木を感じる体験から環境保全へ イギリスのVRインスタレーション作品が目指すこだわり

https://player.vimeo.com/video/195539105

イギリスのクリエイティブスタジオMarshmallow Laser Feast(MLF)は、VR体験『Treehugger : Wawona』を発表しました。この体験は、体験者に地球規模の気候危機に直面している自然の巨木の将来についての問題を提起させるVRインスタレーション作品です。普段目に見えないものを視覚化される事で、私たちの知覚を超えた世界を探求することができるとしています。

木を「抱く」ことで愛を感じる

木を「抱く」というコンセプトで制作された体験は、HTC Viveのヘッドセットを被る時点からスタートしています。ヘッドセットを被るのではなく、木の節に頭を置くことで、巨大なセコイアの木の中に転送されるという設定です。木が私たちの環境にどれほど役に立っているのか、体験を通じて理解することになります。

VRで、体験者は抽象的な視覚空間を漂います。そして、根元から枝の先端まで進む一滴の水を追いかけることに。木の先端に近づくにつれ、空気の流れや水の粒子を見ることができます。

「巨大なセコイアの木の下に立つ体験は、私たちの心を深く動かします」と、MLFのクリエイティブディレクターのErsinhan Ersin氏は語ります。「人間には、愛を感じるものを守ろうとする傾向があります。このプロジェクトの究極の希望。それは、このような深いVR体験を通じて、(木を愛するようになり)人々の消費主義が環境保全にむかっていくことです。」と解説しています。

開発メンバーは、VRインスタレーション用に木のスキャンを行うため、最高齢で素晴らしい木を求め、アメリカ中を遠征しました。MLFは、ロンドン自然史博物館とサルフォード大学の有力な研究者と協力して、LIDAR、白色光、CTスキャンを駆使して、スキャンデータから高精細度のテクスチャを制作しました。

PNY Technologiesのハイスペックなグラフィックカードを使用し、高負荷のシミュレーションを可能にしています。最終的に、体験者がその空間の中でプレゼンス(実在感)を感じられるような、インタラクティブな粒子を備えたダイナミックな環境をつくりだします。

さらに詳細な木の表現へ

このプロジェクトが進展するにつれ、木との共生感覚をさらに可視化するために、呼吸センサーを取り入れる予定です。「木が息を吐き、体験者は呼吸をする。酸素が木から人間の体内に取り込まれていく様子を目に見えるものにする」ことを目的としています。最終的には、松の葉の光合成が見えるぐらい、詳細に木を作り込みたいとのこと。

MLFの野望は、さらに入り組んだ層を内部にもった大きな世界を構築する事です。今回制作された『Treehugger』は第1章です。根のシステムやエネルギーの流れを見せることで、体験者が自然景観を探求できるゲームへの応用を目指し、今後資金を調達する予定です。

『Treehugger』は12月28日までロンドンで行われたSouthbank Center Winter Festivalにて公開されました。この後、3月20日から27日までオランダのエイントホーフィンのSTRPビエンナーレ、2017年4月から6月までイギリス・ウェールズのマイグレーションにて体験が可能とのこと。

(参考)

How This Group of Tree Huggers is Using VR to Inspire Conservation – VRScout

http://vrscout.com/news/treehugger-wawona/

※Mogura VR は、VR Scoutとパートナーシップを結んでいます。

この記事を書いた人

  • 先端技術好きなデザイナー。VRでは、MVコンセプトアート制作や360度カメラを使用した企画に関わる。多摩美術大中退、CI開発から書籍装丁等の様々なデザイン業務に従事。 THETA LOVERだゾ。

    Twitter:@sayamecci

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