、より美少女に近づくためのオプションのひとつだそうです。

日ノ森あんずメモ「羞恥心を捨て、かわいさを極めよう!」

一般に「バ美肉=ボイスチェンジャー使用」というイメージがありますが、ボイスチェンジャーは必須ではありません。実際バーチャル世界には、地声のまま美少女として活動している方も多く見られます。現実の声が自分の理想の声と違うといった場合に活用するのが思います。大事なのは、見られる相手にどう思われたいかを考えることです。

また画面に映っている美少女になりきりたいのであれば、美少女特有の話し方を学んで、抑揚の付け方を押さえると良いと思います。自分が好きなタイプの話し方をする女の子を真似して何度も反復すれば、コツを押さえられるはずです。

逆に「バ美肉」に必要ないものは羞恥心です! 私も美少女になりきろうとする現実の自分の姿をみたとき、めちゃくちゃ恥ずかしかったですよ。理想の姿と現実とのギャップを埋めるのが、羞恥心を消すためのコツです。私の場合は、自分の地声がなるべく聞こえないような環境を作りましたね。さらに真逆のことを言うんですが、必要なものも羞恥心です。私の場合、例えば誰かに無茶振りをされて恥ずかしいと思ったら抑え込まず、そのまま嫌がります。かえって、その嫌がる仕草が可愛さに繋がることもあります。

3.美少女のからだを手に入れるためには?

バーチャル世界で活動するための身体を生み出すには、さまざまな方法があります。「Blender」や「VRoid」を利用して3Dボディを製作したり、「Live2D」と「FaceRig」を組み合わせて2Dボディを操作したりと、方法自体は多種多様です。MoguLiveでは「今すぐVTuberになれる! お手軽ツール20選を徹底紹介」で、初心者でも気軽にボディを手に入れるツールを紹介しています。

日ノ森あんずメモ「難しいときはプロの方を頼ろう!」

自分で3Dボディを生み出す自信のない方は、専門の方に依頼するのも手段のひとつです。私の場合は、はんそで先生に理想の美少女ボディを製作していただきました。元々活動していた肉体に近づくよう(元絵に寄るよう)細かく話し合って、その時のベストな出来になったと思います。自分の姿を好きな女の子のキャラクターに近づけられるのは嬉しいですよ!

4.おすすめのボイスチェンジャーは?

「ボイスチェンジャー」は自身の声を加工するソフトや機器を指します。音の高低を調整すれば、美少女と見紛うような自然なボイスにすることも。「バ美声」や「恋声」といった現在無償で提供されているソフトもあり、気軽に利用できるのがポイントです。また「VT-4 VOICE TRANSFORMER」という音響機材を利用し、マイクとオーディオインターフェイスを組み合わせる声調整をする方法もあります。

日ノ森あんずメモ「美少女の声はいくらでも突き詰められるもの」

私は魔王マグロナさんに調整してもらったVSTプロファイルにて声を変換しています。もし声の調整にこだわるのであれば、マイクとオーディオインターフェイスにはこだわった方が良いでしょう。私の場合、マイクは「Aston Microphones  AST-SPIRIT 」という5万円台のものと、「Babyface Pro」という10万円台のオーディオインターフェイスを利用しています。美少女の声はどこまでも突き詰められるものなので、どこまで理想の声に近づけたいかを考えることも必要です。また安価で気軽にはじめてみたい人には、「バ美声」がおすすめですね。

5.美少女になるための心構えは?

美少女の身体と声を手に入れたとしても、それだけで美少女にはならないのが「バ美肉」の難しいところ。見てくれる人たちに、いかに自分を美少女だとアピールできるかがカギとなります。

日ノ森あんずメモ「女性の自然な仕草を取り入れつつ、“素”を見せる」

私が最初の頃によく陥っていたのが「ネカマっぽくなる(おじさん感がにじみ出てしまう)」問題です。過剰に女の子を演じすぎるあまり、見ていて痛々しい存在になってしまうことがありました。活動していくうちに素の性格とのギャップがなくなってきて今ではほとんど素です(笑)。今でも時々、ネカマっぽくなっていないかを確認したりもします。

ときには女性っぽさを崩すのも大事なポイントです。現実の女性の方々も四六時中“かわいい”を演出しているわけではないので、自然な感じも出せるように心がけています。私の場合は声優学校で演劇の勉強をしていた経験が役に立ちましたね。

6.バ美肉の注意点は?

日ノ森さんによれば、バ美肉になったことで現実の生活に支障がでてしまうこともあるとか。自分が美少女になったまま、リアルでコミュニケーションをとってしまい恥ずかしい思いをしてしまうことも…。

日ノ森あんずメモ「心に切り替えスイッチを持っておこう」

自分が美少女であるときとそうでないときの切り替えは大事です。私の場合はパソコンの前に座っているときだけ美少女になるという、心のスイッチを持っておくようにしています。
また、スイッチが入っていてもコミュニケーションの礼儀正しさは忘れずにしましょう! キャラクターになりきったままコラボのお誘い、業務連絡等の裏でのやり取りをすることは、相手に失礼になってしまうこともあるので、くれぐれもお気をつけください。

7.バ美肉化した後はどうする?

https://www.youtube.com/watch?v=ZezE3YGEoQo

日ノ森あんずさんをはじめ、魔王マグロナさんや兎鞠まりさんなど、バ美肉を活かしてVTuber活動を展開している人は多く見られます。YouTubeでの動画投稿・ライブ配信はもちろん、リアルイベントへの出演やグラビア撮影、グッズ販売など幅広く手がけられているのも特徴です。

一方でVRchatといったソーシャルサービスでコミュニケーションをとるためにバ美肉化した人も少なくありません。普段とは違う自分を楽しむために、カジュアルに性格を入れ替えているという例もあります。バ美肉化した後に、どんな活動をやってみたいのかを事前に考えておくと良いでしょう。

日ノ森あんずメモ「目的をハッキリさせて、楽しいバ美肉ライフを!」

私がバ美肉のVTuberとして活動したいと思ったきっかけは、魔王マグロナさんと兎鞠まりさんに出会ってしまったことからでした。当時、女性VTuberの活躍が目立っていた中で2人の存在は衝撃的で、視聴してすぐに「私もやってみたい!」と思いました。そのおかげで今は憧れのおふたりとも話せるようになって、とても嬉しかったですね。

現在はどういう配信をするか、面白い企画はないか等、リスナーさんとどう楽しんでいくかを毎日考えています。時には焦ったり悩んだりもありますが、より衝撃的で面白いものを生産していくことが大事だと思っています。VTuberになる以前よりも現在のほうが幸福度は上がっていると考えていますね。

これからバ美肉を始められる方に注意してもらいたのが、事前に目的を明確に持つことです。「VTuberになって多くの視聴者に見てもらいたい」と「友人たちとコミュニケーションをとりたい」とでは、方法論が違うために両立が難しく、途中で心が折れてしまうこともあります。もちろん、どちらの選択肢もステキですし、バ美肉界隈にとってもプラスになりますので、周りを気にせず自分の本当に進みたい道を選んでください。

最初は自分の理想のかわいい存在になれなくて絶望すると思います。ある程度メンタルが強くなければ続けるのは難しいでしょう。それでも、かわいい美少女になりたいという夢を持ち続けている方は、ぜひこちら側の世界に来てみてください!

執筆:ゆりいか
協力:日ノ森あんず


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード