HTCが日本時間5月12日に発表したPC向け新型VRヘッドセット「VIVE Pro 2」。初代VIVE Proから解像度や視野角などの性能向上が図られたモデルとして注目を集めています。
本記事では、VIVE Pro 2で何ができるのか、初代から何が変わったのか、スペック、他VRデバイスとの比較、価格・購入方法などの最新情報をまとめて紹介します。
目次
1.VIVE Pro 2とは?
2.どんなVR体験ができるのか
3.VIVE Pro 2以外に必要な準備は?
4.初代VIVE Proからどこが変わった?
4-1.解像度が5Kに向上
4-2.後付モジュールでアイトラッキングに対応
5.スペックや他のVRデバイスとの比較
6.発売日や購入方法
VIVE Pro 2とは?
「VIVE Pro 2」は、HTC主催のオンラインイベント「VIVECON 2021」にて発表されたPC接続型のVRヘッドセット。2018年に発売された「VIVE Pro」の後続モデルとして登場、両目5K解像度や視野角120度のなど性能が向上したハイエンド向けデバイスです。
VIVE Pro 2の構造やデザインはVIVE Proとほぼ同一です(レンズの形状だけ変更あり)。VIVE Proが人間工学に基づいて設計されており、構造面の信頼性が高い理由から、VIVE Pro 2へも全面踏襲されています。
どんなVR体験ができるのか
「VIVE Pro 2」では初代VIVE Pro同様にPCにケーブルで接続し、外部センサーを設置することで、高クオリティなVRゲームやVRコンテンツを体験できます。外部センサーはSteamVRのベースステーションのトラッキングシステムを採用、ベースステーション1.0と2.0に両対応しています。トラッキングはVR内で自由に身体を動かせる6DoFです。
また、2021年4月に発売された物や体に装着して現実の動きをVRに反映できる「VIVEトラッカー3.0」と顔の動きをアバターに反映させる「フェイシャルトラッカー」も使用できます。
VIVE Pro 2体験会のレビューはこちら。
「VIVEトラッカー3.0」と「VIVEフェイシャルトラッカー」の体験レビューはこちら。
VIVE Pro 2以外に必要な準備は?
VIVE Pro 2を体験するには、PCと屋内のスペース(ベースステーション1.0:最大3m×4m、2.0:最大6m×6m)が必要です。VIVE Pro 2をHMD単体で購入する場合は、ベースステーション1.0または2.0とコントローラーの購入が必要になります。VIVEやVIVE Proを購入したことがある人はこれらの機材を流用できますが、初めての購入となる場合は買い揃えなければいけません。
PCに必要なスペックは?
VIVE Pro 2の動作には以下のPCスペックが必要です。
プロセッサー |
Intel Core i5-4590 あるいは AMD Ryzen 1500 同等かそれ以上 |
グラフィック |
NVIDIA GeForce GTX 1060 あるいは AMD Radeon RX 480 同等かそれ以上 フル解像度には、GeForce RTX 20 Series (Turing) or AMD Radeon 5000 (Navi) ジェネレーションもしくはそれより新しいもの |
メモリ |
8GB RAMあるいはそれ以上 |
ビデオアウト |
DisplayPort 1.2 あるいはそれ以上 ※フル解像度モードにはDSCを搭載したDisplayPort 1.4以降が必要 |
VIVE Pro 2はHTCの新技術「Display Streaming Compression」が初めて採用されます。これにより、NVIDIAとAMDのGPUにDisplayPort 1.2ケーブルで接続することで描画負荷を軽減し、VIVE Proが動作するPCで、VIVE Pro 2が動作するとのこと。しかし、「Display Streaming Compression」を活用しても完全に体験が同じになるわけではありません。VIVE Pro 2の性能を最大限引き出したい場合は、GeForce RTX 20以降か AMD Radeon 5000以降の搭載されたPCを用意しましょう。
初代VIVE Proからどこが変わった?
解像度が5K、リフレッシュレートも向上
VIVE Pro 2の解像度は「片目2448 × 2448」で両目で5Kに近い解像度に。VIVE Proは「片目1440×1600」なので、大幅に解像度が向上しています。
MoguLive編集部では、実際にメディア向けに開催されたVIVE Pro 2体験会で、VRコンテンツ「the Blu」を体験。担当記者は何度も「the Blu」を体験しているにも関わらず、初めて体験したとき以上の感動をおぼえたとのこと。そして、「文句のつけようがないほどきれいな映像が広がります。ピクセルが見えて網目を感じさせるスクリーンドアはゼロといっても過言ではなく、いよいよ肉眼と遜色のない見え方」と評しました。
また、リフレッシュレートはVIVE Proの90Hzから120Hz対応になりました。
後付モジュールでアイトラッキングに対応
VIVE Pro 2は後付モジュール「Droolon F2 Eye-Tracking module」を装着することでアイトラッキングに対応することが判明しています。VIVE Proでアイトラッキング機能を体験するには、VIVE Proの上位モデルの「VIVE Pro Eye」の購入が必要となっていました。
本モジュールを開発するスタートアップの7invensunは、2019年に一体型VRヘッドセット「VIVE Cosmos」向けに同様のモジュールをリリースした企業です。「Droolon F2 Eye-Tracking module」の価格は299ドル(約33,000円)。2021年第3四半期のリリースが予定されています。
スペックや他のVRデバイスとの比較
VIVE Pro 2と前モデルのVIVE Pro、同じくPC向けでSteamVRのベースステーションに対応しているVRデバイス「VALVE INDEX」のスペック表は以下の通りです。
VIVE Pro 2 |
VIVE Pro |
VALVE INDEX |
|
ディスプレイ |
4896 x 2448 |
2880×1600 |
2,880×1,600 |
リフレッシュレート |
90/120 Hz |
90Hz |
80Hz/90Hz/120Hz/144Hz |
視野角 |
120度 |
約110度 |
約130度 |
IPD調整 |
調節可能 |
調節可能 |
58mm~70mm(物理調整) |
接続 |
Bluetooth、周辺装置用USB-Cポート |
Bluetooth、周辺機器用USB-Cポート |
USB 3.0、DisplayPort 1.2、12V電源 |
オーディオ |
Hi-Res 認証済みヘッドセット (USB-C アナログシグナル) |
Hi-Resヘッドセット Hi-Resヘッドフォン(取り外し可能) 高インピーダンスヘッドフォンサポート 内蔵マイク |
ヘッドホン一体型 マイク搭載 |
VIVE Pro 2の動作要件
プロセッサー |
Intel Core i5-4590 あるいは AMD Ryzen 1500 同等かそれ以上 |
グラフィック |
NVIDIA GeForce GTX 1060 あるいは AMD Radeon RX 480 同等かそれ以上 フル解像度には、GeForce RTX 20 Series (Turing) or AMD Radeon 5000 (Navi) ジェネレーションもしくはそれより新しいもの |
メモリ |
8GB RAMあるいはそれ以上 |
ビデオアウト |
DisplayPort 1.2 あるいはそれ以上 ※フル解像度モードにはDSCを搭載したDisplayPort 1.4以降が必要 |
USBポート |
1x USB 3.0 あるいはそれ以上 |
OS |
Windows 10 |
発売日や購入方法、総コストは?
VIVE Pro 2の発売日は2021年6月下旬予定です。予約は公式ストアにて5月12日から開始。価格はヘッドセット単体で税込103,400円です。ベースステーション(税込25,575円)やVIVEコントローラー(税込25,443円)は同梱してないので、持っていない人は別途購入必要です。コントローラーは、VALVE INDEXのコントローラー(税込39,380円)にも対応しています。
VIVE Pro 2をフルセット(ヘッドセット、ベースステーション、コントローラー)で揃えた場合の価格は税込154,418円です。
なお、予約はAmazonでも開始していますが、執筆時点で在庫切れの状態です。