軍隊の業務はハードです。なかでも、爆発物処理部隊のストレスは相当なものでしょう。
彼らの仕事内容を知れば、その過酷さはよりいっそう伝わってきます。部隊は金属探知機などを使って、ゆっくりと一定のペースで地面をスキャン。隠れた異物を検知する音を聞き分けます。少しでもペースを乱せば、危険が待ち構えています。
AR技術で地中の危険物をビジュアル化
この状況を改善すべく、米国の軍事機関The Communications-Electronics Research, Development and Engineering Centre(CERDEC)は、ARヘッドセットやモバイル端末を使い、危険物の探知をビジュアル化する取り組みを開始しました。
この技術を用いた金属探知機を動かすと、地中に隠れた物体の形やデジタルイメージがディスプレイに投影されます。イメージはやや不鮮明ながらも、異物のあるエリアは赤や黄色の明るい色で投影されます。こうして、より危険の少ないエリアを見分けることができるのです。
一度エリアをスキャンして情報を収集すると、データはバーチャルな地図にまとめられます。さらに軍のネットワークを経由し、同じエリアにいる爆破物処理部隊のヘッドアップディスプレイ(HUD)に表示。エリア内の危険物の状況を共有します。
金属探知機からドローンまで応用可能
この技術の特徴として、どのような機器でも使用できることが挙げられます。従来の探知技術では、機器ごとに用途に応じて異なるセンサーを搭載しています。しかし今回のARを用いた技術では、手持ち式の探知機からロボット、ドローンにまで広く応用が可能です。
実戦だけでなく訓練での使用も検討されています。金属探知機を動かすペースをつかみ、より効果的な使用方法を身につけるというものです。
米国ではARの軍事関連利用が進んでいます。これまでにMogura VRで紹介した事例は以下の通りです。
(参考) VRScout
Mogura VRはVRScoutのパートナーメディアです。