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ゲーム・アプリ 2017.08.22

VRで瀕死を疑似体験 人の価値観は変わるのか


一度、死の危険を経験すると、その強烈な体験はその後の人生に大きく影響を与えます。

通常生活している中で死を意識するほど危険なことはまれですが、VRでそのような状況を再現するコンテンツが開発されています。Portal Experience、The Brain Factory、3DLiveが共同で制作した『Flatline:Experience the Other Side』では、流産をしてしまった際に、自身の命まで失いそうになった女性の体験談を元にVRコンテンツが作られました。

死の危険を体験するとその後の人生まで変えてしまう

さまざまな死の危険から生還した人へのインタビューの結果、80%以上の人が自身の人生がその危険を経験することによって変わったと話しています。人生の変わり方はポジティブ、ネガティブ双方ありますが、多くの生存者の話では死への恐怖が和らいだり、抽象的な思考を行うようになったり、愛についてより広い概念として考えようとするといったことを同時に考えるようになるとのことです。

このような人生を変えてしまうほどの経験をとてもリアルに体験できるVRコンテンツが開発されました。

流産時の死の危険をVRコンテンツ化

https://www.youtube.com/watch?v=nTOlNhXC93U

Portal Experiences、The Brain Factory、3DLiveが共同でプロデュースした『Flatline:Experience the Other Side』は、生存者視点で死の危険を追体験します。リアルな環境や薬物による身体への影響など、30年以上かけて集めてきた4000件ものインタビューを元に、ユーザーは6つの異なる『死』のシナリオを体験できます。今回発表されたのはそのうちの一つ目となり、将来的にはもっと多くのコンテンツをリリースする予定です。

発表された一つ目のコンテンツは、流産をした際に死の危機に至るまでを体験した女性Gloria Hipple氏の体験です。Hipple氏自身が体験のナレーション音声を担当し、Hipple氏の声は声優によって演じられています。この6分間の体験では、心理学者のSusan Blackmore氏、スピリチュアリストの Diane Corcoranなど世界的に有名な専門家によって、Hipple氏に何が起こっているのか説明を行っています。

Flatlineは、8月初旬、カリフォルニアの「Scare LA」と呼ばれるホラーコンテンツの展示会で発表されました。イベントでは、Flatlineを試してみるために、体験者は救急車の中に入り、本物のストレッチャーの上で体験したり、アテンドした担当者は救急医療者の姿になったりとより臨場感を増すような仕掛けが用意されていました。

現在、ViveportOculus Storeで約490円でこのエピソードを購入できます。今後、ニューヨークシティで開催されるVR WorldではPlayStation VR版が公開される予定です。

VRでの体験が果たしてどこまで実際の体験に近づけるのか。実際の体験のような「人生を変える体験」となっているのか、注目したいコンテンツです。

(参考)
Experience Near Death in VR / VRFocus(英語)
https://vrscout.com/news/near-death-vr-experience/

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