VR空間でCADが使えるMakerVRに機能強化されたPro版が登場

※本記事は、2017年8月7日にHTC社公式ブログに掲載されたStephen Reid氏の記事を翻訳したものです。

VR内で3Dモデルの設計ができるCADソフト「MakeVR」にProバージョンがリリースされました。このバージョンではどういう点が変わったのか、MakeVRプロダクトマネージャーのSteve Hansted氏にお話を伺いました。

ーー名前に「Pro」が付いたことからしてプロフェッショナル向けだとは思いますが、具体的にどのような層を想定していますか?デザイナーだけ、それとも他の職業の方も?

Steve Hansted氏(以下、Hansted):
「Pro」というのはターゲット層というより、新機能のことを指しています。比較的自由な形状の作成にはこれまでどおりブーリアンツールを使うことになりますが、今バージョンでは精密ツールが追加されました。学生、メイカー、3Dプリンターユーザーから3Dモデラーやデザイナーまで、年齢層や技能レベルを問わず、位置精度や回転精度が要求されるモデルをすぐに作り始めることができます。分かりやすさや使いやすさは従来のツールと変わりませんので、誰でも気軽に使えます。

ーー今バージョンで一番の目玉となる新機能を挙げるなら?

Hansted:
精密な造形を可能にするツール群でしょうか。グリッド、ルーラー、オブジェクトスナッピング、回転整列、ミラーリングといった機能が加わったことで、オブジェクトを正確な位置に配置して切断、結合、スイープなどが行えるようになりました。

ーーオブジェクトスナッピングとは具体的にどのような機能なのですか?

Hansted:
MakeVR Proでは、オブジェクトをグリッドやルーラー、あるいはシーン内の任意のオブジェクトにスナップすることができます。また、スナップ先オブジェクトの表面との相対角度や奥行きを保ったままスライドさせることもできます。そのため、複数のオブジェクトを任意の方向に整列させることがとても簡単になります。スナップを解除するには、オブジェクトをつかんで手首の振りで「引きはがす」だけです。

ーー他にも「ゴースティング」という機能が追加されたそうですね。

Hansted:
ゴースティングとは、オブジェクト同士をスナッピングするとき、 オブジェクトをつかんで別のオブジェクトに触れさせると、「Go」を押したとき実際にどこへスナップされるのかが半透明のプレビューとして表示される機能です。名前から幽霊を連想するかもしれませんが、これは親切な幽霊です!

ーーグリッドやルーラーについてはある程度想像は付きますが、実際どのように使われるのでしょう?

Hansted:
MakeVR Proでは、オブジェクトをスナップできるものにはグリッドとツーラーが表示され、2次元や3次元での正確な位置決めができるようになっています。逆にルーラーやグリッドをシーン内のオブジェクトや別のルーラー/グリッドにスナップして組み立て治具を作ることもできます。つまり、バーチャルなドリルプレスやフライス盤が作れるのです。トラッキング増分を設定すれば、グリッドやルーラー上でオブジェクトを、4分の1インチとか5cm単位とか、指定した精度で移動できます。また、グリッドやルーラーには米国で一般的なヤードポンド法だけでなく、メートル法の単位も使えます。

ーーオブジェクトトラッキングとは?

Hansted:
これはなかなか賢い機能なんです。オブジェクト同士をスナップしたとき、オブジェクトをスナップ先オブジェクトの表面に沿ってドラッグすることで、任意の位置へ正確に整列させることができます。その際、境界条件(面、辺、頂点)は保持されるので、角を曲がって移動させたときも意味のある配置が保てます。

ーーもうひとつ、ミラーリングについても教えてください。

Hansted:
シーン内のあらゆるオブジェクトについて、グリッドを対称面として簡単に鏡像を作成できる機能です。正確に対称な物を作りたいときに使います。私は今、スター・トレックの宇宙船エンタープライズ号をモデリングしようとしているところなんですが、ミラーリングは大変役立っています。

ーーそうした新機能を支える基盤部分についても何か改良されているのでしょうか?

Hansted:
もちろん。たとえば、.stlファイルを読み込んでVR内でプレビューできるようになりました。現時点ではまだ、つかんでサイズの変更ができるだけですが。.stlファイルは外部形状を記述するもので、内部構造という概念がないので、これに対してCADベースの機能を使うことはできません。
また、Pro版では精密作業のためのツールや機能に加え、Proツールで作成された追加のワールドやコンテンツも同梱されています。

ーー最近はVR内で3Dモデリングやオブジェクト作成ができるソフトもかなり増えてきました。MakeVRは他の製品と比べて、どのような点が強みだと思われますか?

Hansted:
そうですね… MakeVRとMakeVR Proはどちらもプロフェッショナル用の、業界標準のCADエンジンを使用しています。つまり、非常に成熟した、 堅牢な土台の上に作られているのです。ブーリアンツールだけでも優に150人年以上にのぼる開発の蓄積があります。また、MakeVRはソリッドモデルを使うので、作ったものは何でもそのまま3Dプリンターで出力できますし、もちろん他のモデリングアプリケーションやゲームエンジンに読み込むことも可能です。

ーー今後の開発方針について聞かせてください。何か新機能を追加する予定はありますか?

Hansted:
たくさんありますよ。特に優先したいのは、共同作業ができる機能、同一環境に複数のユーザーが入れる機能、あと物理演算かな。ベースにしているCADエンジンで使えるツールの中で、VRで使うことに意義がありそうなもの、ユーザーから要望があったものを実装していきたいと考えています。ですから「こういう機能やツールが欲しい」と感じたら、ぜひ教えてほしいです。

ーーHanstedさん、お時間を割いていただき、ありがとうございました。

 


MakeVR Proは現在、Viveportから入手できます。
※本記事はHTC社より許可を頂き翻訳・掲載を行っています。

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